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橋
雨は一晩中降り続けた
私は一晩中歩き続けた
空に問うても答えることは無い
虚ろに風が吹き抜ける
まるで自分が空っぽのような気がして
街灯の灯りが先のその先まで並んで道を照らしている
更に先は真っ暗で良く見えない
雨風が打ちつける
ああ、こんなもんだ なんてことはない
お父さんが呟いていた言葉を思い出す
私の一生など、この先もこうなのだろう
だから私も呟く
こんなものだ なんてことはない
目の前に先を照らす灯りがある
それで十分だ
私には二本の脚がある
十分だ 前に進むことができるではないか
…
やがて、雨風は弱まり、空が暗がりからボンヤリと白じみ始めた頃、道は上りの坂道となった。
やがて道は橋となった。
手摺りに手を掛け橋上から下を覗く。
川が流れていた。
暗い川面を凝視する
水中で動いている影を見つけた。…あれは魚?!
生きている?
魚が泳いでいる?
ダメだ、遠くで良く分からない…
空中でバサリと音がする
見上げると、一羽の鴎が夜明けの空を滑空していた
あああ
日常の光景が、そこにあった
生きていたんだ
生き物は生きていた
私だけじゃなかった…
雲間から光りが差し始めた
夜明けだ
明けない夜はない




