4月3日 Haruka's Birthday!(1)
1日遅れましたが、春香の誕生日のお祝いSS(前編)です♪
4月3日。
俺と春香の家の間を流れる大きな川、その川沿いに植えられた桜が満開の見ごろを迎えた春の真っ盛り。
俺と春香は早朝からピースケの散歩に行くために、俺んちの前で待ち合わせをしていた。
「おはよー、こーへい♪」
「おはよう春香」
ワンワン!
ピースケが尻尾を振り振り、元気よく俺にじゃれついてくる。
「ピースケ、ステイ! ステイ!」
きゃうん! きゃん!
ワウン!
「もぅ、普段はちゃんと言うこと聞くのに、こーへいと一緒だとハッスルしちゃうんだから」
ワンワン!
「あはは。ピースケもおはよう。今日も朝から元気だな」
ワン!
などと朝から元気なピースケに構ってやっていると、朝の挨拶もそこそこに春香が言った。
「こーへい♪ 今日って4月3日なんだけど、実はわたしの誕生日なんだよね~」
いつにも増して甘々で可愛らしい声で、春香は上目遣いで俺を見上げてくる。
「知ってるよ。誕生日おめでとう春香。はい、プレゼント」
もちろん知っていた俺は、背後にずっと隠し持っていた袋を春香に手渡した。
「えへへ、なんだかおねだりしちゃったみたい?」
「おねだりくらい、いくらでもしてくれ。か、カノジョなんだからさ」
「えへへへ~♪ こーへいは今日も優しいね♪ ねぇねぇ、開けてみていい?」
「もちろん。その間、リードは俺が持ってるから」
「ありがと♪」
俺は春香からピースケのリードを受け取った。
きゃうん! きゃん!
俺の足に嬉しそうにまとわりついてくるピースケの頭を撫でている間に、春香が袋から中身を取り出した。
俺がプレゼントしたのは――
「わっ、これ前に一緒に見に行ったスニーカー! いいの!? 結構、高かったのに!」
「かなり悩んで悩んで、悩んだ末に買わなかっただろ? タイミング的にも、これは誕生日プレゼントに買うしかないって思ってさ」
「うう~っ! ありがとこーへい~!」
「喜んでもらえてよかったよ」
「すごく嬉しいよ〜!」
「ああ、ちょ! 抱き着くなってば。人が見てるだろ?」
ちょうど近くを通りかかった朝のウォーキング中のおば様が、微笑ましげな視線を向けてきている。
「見られてもいいも~ん! 明日からこれ履いて、こーへいと一緒にピースケのお散歩に行くんだも~ん!」
嬉しそうに言いながら、ぎゅー、ぎゅーと抱き着いてくる春香。
女の子の柔らかい身体の感触と、甘い香りが、俺のアオハルを刺激してやまない。
「まったく春香は甘えんぼだなぁ」
とか言いつつ、まんざらでもない俺である。
まあ?
路上とはいえ、人はほとんどいないし?
こんなにも喜んでくれている春香の気持ちに水を差すのも、気が引けるよな。
ここはあるがままに身を任せよう。
……はい、嘘です。
俺は春香に抱き着かれて、とても嬉しいです。
押し付けられた柔らかい感触にはすごくドキドキしているし、甘い香りには脳が焼かれそうです。
朝っぱらからアオハルを満喫しちゃっています。
などと、俺が心の中で自分へのしなくてもいい言い訳をしていると、
「相変わらずお熱いことね。すごく妬けちゃうわ」
不意に、千夏の声が聞こえた。




