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人類滅亡学者の旅路  作者: sakura
人類滅亡
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32/59

橋

 雨は一晩中降り続けた

 私は一晩中歩き続けた


 空に問うても答えることは無い

 虚ろに風が吹き抜ける

 まるで自分が空っぽのような気がして


 街灯の灯りが先のその先まで並んで道を照らしている

 更に先は真っ暗で良く見えない

 雨風が打ちつける


 ああ、こんなもんだ なんてことはない

 お父さんが呟いていた言葉を思い出す

 私の一生など、この先もこうなのだろう


 だから私も呟く

 こんなものだ なんてことはない


 目の前に先を照らす灯りがある

 それで十分だ

 私には二本の脚がある

 十分だ 前に進むことができるではないか



 …



 やがて、雨風は弱まり、空が暗がりからボンヤリと白じみ始めた頃、道は上りの坂道となった。

 やがて道は橋となった。

 手摺りに手を掛け橋上から下を覗く。

 川が流れていた。


 暗い川面を凝視する

 水中で動いている影を見つけた。…あれは魚?!

 生きている?

 魚が泳いでいる?

 ダメだ、遠くで良く分からない…


 空中でバサリと音がする

 見上げると、一羽の鴎が夜明けの空を滑空していた


 あああ


 日常の光景が、そこにあった

 生きていたんだ 

 生き物は生きていた

 私だけじゃなかった…


 雲間から光りが差し始めた

 夜明けだ


 明けない夜はない




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