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Requiem to the AVALON  作者: 大猩猩和
獣王国ガルニシア編 第一章 壁越え
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第13話 ガレスの解放

 一旦、ガレスのことを信頼してみることにしたアレスは彼を檻から出すため、近くに檻を地面へ下ろすための装置はないかと探し始めた。


 装置を探し始めたアレスは周りへ視線を向けながら階段を降りていき、いつの間にか一階に辿り着いていた。


 一階とガレスが吊るされている檻は結構な距離があるらしく、一階から見たガレスの檻は鳥籠のように小さい。


 そうして、一階まで降りてきたアレスはガレスが囚われている檻を下ろすための装置がないか探し始めた。


 そして、直ぐに見つかった。


 一階に降りて直ぐの場所にいかにも怪しいレバーが設置されていたのだ。


 アレスはそのレバーを引くと、歯車が動き出したような音と共にガラスが囚われている檻がゆっくりと下へ降りてきた。


 檻が下へ降りてきていることを確認したアレスは次にこの檻を開けるための鍵を探し始めた。


 こちらも近くにあった机の上にいかにもそれらしい鍵が丁寧に置いてあり、直ぐに見つけ出すことができた。


 鍵を見つけたアレスはガレスが囚われている檻が降りてくるのを待っている間、アレスは他に何か使えるものはないかと物色し始めた。


 そうして、アレスが何か使えるものはないかと周りを物色しているうちにガレスが囚われていた檻が一階に到着した。


 檻が一階に到着したのを確認したアレスは一度物色するのをやめると、ガレスの檻の方へ近づいた。


 ガレスの檻の前まできたアレスは先ほど机の上から回収した鍵を檻の鍵穴に挿してみると、ぴったりハマった。


 そして、鍵を捻ると、カチッという鍵の開くような音が聞こえてきた。


 鍵が開くような音が聞こえてきたので、アレスが檻の扉に手をかけると、扉を開けることができた。


 アレスが檻の扉を開けると、ガレスは檻の中から出てきた。


「すまない、貴公のお陰で助かった。謝礼として君にこれを渡そう」


 檻の中から出てきたガレスはアレスに感謝の言葉を述べた後、空間に裂け目を生み出し、裂け目の中へ手を突っ込み、何かを探し始めた。


 どうやら、ガレスもアレスと同じように収納魔術を使うことができるようだ。


 だが、アレスの収納魔術とは違う種類であるようで、彼の魔術は空間に裂け目を生み出し、異空間に繋ぐものであるようだ。


 アレスの収納魔術は収納したいものやあらかじめ収納したものを異空間に瞬間移動させるというものである。


 ガレスは裂け目の中へ手を入れて何かを探し始めてからしばらくが経った時、ガレスは目的のものを見つけたらしく、裂け目の中から手を引き出した。


 裂け目から引き出した彼の手には少し大きめの紙が握られていた。


 この紙には何かが書き込まれており、ただの紙ではないことは容易に想像できる。


 そんなガレスが手に持つ紙に意識を向けていると、


「これはガルニシアの地図だ。それもガルニシア全域が記されているとても貴重なものだよ」


 ガレスが手に持つ紙のことを教えてくれた。


 どうやら、このガレスが手に持っている紙はガルニシアの地図であるらしく、それもガルニシア全域が描かれたものらしい。


 ガレスによると、ガルニシア全域が描かれた地図はとても珍しいものであるらしく、なかなか手に入らないそうだ。


 そんな貴重なものをガレスは助けてもらったお礼としてくれるとのことだった。


 アレスは助けたとはいえ、貴重なものを譲ってもらったことに感謝しつつ、ガレスから地図を受け取ったのだった。


 ガレスから地図を受け取ったアレスは一旦、地図を収納魔術でしまうと、


「それで、ガレスはこれからどうするんだ?」


 ガレスにこれからの動向について質問した。


 アレスからこれからの動向について質問されたガレスは、


「私はこの隔離区画から出られる隠し通路を探そうと考えている。どうやら、この区画には明確な出入り口というものが存在していないようなんだ。そのため、この区画から出たいのならば、何処かにある隠し通路を探さなければならないのだよ」


 素直にこれからの動向をアレスに話したのだった。


 どうやら、この隔離区画には明確な出入り口というものが存在していないようであり、この区画から出るには隠し通路を探さなければならないそうだ。


 そのため、アレスがこの区画へ侵入してきたルートも隠し通路ということになる。


 そして、ガレスはアレスとは別の隠し通路でこの隔離区画へ侵入した可能性が高い。


 そのため、アレスは自分もガレスと同じように隠し通路を探す方向で行くべきかと考えたが、正門に繋がる隠し通路を知っているため、正統法である封印を解く方向で進めることにした。


 そうして、アレスもこれからの自分の動向を決めると、


「それでは、私はそろそろ行くことにするよ。貴公には本当に助けられた。またどこかで会えることを楽しみにしているよ」


 ガレスが別れの言葉をアレスに伝えた後、時計塔から外へ出ていった。


 ガレスが時計塔から出て行ったことを確認したアレスはしばらくの間、何か使えそうなものはないかと時計塔の中を物色した。


 そして、時計塔の中を物色しても特に使えそうなものもなかった。


 そうして、無駄に時間だけを浪費してしまったアレスはこの時計塔の中にいる意味もないので、時計塔の外へ出たのだった。










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