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俺を犯した君の話  作者: 七賀ごふん
除け者

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27/44

#18



時は進み、放課後。


「なぁ、芦苅」

「伏美君。どしたの?」

三尋が掃除当番に行ってる間、なづなと伏美は教室で待っていた。


「いや、今日さ……お前教室にいなかったから知らないと思うけど、丹波の奴が変なこと言ってたんだよ。五組のターゲットが、お前か三尋になればいい、みたいなこと」

「えっ……そうなの?」

「あぁ。だから気をつけろよ。あいつ、キレたら何するか分かんないタイプだから」

「ううん……多分、怖いんだろうね。三尋に何かしたら困るけど、気持ちは分かるよ」

「いやいや、お前もダメだろ」


伏美は呆れ顔でなづなの頬をつついた。

もう、教室に二人以外いない。とうとうこのクラスに順番が回ってきてから、皆挨拶を済ましたら逃げるように帰って行くようになった。

「伏美君も、早く帰った方がいいよ。もう、何が起きるか分かんないからさ」

「おぉ。……でも、お前は?」

「俺は三尋を待ってる。一緒に帰る約束しちゃったし、先に帰ったら怒るだろうから」

それまで危なくないか? と伏美は腕を組む。しかしなづなは首を振って、力強く答えた。

「大丈夫、放課後は皆危険だもん。それに転校してきたばっかの三尋には、もう怖い想いをさせないって約束したんだ」

「お前、決意だけは男前だよなぁ。じゃ、気をつけろよ」

「ありがと。伏美君もね!」

伏美が教室を出て行ってから、なづなは独り窓の外を眺めていた。夕焼けは綺麗なのにどこか物悲しい。暗くなるのが嫌なのか……それとも、この色自体が心を不安定にさせるのか。


不安……やはり、自分は不安なのだ。


大層なことを言っても、いざという時に何もできない。昔からそうだった。いつも誰かの後ろに隠れて、守ってもらっていた。高校生になって少し変わったと思ったけど、それは大きな勘違いかもしれない。


気付いたら誰かに守ってもらっている。

それは、もう嫌だ……。


締めてるネクタイがやたら苦しく感じて、外してしまった。どうせもう帰るし、構わないだろう。


それにしても……三尋、遅いなぁ。

掃除はとっくに終わってる時間だ。時計を確認し、ようやく心配になる。迎えに行こうか考えていたとき、教室のドアが開いた。


戻って来たのかな……。

すぐに顔を向けたものの、そこにいたのは、


「よお、芦苅」

「丹波君……」


三尋ではなく、クラスメイトの丹波だった。


「一人ならちょうど良かった。ちょっとついてこいよ」




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