ふゅんふ 学校……
Fünf――Schule……
Guten Morgen。おはよー。
僕の口に望乃がクソデカいケーキをぶち込んでくる夢を見たのだが、僕は至って元気です。幼女化は治っていないけども。
時刻は現在7時02分。
そういえば学校に行けるのだろうか。
おっと、スマホに通知が来ていた。
件名:雪宮 白兎さんの登校について
From:私立壱之牙華学園高等学校学園長 遠藤 雄一郎
雪宮 白兎さん。近坂 望乃さんから聞きました。にわかには信じ難いですが小さな女の子になり苦労しているそうですね。お宅に氷室先生が向かいますので、それまで待機してください。
P.S.篠宮先生も向かうとのことです。身の安全は"絶対に"最大限確保してください。
篠宮先生が来るのか……。ならばドアチェーンが必須だ。重度のロリコンなので……。
篠宮 楓先生は保健員の先生である。頭もいいし優しい。
でもすんごいロリコンだ。
前に黒菜が標的にされて滅茶苦茶にされて、黒菜のトラウマになっていたし……。
本当にそこを除けばめちゃくちゃいい保健員の先生なのに……。可愛い女の子を目の前にすると暴走するんだよね……。
とりあえずドアチェーンはしておいてと。
さて。朝飯は主食用パン。あとジャム。
……え? ジャムもうないの?
じゃあバター……え、マーガリン?
……まぁいいや。いただきまーす。
朝食を食べていたら、ピーンポーンとチャイムの音が鳴った。
「……こ、こんにちは氷室先生……うわっガチで来てる……んんっ、ロリk……篠宮先生」
「かわわ……いやなんで私の扱いこんなに酷いのかな……!?」
「残念でもないし当然だと思いますよ」
「雪宮に同じく」
「酷くないっ……!?」
氷室 奏先生。陸上部の顧問で、化け物体力のダンディな先生。
「校長から聞いてはいたが、まさか本当に雪宮なのか……?」
「そうです……」
「か、かわ……かわわわ……!」
「すまんな雪宮、こいつを連れてきてしまって」
「だ、大丈夫じゃないですけど先生は悪くないと思いますよ。と、とりあえずどうにかしないと」
氷室先生は悪くないと思う。まぁ、とりあえずロリコン先生は黒菜に抑えさせた。
……またの名を生贄と言う。
「やめろーっ! 死にたくなーい! 死にたくなーいっ! 死にたくなーいっ!」
「黒菜……、グッドラック」
「お兄ちゃーん……! 死んじゃうってガチで! あっちょっ……アーッ!!!」
……黒菜は犠牲となったのだ。
「え、えー……学校生活についてだが、問題なく登校できることとなった。……ただし、制服は用意できなくてな。特例として私服で良いこととなった」
「登校できるならそうなりますよねー……」
先生は、僕をじっと見てくる。
いやじっと見なくても疑問に思うこと沢山あるだろうに。肌の色とか、髪色とか、瞳とか。
「しかし……若返りや性転換は置いておいて……なんでそんな外国人のような……」
「知りませんよ僕だって知りたいんですから……」
肌の異様な白さや真っ赤な瞳だからね、外国人みたいと思っても仕方ない。
「……ああ、車で学校向かうが……いいよな?」
「は、はい」
「くるま!?」
……妹も聞いていた。
しかも篠宮先生から解放されているし……。
「私も乗せてくだs」
「……先生、妹は無視してやってください。中学なんて徒歩五分ですし」
「へぇぁっ!? お兄ちゃん!?」
妹よ 楽して行けると 思うなよ(字余り)
「……お兄ちゃんの意地悪……!」
「ははは」
「ムッツリ! おっぱい星人! 頭性欲チンパンジー!」
「頭性欲チンパンジーだけは抗議したいな」
「おっムッツリもおっぱい星人も認めたな?」
「……ぁ、ノーコメント」
「はは、流石に頭性欲チンパンジーではないと思うがな雪宮は……まぁそれ以外は妥当だが」
「先生……?」
氷室先生……? 何言ってるんですか……?
なんで妥当って思ってるんですか!?
◇
氷室先生の車に乗って、学校に向かった。
篠宮先生が怖いので、勿論助手席だったが。
教室に着いて、教室の前で紹介された。
恥ずかしい上に二人を除く全員が硬直してるんだが……。
「雪宮くんが……女の子に……?」
「畜生俺も女になりたかった」
「あらかわいい」
教室からはこんな声が聞こえてくる。
……女体化したい人がいらっしゃいますね?
休み時間となると、とても人気者になった。
なんで女の子になったの!? だとか、お菓子買ってくるけど何欲しい!? だとか。
……でも一部の女子が僕にセクハラしてくる。訴えようかな。勝てるでしょこれ?
「白兎、大変そうだな……てか肌白すぎだろこっわ」
「ゆ、唯斗……! た、助けてよ……!」
「面白いから眺めとこ」
「唯斗……!?」
……須之内 唯斗。中学からの友達。
基本流行に乗り遅れるタイプの人間。
……おい何ガチで眺めてんだ! 助けろ!
◇
数時間拘束されていたが、ようやく解放された。とりあえずセクハラしてきたやつは訴訟も辞さない。
「大丈夫ぅ? しろ……倒れてるけどぉ?」
「大丈夫だよ……嶺音……」
「本当にぃ……?」
雛河 嶺音。小学校からの友達。良い子なのだけども人を煽ろうとしている。良い子なので煽れないけども。
「まぁ大丈夫ならいいけどぉ……? でもしろぉ、なんで女の子になってるのぉ?」
「僕にもわかんない」
「そうなんだぁ……?」
本当になんで僕は女の子になったんだろうか。元凶の最有力候補が神様なんだが……。
「しろぉ、そんなちっちゃくなったから言い返せなくなっちゃったのぉ?」
「元からだと思う……」
「しろってやっぱり勇気ないよねぇ、ざこざこに思われちゃうよぉ?」
……まぁ別に女子相手だから滅茶苦茶嫌ってわけじゃないし。とても気持ち悪いことさえしなければ。
◇
「―――で、あるからして、我が国を代表する天皇陛下は―――」
幼女化は、授業に特に支障はなかった。
知能が下がっていなくて良かったが……いったい、どこから天皇が出てきたんだ……?
今、世界史なんだぞ……? しかも日本とか全く出てこない中世ヨーロッパだぞ……? いや前の授業とかでも滅茶苦茶天皇陛下が~とか言ってたけども……。
「―――であるからして、神聖ローマ帝国の―――」
……神聖でもローマでも帝国でもない何か(ヴォルテールの発言より引用)の話題に、いつもの事ながら本当にどこから天皇が出てきたんだ……? あれか? 国の憲法の真似~みたいな?
でもドイツ帝国じゃなかったっけそれ? 確かにどちらもドイツっちゃあドイツだが……全くの別物だぞ? 本当に何で?
◇
「一日学校休むだけで授業に追いつけなくなったりはしなかったけど……何で中世ヨーロッパで天皇~とか言ってたんだろ……?」
「私も同じ気持ち。……あと今やってる所ヨーロッパだったの? 中世なの?」
「歴史苦手すぎでしょ……」
謎に法律と条約の名前だけは覚えてるんだけどねリリィは……。墾田永年私財法とか、樺太・千島交換条約とか、日米修好通商条約とか……。年代や地理に弱いから……。
「零もあの先生、言ってること急でわかんないって言ってた。なんか……みぎ……? とも言ってた」
「ならそっかー……歴史のテストだけを毎回ノー勉で満点取るとかいう、あの綱杜さんが言うのならそうなんだろうなー……右かぁ」
うん。僕が間違ってるわけでもないみたいで安心した。……やっぱあの先生おかしい。どの授業でも天皇陛下とか言うんだもん……。
「あ、あとリリィ……、助けて」
「? あぁ……なるほど」
今現在もセクハラされていたため、リリィに助けを乞いた。すぐに理解してくれたため、リリィはセクハラしてきた女どもを引き剥がした。
「やめてっ……! 日本人が外国人のハーフに力で勝てるわけないでしょ!」
「私そんな力強くない……」
リリィは割と力が弱い方なのだが……。
セクハラしてきた女どもの方が強いし。
セクハラ魔1 ロリコン度合いは姉譲り、100メートルを12秒で走る篠宮 桜。篠宮先生の妹。
セクハラ魔2 性癖の森林、シャトルランは150超えの森岡 林。
セクハラ魔3 百合の間や薔薇の間に挟まる、握力驚異の198kg、割道 夏帆。
……ちなみに全員五教科平均約32点。
ギリギリ赤点は回避しているが、勉強は苦手だという。
「……セクハラで訴えたら勝てるかな」
「すみません本当に許してください」
「ごめんなさいでした……!」
◇
家に帰り、今日も今日とてゲームだゲーム。
ログインして、望乃達と合流する。皆早いって……。
「今日もレベル上げですか? 白兎くん」
「まぁね……二人に追いつきたいし」
「がんばって」
そこら辺にいる魔物に片っ端から喧嘩をふっかけて倒す。吹っ掛けて倒す。
〘スライムを倒した!〙
〘経験値10EXPを獲得!〙
〘ゴブリンを倒した!〙
〘経験値30EXPを獲得!〙
〘クッカドードーを倒した!〙
〘経験値40EXPを獲得!〙
〘ゆきうさぎ さんのレベルが上がった!〙
〘スキルポイントを2つ獲得!〙
「待って変なの倒したよね絶対!?」
「もしかして……クッカドードーの事でしょうか?」
「ただの鶏。野生だけど……気になるならモンスター図鑑を見て」
あ、モンスター図鑑ってのあるんだ……。
そして、何故かモンスター図鑑と書いてある本を持っていた。
No021 クッカドードー 無属性
Gallus gallus cuckadoodledoo
鳥綱キジ目キジ科ヤケイ属
とてもうるさいニワトリ。肉は不味い上に羽はボロボロ。卵は一日で孵化する。オスはメスが近寄らなくなるくらいにはとてもやかましい。でもメスもやかましい。
生息地:一部の草原地帯、一部の熱帯雨林地帯
……滅茶苦茶言われてて草。
あ、鶏発見! 倒してや……
『クックアッドゥードゥーッ!!!!!!』
「うわうるさっ!?」
「警報のようですね……」
……思ってた数倍やかましいんだけど!?
〘クッカドードーを倒した!〙
〘経験値40EXPを獲得!〙
……まぁうるさかったので倒した。
もし仲間に出来たとしてもする気はない。
「……え、えーっと、他にモンスターなら……あそこにいる」
「……あ、あれ?」
モンスター図鑑でリリィが指さしたモンスターを調べた。
No049 くまさん 無属性
Ursus arctos remissus
哺乳綱食肉目クマ科クマ属
ヒグマの自覚がないのんびり屋のヒグマ。近寄っても何もしてこない。だがこれでもヒグマなので怒れば危険。
生息地:草原、森林
……ある日、森の中(草原です)、くまさんに、出会った。花咲く森の道(草原です)、くまさんに出会った。
なんか怖そうなので戦うのはやめておこう。
さて、草原をそのまま進んでいると、海原が見えてきた。大きな砂浜も見える。
「……あの辺からジクス諸島。凄く危険だから、近寄っちゃだめ」
「推奨レベルは確か……60レベル前後でしたよね……。装備がいくら強くても、そのレベルでは厳しいですね……わたくし達でも、一発で即死しかねません……」
「え、60レベル? え?」
なんでそんな危険地帯が序盤っぽい地帯のすぐ近くにあるんだよ! おかしいだろ!
そう思っていたら、細長い、大きな蛇のような物体が海から飛び出して空を舞っていた。
No158 シーサーペント 水属性
Serpentdraco acutidentes
爬虫綱有鱗目四足龍科シーサーペント属
海などに生息する細長い爬虫類。肺呼吸だが、息継ぎなしでも半日ほどは泳いでいられる。
生息地:海、大きな湖
「……あの通り、シーサーペントが跳んでますよね。非常に危険なのですよ……あ、あそこの通りかかったプレイヤーがシーサーペントにやられましたね」
「あのヒレが付いた蛇みたいなのがシーサーペント……プレイヤーさん南無南無……」
とりあえずヤバそうなので退散。
シーサーペント怖ひ。あそこのプレイヤー即死していたから、絶対に近寄りたくはない。本当に。あんなところ。
◇
村の近くまで戻ってきた。
……しかし、何か異変があるようだ。
「……モンスターが少ない……? 勝手にリポップするはず……プレイヤーもそんなに多くない……どうして……? 近くにボスモンスターいるの……?」
え? なんかヤバいこと起きちゃってる?
……僕はどうすればいいんでしょうかね。
「いったい何が……」
「しーっ……。待ってください。足音が聞こえます」
ドシン……ドシン……と、遠くから重い足音が聞こえる。ヤバいやつだこれ。多分。
「足音的にボスモンスター……ここはフィルスト草原……。でしたらドラゴンでしょうか……? いえ、ドラゴンはありえませんよね……歩いてくるはずはありませんし、そもそも翼の音でもありません」
多分ヤバいくらい強いであろうドラゴンではないようで少し安心。
……それでも怖いな、なんか……。
「ボスモンスター……絶対強い……」
「……となると……オークの可能性が非常に高いです。それほど危険ではありませんし、推奨レベルも10前後……。白兎くんが倒せる程度だとは思いますが……攻撃力がかなり高いので気をつけてください」
オーク……あくまで妄想だが、多分ガタイのいい鬼みたいなのだろう。……実は推奨レベルは超えていないのだが(現在5LV)、とりあえず戦ってみようかな。
「足音が近いです……! 白兎くん、準備はいいですか!?」
「勿論!」
北側から、大きく、全身が筋肉質の、鬼のようなモンスターが現れた。
クラスメイト共
1 新道 奈桜 女 ヤンデレ
2 上村 雪音 男 小動物
3 金森 鈴六 男 バンドマン
4 楠 勇志 男 陽キャA
5 黒田 光 男 ゲーマー
6 近坂 望乃 女 幼馴染
7 猿川 狛野 男 二重人格者……らしい
8 篠宮 桜 女 ロリコン
9 須之内 唯斗 男 友達
10 曽山 円三郎 男 陽キャB
11 谷川 龍之介 男 女になりたいのかも?
12 綱杜 零 女 レキジョ
13 鳥田 美奈 女 バカップルの片割れ
14 長雲 蒼 男 陸上部のエース
15 野澤 春道 男 農家の息子……らしい
16 雛河 嶺音 女 年齢は微妙だがロリ
17 降沢 薫 女 イタズラ娘
18 辺沢 祐介 男 バカップルの片割れ
19 保川 梨花 女 文芸部副部長
20 松本 樹香 女 地雷女子
21 満平 大翔 男 陽キャC
22 森岡 林 女 変態森林
23 雪宮 白兎 男 主人公
24 来川 詩織 女 真面目な委員長
25 類葉 菜穂 女 VTuber……らしいよ?
26 六山 空 男 陰キャ
27 割道 夏帆 女 百合の間に挟まる女
28 リリィ・キルシェ・シュテルン 女 ハーフ
……多分半分以上は出ない
次回:オーク襲来




