FILE.12 BAD SAND
僕等が本気を出せばこんなゾンビの群れなんか簡単に……
とはいかず、僕等はすっかり回りを囲まれてしまった。 倒しても倒してもキリなく押し寄せるゾンビ共に正直、かなり手こずっていた。 戦況は変わらず、僕等は圧倒的に不利な立場にあった。 ちょっとでも気を抜けば一瞬で血祭りだ。 が、最悪にも僕等はその一瞬を作ってしまったのだ 僕は腕を、ゲインは足を掴まれ倒れ込むと その上から一気にゾンビ共がのしかかってきた。二人共もうダメだと思ったその時、
ドゴォォォォォォォォン‼︎‼︎‼︎‼︎
と 物凄い音とともに僕等にしがみついていたゾンビ達が吹っ飛んだ。 何が起きたのか分からない僕等は倉庫を見ると、ローラが満足そうな顔をして こちらを見ている。
手に手榴弾を持って。
『あの子の親に殺される。』「あぁ」
子供は学習能力が高いと言うが、こんなことは学習しなくて結構だ。
何はともあれ、戦況は一変した。ゾンビの大半は砂浜でバラバラになり、破片が波でひらめいていた。 残りのゾンビちゃんを手際よく片付けると、倉庫に戻った。
『ローラ、それの使い方どこでおぼえたの?』「パパ」『あら、凄い英才教育。』「鉄砲だってヌンチャクだって マチェーテだって使えるよ。」『お父さんはもしかしてシュワちゃん?』 今の子供は怖い。
ゲインの作る料理はマズイ!
たかだかパンにピーナッツクリームを塗るだけなのに なんでしょっぱくなるんだよ。
本人曰く、「なんか、塩気をたすと甘い物がより甘くなるから 隠し味に塩を入れた」
そうだ。 バカだ!なんで塩なんて入れるんだ! スイカじゃないんだ!
ひどい晩飯のせいかその日はよく眠れた。
一応、ゲイン ありがとう。
そして、ついに 僕らは3日目の朝を迎える。




