おまけ
チュンチュン…
「…ん〜、もう朝か。日曜日だし、もうちょっと寝てようかな。何だか抱きしめられてるみたいであったかいし…」
………
…?
ん?
段々と覚醒してくると、身体に人の腕らしきものが巻きついている。
確かにあったかい。でも自分は一人暮らしなはず。そもそも昨日はどうやって家に帰ったんだっけ…
ていうか、やっぱり誰かに抱きしめられてる?!
おそるおそる腕の主を確認しようと腕の中でもがいていると、
「文乃さん、まだ起きなくていいよ。」
あの腰砕けになる美声の持ち主の、やや掠れた色っぽい声が耳元で囁いた。
「ひゃっ」
声の主、千尋の方に顔を向けた文乃を、千尋はぎゅっと抱きしめ直してもう1度眠ろうとしている。
「いい子だから、ね。」
ちゅっ
文乃のおでこにキスをした後、またスヤスヤと寝始めた。
何故に自分は千尋に抱きしめられて寝ているのだろう。
そして何故に彼はパンツ一丁なのか。
そして何故自分は千尋のらしきTシャツを着て寝ているのか。
わからないことだらけだが、動くとギューギュー抱きしめが強くなるので大人しくするしかない。
「は、は、裸はムリーー!」
意外と逞しい千尋の身体に抱きしめられて、緊張のあまり全く寝れず、千尋が起きだす頃にはありえないほど疲れ果てた文乃だった。