#14
自分は男だから、異性を、妹を守りたいと思うのは当然かもしれない。しかし同じ男の友人を守りたいというのは、どういう感情からなのか。
隣を並んで歩くなづなを見て考えた。
もしも彼が誰かに襲われたら、すぐにでも守ってやれるだろうか。常に一緒にいなければ厳しいんじゃないか……そんな事ばっかり考えてしまう。
「なづな、あのさ」
「三尋」
話し掛けようとしたけど、その前に彼が口を開いたから留まる。
「危ないと思ったら、逃げるのが一番いいよ。俺、やっぱり非力だし……三尋を必ず守れるかは、分からないから……」
なづなの顔は真剣だった。普段ない気迫に少し怯んでしまう。でもまぁ、それもちょっと慣れてきた。
「分かってるよ。後それ、俺も同じこと言おうと思ってた」
「あ、そうなの? あはは」
彼は恥ずかしそうに頬を掻いた。一応、クサいことを言ってる自覚はあるらしい。
「よし。テスト終わったらどこか遊びに行こう! どこに行きたい?」
「おぉー、いいね。そうだなぁ……遊園地とか、思いっきり羽根伸ばして遊べる所がいい」
「OK。じゃあ、絶対行こう!」
ハイタッチして、彼と約束してから別れた。
三年生に流れる不穏は、やっぱりテスト期間も関係なかったけど。
皆テストに集中する傍ら、この間にもゲームが執行されるんじゃないかと怯えていた。
次の標的となる四組では自然と集団行動が増えて、部活など用がなければすぐに下校する生徒が増えていった。その為もあってか、しばらくゲームの話は浮上しなかった。
このまま誰も被害者にならないでほしい。そしてできることなら、こんな卑劣なゲームを考えた首謀者を見つけ出したい。
けど、やっぱりそうはならない。俺にとっては三回目。皆にとっては四回目の、凶報。
も、う、……少し。
そう、全ての教室の黒板に殴り書きされているのを、今朝発見した。けど四組の教室だけは、違うことが書かれていた。
────“次は、五組”。




