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親ガチャ転生~毎回親に殺されるので転生を拒否したら、異世界の女神様から産まれました~  作者: 里見みさと
第3章 孤児院にて

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33 腹痛の話

リンカちゃんが『お赤飯の日』を迎えます。異世界に赤飯はないけどねw

生々しい表現があるので、苦手な方はご注意ください。

8/17題名変更しました。

 アルフが腹痛(虫垂炎)で倒れてから一週間。本人はすっかり元気になったと言うが、周りはまだ心配している。無理もない、死にかけていたのだから…。

 そこでアルフは『ステータスオープン』で、みんなに備考欄を見せることにしたようだ。以前、眠り薬を盛られた時のように、体に異常があれば備考欄に記載されるからだ。何も記載がないことを確認し、周りも納得せざるを得なかった。


 退院が決まり、夜には快気祝いの宴が催されることになった。きっとズラートルが美味しい御馳走を作ってくれることだろう。


 そして、めでたい事は続くのか、はたまた腹痛が伝染(うつ)ったのか?わたくしリンカ12歳(もうすぐ13歳だけど…)恥ずかしながら、本日お(・)赤(・)飯(・)の(・)日(・)を迎えました!ちなみに転生のプロなもんで、7度の人生でお赤飯の日はこれで3度目だったりするんだけどね。

 ちなみに、この異世界は地球の中世ヨーロッパに似ているけど、女性の月(・)の(・)も(・)の(・)を穢れだなんだと蔑み隔離したりすることはなくて、赤ちゃんを産むための準備であり神聖なものという認識みたいだね。そのあたりは現代の思想に近いのかな?




 午後、アルフと一緒に病室として使っていた部屋を片付けていると、ニックが入ってきた。


「なあ、本当にもう退院して大丈夫なのか?死にかけてたじゃないか!」

「う、うん。まあね…」


 ニックの心配はごもっともで、アルフも答えに困ってチラチラと視線をよこしてくる。(ちょ、こっち見んな!)

 私が現代医療の知識で虫垂炎の手術をしたことは、アルフと私だけの秘密なので誰にも言えない。秘密を抱えたことやアルフに超人だとバレていたことも相まってストレスが半端ない。下っ腹も痛いし気分は最悪だ…。


「い、いててて…」


 私は痛みで立っていられず、お腹を押さえてうずくまった。無詠唱で【痛いの痛いの飛んでいけ】を発動したけど、すぐに痛みがぶり返すんだよな…。


「リンカ、大丈夫か?」

「っ!まさか、リンカもあ(・)の(・)病(・)気(・)なのかっ?おいっ、死んじゃダメだ、リンカが死んだら、俺はっっ!」


 アルフは心配して声をかけただけだが、熱い男ニックは私の両肩を掴んでガクガク揺すってきた。余計具合が悪くなるし布がズレるからヤメレ!


「うぇー、ニック、死なないからっ!…痛みが増すから揺するのやめて…」

「あっ、わりぃ!つい……」


 ニックは揺するのは止めたけど、まだ肩を掴んだままだ。揺すられたせいで出血大サービスだ!これはぱんつがヤバい!!


「ごめん、ちょっとトイレ……」

「なんだ、下痢だったんか?拾い食いでもしたんだろ、心配して損したぜぇー」

「っ!違うもん!ニックのバカーっ!!」

「あ、バカって言ったな!言った方がバカなんだぜー!」

「リンカ、いいから早く行きな!あ、ア(・)レ(・)はクリス姉がお腹を温めると楽になるって言ってたよー」

「なぁ、アレってなんだぁ?」

「「……」」


 アルフにはバレてるようだ。犬獣人だから嗅覚でバレちゃうのかな?ちょっと恥ずかしい…。ずっと女だらけの教会に居たからか、アレの辛さには理解があるようだ。ニックは男兄弟の末っ子四男坊だっけ?そういうのには疎いのだろうなー。

 私はニックの腕を振りほどき急いでトイレに向かったのだった。


(うわ、ぱんつまで真っ赤だ!スカートは無事で良かった…『クリーン』!よし、真っ白だ。まー、すぐ汚れちゃうんだけどな…)


 この異世界には、『多い日も安心』な高分子吸収体でできた衛生用品はない。ボロ布をあてているだけなので、こまめに【クリーン】を使用しないと失敗すると院長先生から聞いていた。私はまだ不慣れだからこれから気をつけないといけない。

 それもあるが、鎮痛剤がないのが地味にツライ。生活魔法の【痛いの痛いの飛んでいけ】は効くけど、お腹に手を当てないと発動しないから周りにバレるし、効果時間も短いから使いづらい。困ったことである。

 女神様曰く、生殖機能は人並みにできてるらしいんだよねー。不老不死と考えると、この先ずっと面倒な処理と、この痛みと戦わねばならんのだ。何か対策を考えないとね……。



 夕方になり、快気祝いの宴の準備が整った。堅苦しいものではなくビュッフェ形式のテーブルの上には、美味しそうな料理が並んでいる。

 そして、院長先生の音頭で宴が始まった。


「それでは、アルフの退院を祝して、乾杯ー!」

「「「「「乾杯ーっ!」」」」」


 みんなにお祝いされてアルフも嬉しそうだ。もう成人してるからって、ガンガン酒(エール)を注がれてるけど大丈夫かな?二日酔いは【浄化】で治せるからいいけどさ。

 未成年の私はジュースでも飲むとしますかね。私がぐびりとジュースをあおっていると……


「ここで、もうひとつおめでたい報告があります!今日、リンカちゃんが初潮を迎えました。大人の仲間入りをしたリンカちゃんを、今後ともよろしくお願いしますねー」


「ぶーっ!げっほ、ゲホゴホっ…」

(い、院長先生、何暴露してんの!ジュースが気管に入ったやんけー!)


「「「「「「わー!リンカちゃん、おめでとー」」」」」」

「リンカ、まだだったんだー?」

「まだペタンコだけど来たんだねぇ」(うっせーわ!)

「わからないことがあったら聞くんだよ」


(みんなにバレちゃった。男の人もいるのに恥ずかしいっっ)


 でも、この異世界の生理事情を聞けるまたとない機会でもある。先程の失敗を相談する形で先輩たちに色々聞くことができた。

 その結果、やはり皆さん同じような失敗や苦労をしているらしい。

「昔からそれが普通だからねぇ」

「革製のぱんつなら少しは防げるけど固いのがね…」

「【クリーン】と【痛いの痛いの飛んでいけ】があるから大丈夫よぉ。慣れよ、慣れ。あっはっはー」


 ということで、貴重なお話は終了となってしまった。うーん、慣れかぁ……。




 翌朝、腹痛で目覚めた私は、血塗れの布団を見て思わずつぶやいた。

「やっぱ、慣れねえわ……」


 私は布団に【クリーン】をかけながら決意した。

(こうなったら、現代日本の知識で便利な衛生用品を開発してやるっ!)

 この日、10年ぶりに【発明少女リンカ】が始動した!



 それから、色々と試行錯誤の末開発されたのは、魔石に『クリーン』や『痛いの痛いの飛んでいけ』を封入し、常時発動型の回路を組み込んだ【魔石ぱんつ】だ。

 回路自体は『ライト』を封入した照明器具が市販されていたので、それを参考にして問題なく作ることが手来た。

 お値段は1枚2000レア(銀貨2枚)。【クリーン】が常時発動しているので汚れることはなく、組み込まれた魔石に、一日一回、生活魔法の【クリーン】を込めることで半永久的に使用可能だ。

 また、1枚3000レア(銀貨3枚)で【クリーン】と【痛いの痛いの飛んでいけ】のふたつの魔石を仕込んだものも用意している。こちらは痛いときだけ使うように少々お高めに設定してある。

 貴族向けにはシルクで織った魔石ぱんつも売り出した。お値段は通常版の10倍だ!

 いずれも、回路と魔石は取り外しできるので、お気に入りのぱんつに付け替えることも可能。


 (快適で便利なものができたけど、売れるといいな~♪)


 自分が快適になるために始めた『異世界版フェムテック』だったが、この【魔石ぱんつ】は全国の女性たちに爆売れし、その後、医療・介護の分野にも採用され、更に売り上げを伸ばすことになったのである。

 のちに、5年間の特許料の合計が『億』を超えることになるのだが、それはまた別のお話……。



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