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人類滅亡学者の旅路  作者: さくら
人類滅亡
28/58

 公園から、坂道を下り、川を渡って中華街に入る。


 道中、自分に言い聞かせる。

 僕は、女子供では無い。男だから。身なりは何故か小さくなったけど、大人の男だから、大丈夫。

 はあ、はあ。

 心臓がドキドキしている。


 まるで、自分の軸が崩壊するような、歪むような感じがする。


 僕は、学者です。

 人類滅亡学の学者です。

 人類が滅亡した謎を、解明する責務がある。


 はあ、はあ。


 中華街は、閑散としていた。

 当たり前だ。だって……。


 …もういい。


 トボトボと通り過ぎて、海方向へ向かう。

 今は、人混むような場所には居たくない。


 …



 公園に入る。

 有名な海に面している公園。

 洗面所に入って鏡を見る。

 少女のような小さい子が、映っている。

 幽霊のように青白い顔色、貧弱な身体。


 変わらない、分かっていた。


 僕は男、僕は大人、僕は学者。

 だから、大丈夫なんだ。

 自分自身に向かって何度も言い聞かせる。


 …自分の呼吸音が聞こえる。


 大丈夫、僕は大丈夫だから。

 一つ深呼吸する。

 落ち着いてきた。

 一時の息苦しい狂おしい感じが引いていく。


 もう、大丈夫。


 あっ

 

 ブルッとしたので、用を足しに個室に入る。






 外に出ると、夏真っ盛りのような青空。

 海岸に出ると海も水で満杯ですよ。

 ザパーンですから。


 ザパーン、水飛沫が僅かにかかる。

 深呼吸。うんうん…海は変わらない。

 海は好き。


 そのまま右手に海を見ながら北上する。

 陽光が暖かい。暑いくらいですけど。

 薄らと汗をかいているのが分かる。


 気持ちは、落ち着いた。

 もう、大丈夫だ。

 海は良い。…人が居ないから。実に落ち着く。

 海岸沿いの橋を渡っていく。


 赤煉瓦まで行ったら、駅前の方へ針路を変えよう。

 物資を補給するのだ。

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