10話 林業の村 レッドウッド
マリー「……飛び出してきたけど……レッドウッドは何処にあるのかな……」
この世界の土地勘はほぼ皆無と言ってもいいほど、わからない。
ベアトリス「だいじょうぶ、道に進んでいったら着く、たぶん」
マリー「その多分ってのが怖いのよ!」
グラシー「……スライムがいる」
目の前にはスライムが立ちふさがっていた。
マリー「戦おうとしてるのかな……」
ベアトリス「だろうね……」
スライム「ニュニュニュ!」
スライムは私に体当たりしてきたが、人が当たったかのような感覚だけで、ダメージはなかった。
スライム「ニュ……」
マリー「なんだ、そこら辺にいるスライムか」
スライム「ニュニャァァ!?!?ニュアァァーー」
ベアトリス「心が折れて逃げた……相当傷ついたのね」
グラシー「少しかわいそうに思うが……」
マリー「じゃ、いこうか」
そして少し歩いたところでスライムが群れを成していた。
マリー「さっきの個体じゃないよね!?」
グラシー「おそらく、やり返しに来たと思われ」
マリー「……だからお前らは道端にいるスライムなんだよ!」
スライム「ニュ……ニュアァァァー」
ベアトリス「再放送だね、これ」
グラシー「そうですねベアトリスさ……ベアトリスさん」
ベアトリス「それでいいのよ」
マリー「こっちはこっちで調教してるし……さて、歩くぞー」
そして数百メートル歩いた先に、スライムがまた群れを成していた。
マリー「さっきより多くないか?」
ベアトリス「そうだよね……それに強気だし……」
グラシー「合体しないですよね」
マリー「そんなの、紙芝居の話じゃないのだから……そんなのないで……しょ……!?!?」
スライムはピラミットを形成して、キングスライムになった。
マリー「……合体したわね」
グラシー「私は勝てないですよ!?!?」
マリー「あんた聖騎士なんでしょ!?!?何とかできないの!?」
グラシー「あれは……レベル303だね……」
マリー「もうそれカンストしてないか!?!?」
グラシー「いやいや、私なんか、レベル429なんだもん」
マリー「だったらあいつ葬れるでしょ!?」
グラシー「やるきなーし」
ベアトリス「はわわ……」
マリー「もう……役たたないね……じゃ、私がやるわよ!」
私は倒れてくるキングスライムにファイアを打ち込んだ。
マリー「……効いてないね」
そしてキングスライムに飲み込まれた。
マリー「ゴボボボボ」
ひんやりしてて気持ちいいが、普通の人間だと窒息してしまうな……でも冷たい。
マリー「ボビャー」
内部でキングスライムを爆発させた。
マリー「ヒャッハー!!!」
ベアトリス「ボアァァァ!?!?」
グラシー「……ほえ?」
マリー「やっぱり、飲み込まれたら爆発させるのがいいね」
ベアトリス「それはそうだけど……もっと早くその魔法打ちなさいよ」
マリー「ごめんごめん」
グラシー「……これが……花火……」
マリー「まぁ……汚い花火だね」
そして歩いて、時々会話できない魔物に出会ったけど、無事にレッドウッドの近くに到着した。
マリー「……もう夜だねぇ……つかれたぁ」
半日歩いてたから足の疲労が半端じゃない。
グラシー「ここで一晩過ごすのですか?」
マリー「そうだね……私は一応不眠できるけど……寝てきてもいいよ?」
グラシー「それじゃ……お言葉に甘えて……」
ベアトリス「私もぉ~」
そして二人は宿に入っていった。
マリー「さて、私も眠ろうかな……」
そういえば……捨て子たちに会えなかったな……どこにいるんだろう。
マリー「ええい、ベッドに直行だぁ!」
私は一人部屋ですやすやと寝た。
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