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親ガチャ転生~毎回親に殺されるので転生を拒否したら、異世界の女神様から産まれました~  作者: 里見みさと
第2章 異世界の女神様

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12 神のおしごと

 ●天界・白い空間(女神視点) 


 (女神)の目の前で、遠慮なく眠るリンカ。

 魔力の行使による魔力切れは、この世界(ハーケールン)に生きる者、誰もが経験することだ。


 この世界で生きて行くには、魔力は絶対必要な要素である。

 今朝、不幸にも魔力を持たずに産まれ、すぐに亡くなってしまった赤子がいる。

 大気中の魔素に触れた瞬間、その魂は耐えられず肉体と分離してしまうのだ。


 それらの魂を導き、魔素のない世界、地球の神に引き渡すのも(女神)の仕事の一つだ。

 逆に、地球の神は、魔力やスキルを持って生まれてしまったが故に、殺されたり自ら命を絶ってしまった者の魂をこちらに送る。

 いわゆるwinwinの関係なのだ。


 リンカもそのうちの一人だ。

 魔力99、地球に住むには多すぎる値だ。

 ゆえに身体の内部で固有スキルと呪いを発動してしまい、何度も辛い転生を繰り返していたのだ。

 私はひょんなことからリンカの存在を知り、異世界から見守っていた。

 そして今回の事件が起きてしまったのである。

 つい、手を差し伸べてしまっても罰は当たらない…と思う。


 傍らで眠るリンカを見ると、魔力切れのせいか顔色が悪いようだ。

 あと数時間は目覚めないだろう。


 あのような大規模なスキルを使えば魔力切れを起こすのは当然だ。

『かめ●め波』と言ったか?どうも地球人はアレを使いたがる。

 魔素のない地球では無理だというのに特訓するなんて、可笑しなことだ。

 ふふ…、1500年前に召いた勇者もアレを使っていたなぁ。

 意思のある魂と話したのは、あれ以来1500年ぶりになるのか。

 実に、面白い……。



 さてと、事後報告になっちゃうけど、地球の神に報告に行くか~。


「少しの間待っててね。私のクローン(赤ちゃん)!」


 私は大きな試験管の中で育つ、まだ数cmしかない胎児に挨拶をした。

 帰るころには臨月になっているかもしれない。

 なぜなら、ここは地球の100倍の速さで時が進むのだから……



 私は今朝亡くなったばかりの()()()()の赤子の魂と、眠っているリンカの魂を連れ、地球へと転移した。




 ●地球の神(閻魔)の執務室 


「えへへ、来ちゃった!」

「ふ、フィーレア!来ちゃったじゃねえよ、俺は今忙しいんだ!」


 地球に転移すると、地球の神がガラガラと【親ガチャ】を回していた。

 複数のモニターに映っては消えて行くのは、S●Xしている男女の姿だ。

 明らかに夫婦でない者、未成年者、無理やりな行為も含まれている。


「相変わらず分別無しで回してるんだね。えげつない…」


「うっせえ、こちとら人口82億人もいるんだ、いちいち見てられるかよ!それにガキと若者が足りねえんだよ。いずれ税金や保険料を払う層がな!」


「バカ親に産ませるからそうなるんだよ。うちみたいに望んだカップルにだけ授けりゃいいじゃん?老人が多いなら減らせばいい。人工透析とか延命治療を保険じゃなく自費にすればそれだけで治療は止まり、かなり医療費が浮くと思うんだけどね?」


「俺が決めてんじゃねえし!政治家に言えよ。お前の所なんか大陸一つ残して全土封印したっていうじゃねえか。人口10万もいねえし管理出来て当たり前だろが!医療が遅れてて病気が治せず平均寿命が50歳ってマジかよ?魔法文化が聞いてあきれるぜ。職務怠慢って奴だな~おい!」


「ぐぬぬ…それを言われると困るんだけど。一つ忠告しておくよ、今の地球はうちが前回亡びた時と同じ流れだからね。100年しないうちに核の炎で亡びるね!」


「それは俺も理解している。資源も食料も枯渇気味だしな。まあ、終わるときは終わるだけだ。神は手出しできないのだからな!」


「そうだね…」


 私も地球の神も、今まで何度となく世界の滅亡と再生をみてきた。

 環境が壊れる度に、手探りで命を吹き込んできたのだ。

 いわゆる同志、というか戦友?なのである。



「…あ、そうそう。またかわいそうな赤子が産まれちゃったから連れてきたよ」


「ああ、助かる。こちとらいくら魂があっても足りやしねえからな。ところで、その神前でぐーすか寝てる娘は誰だ?不敬にも程があるだろ」


「この子は長谷川凛花ちゃん。昨晩、そちら(地球)で親に殺されてしまった子だよ。面倒な固有スキル持ちだったから勝手に連れて行っちゃうけど…ダメかな?」


「ん?面倒なやつならいらねえや。煮るなり焼くなり好きにしてくれや」


「…ホント、あんたって人類に対して愛情がないよね~」


「お前が過保護でお節介なだけじゃねえか?大阪のおばちゃんかよ!」


「「わっはっは……」」


 そんな冗談を含んだ会話を交わしながら、茶をすすり茶菓子をいただく。

 神にも休息は必要なのだ。

 こうやって地球の神が【親ガチャ】を止めている間に、望まない妊娠をするはずだった子が救われるのだ。

 一石二鳥とはこのことだと私は思うのだ。

 …地球の神には内緒だけどね。




「さてと、そろそろ凛花が目覚めそうだから帰るね、また来るよ!」


「んあ?はあけえるんきゃ~?」


 地球の、とある地方の方言で『もう帰るんですか?』という意味らしい。

 裏を返せば『まだ帰らないで』だろうか?とても良い言葉だと思う。

 私の管理する大陸に【ハーケールン】と名付けたのはそんな理由だ。

 もっとも、大陸以外封印していて誰も来ないんだけどね。


 神の執務室を出た私は、大阪のおばちゃんに擬態し日本のドラッグストアに立ち寄った。粉ミルクや哺乳瓶を購入するためだ。

 私の管理する異世界では絶対に手に入らない便利なものだからね。




 ●天界・白い空間 


 転移して戻って来た。リンカはまだ目覚めていない。

 今のうちに色々と準備をしよう。


 リンカのステータスを開き、ギフトの項目を見た。

 鑑定眼鏡★★、魔法の袋x15、光x13、火x48、水x46、風x44、土x43、盾x45、剣x47。


 鑑定眼鏡と魔法の袋はスキルに落とした。光はお金に換えた。

 あとは3等の余剰分だけか。

 各属性6個ずつしか付与できないから、計算すると……237個余っている。


 3等の属性の買取価格は1個あたり白金貨1枚。1枚100万レアが237枚だ。

 合計237,000,000レア?

 二億三千七百万円………!

 うわー、これ絶対リンカはいらないって怒るよね。


 そうだ、そのお金を使ってステータス画面を改造しよう。そうしよう!


 私はちょちょいと時空間魔法を使い、多層式ステータス画面を構築した。

 常に見えている画面はダミーで、本人により常時書き換え可能だ。


 鑑定では表面のダミーしか見えないから、リンカが超人であってもバレない!

 これはいい仕事をしたわ。自分を褒めてあげたいっ!


 ひとりで興奮していると、試験管から『チン!』と音が鳴った。

 いよいよわたし(女神)のクローン誕生の瞬間だ!


「ほぎゃーほぎゃー」


 今はまだ、心臓が動いているだけの、魂が入っていない入れ物だ。

 これからリンカの魂を移すのだ。


「フュージョン!」


 私は神の力を行使した!

 まだ眠ったままのリンカの霊体がクローンに吸い込まれる。


 ……目覚めなさい、リンカ……



なんと、3/30(月)の注目度ランキングに入ったそうです。

37位と26位らしいんだけど。初めてで舞い上がってます♪

立ち寄ってくださった皆様のおかげです。ありがとうございました。


あと一話?で女神編は終了、孤児院編に入ります。

続きが気になるとか、応援してるよーと思ってくださった方は、評価をポチっとしていただければ嬉しいです♪



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