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どらい 望乃とゲームですか?

Drei――Spiele ich Spiele mit Mino?

「……本当に白兎くん……なの……?」

「本当だって……っ! 本当の本当……!」



望乃はなかなか信じてくれない。丁寧語も外れかけている。まぁ当たり前だろうけども……。



「……では、一発ギャグで判断します」

「ぇっえ!? ……腐った臭い草!」

「まっったく面白くないですよ……?」

「……」



一発ギャグしろって言われたらどう思う!?

面白くするなんて普通無理でしょ……!

あとなんで一発ギャグなんだ……!?



「……そうですか……他に証明出来る方法はないと思いますよ……」

「本気で言ってる……? ……あ、望乃。それならいいのがあったよ。簡単に証明出来る方法が」

「え……?」



「おもらしカr……むぐっ!?」

「言 わ な い で 白 兎 く ん……!」



望乃は、目の前の少女が僕であることを確信したのか、頬を赤らめ大きな声で叫んだ。


別に恥ずかしがらなくても。

ただの小学校の頃のミスじゃん。

給食のカレーが望乃の後ろ側のスカートにかかっただけじゃん……。それをごく一部に中学までネタにされていたけども。



「……ま、全く……! デリカシーとか無いのですか!? 白兎くんは……!」

「ごめんごめん……あれが証明としては一番手っ取り早いから……」

「……まぁいいです。今回 だ け は 許します……!」



……望乃は膨(ふく)れっ面のままで、本当に許しているかは疑問だ。……だが、本人が許すと言っているので許しているのだろう。多分。



「……しかし、白兎くん……とっても可愛らしくなりましたね? どことなく妹さんにも似てますし」

「う……うん……」

「ふふ、頬(ほ)っぺた赤らめて……そんなところも可愛いですよ?」

「……っ!?」



男の頃からも望乃から……というよりもクラスの女子から可愛い可愛いと言われてはきたのだが、いつになっても慣れない。


……すると、望乃は何かを思いついたようににやけた顔になった。嫌な予感がする。



「……我ながら名案を思いつきました……。白兎くん。


……ぴょんぴょんって言ってください!」

「何で望乃もそうなるの……!?」



さっき黒菜から聞いたぞそれ……!

なんでまたやらないと……っ!



「……? 「も」……とは?」

「……黒菜も本当にそっくりそのままの事言ってたんだよ……!」

「なら良いじゃないですか。名前の如く兎さんのつもりで、ぴょーんぴょん、と」



……僕をなんだと思ってるんだ。

人間だぞ。兎さんじゃないぞ。



「嫌だよ……! なんでそんなこと……」

「お 金 な ら あ り ま す !」

「貰わないけど!? 友達同士のお金の貸し借りは以下略!」



いや確かにお金に困ってはいるけども……!

人から貰ってまでは流石にいいから……!

……主に黒菜のせいだし。



「じゃあどうすればやってくれますか?」

「やると思う……?」

「……おっぱい枕してあげますから!?」

「そんなの頼んだことないし興味もない」

「白兎くんおっぱい星人なのにですか!?」

「待ってどっからそんな情報出てきたの!? ねぇ!? 誰から聞いたの!? 答えてよ!?」



……あ、僕的には膝枕の方がいいかな。おっぱい枕は肺を押し潰して窒息させてしまいそうでちょっと怖いし……。



「……じゃ、じゃあバニーガール衣装を着るだけでいいですからっ……! 今から買いに行きましょう……!」

「もっと嫌だよ! 望乃が着てよ!」

「し、白兎くん……もしやわたくしのバニーの衣装姿に興味が……」

「……無いよ?」

「……いや、疑問形ですしありますよね……? ぴょんぴょんって言ってくれたらバニーの衣装を着ますよ」



ぐぅ……っ(混乱)。男の子はそういうのに弱いんだよ!? まぁ今は女の子になってるんだけども……!



「……ぴょ、ぴょんぴょん……」

「はいかわいい」



恥ずかしさが上回るが、それでも両手を頭の上に動かし、兎の耳に見立ててそう呟いた。

手があまり開かないが、羞恥心で死んでしまいそうだ。



「……こ、これで満足……?」

「……白兎くんは……わたしが……守護(まも)るぅ……」

「死んじゃったぁぁ」


望乃は血を吹いて卒倒した。

……ぴょんぴょんなんかもうしない。誰に言われようと。例え他の幼馴染だろうと。



◇



ソファに運び、1時間ほど経ってからやっと望乃は目を覚ました。起きるまでの間はテレビを見ていた。



「……はっ!? 危うく死ぬかと思いました……!」

「おはよう、よーく寝てたよ」



本当に心配になるくらいにはよく寝ていた。まるで電池が完全に切れたように静かだったし……。



「……それで、その……白兎くん。バニーの衣装はいつ着ればいいでしょうか?」

「え……っ? あ、いや……いいっていいって」

「今日ですか? それとも明日ですか? それとも……」

「やらなくていいから……というか本当にやらないで……」



冷静になって考えれば、幼馴染のバニー姿とか見て何になるんだろうか……。

あんまり何も感じないだろうな……。



「……ところで白兎くん。これからどう過ごしていくつもりなのでしょうか?」

「……」

「あの、もしかして……、何も考えてません……?」



……だってさ、どうしようもないじゃん。

全員が全員、望乃のように信じてくれるだなんて思えないし。多分神様がやったんだろうから信じない人は信じないだろうし。



「そ、それではわたくしが先生方に話を通しておきますよ……?」

「た、頼んだよ望乃……」



望乃はお嬢様である上に、優等生でもある。そのため、基本的に大抵の事は先生達は聞く耳を持つ。


それじゃあ望乃に任せて、僕はその間ゲームでもしてようかn……



バタッと扉が開いて、黒菜が何かを持って入ってきた。おい、それは僕の部屋の物だ。何勝手に入っているんだ。



「お兄ちゃん……これ、なーに?(純粋な疑問)」



黒菜がVRゴーグルを持って、リビングに来た。勝手に部屋に入って物を漁るなと言いたい。



「? ……!? ……し、白兎くん……!? 持ってないのではありませんでした……!?」

「……えーっと」



望乃は、僕がこれを持っていないことを知っているため怪しんできている。



「こ、これはその……縮んだ時にできたっぽくて……その……僕の失われた分の質量で出来た……の……かも?」

「あくまで疑問形なのですね……待ってどういうことでしょうか? え?」



……うん。知るかよ。本当になんであるのだろうかこのVRゴーグルは……。



「……入っているゲームは……ああ、ヴァスワですか。いいですね。では今夜、わたくしとパーティを組みませんか?」

「……いいけど……ヴァスファンじゃないの……?」

「略称なんてどうでもいいじゃないですか……」



ヴァスワ……またはヴァスファン、またはVWFT。Vast World Of Fantasy Talesの略称であり、ネットでたまに略称の違いで揉めているのだとか。

……あ、VWFTはそこまで荒れにくいけどね。たまーにVWOFT派という過激派もいるけど。



「ではまた今日の……七時でいいですかね? フィルスト村の噴水に集合で」

「……まぁ、いいよ」

「……お兄ちゃん、これ何なの?」



黒菜、これはかくかくしかじか……「わかんないよ?」。



◇



さて。料理は黒菜に任せてはいけない。そのため、背が低い問題を解決すべく椅子を持ってきた。



「……だ、大丈夫? できる?」

「お前に比べたらできるよ」

「酷くない?」



作りづらかったが、オムライスができた。



「……お兄ちゃん、味薄い」

「そう? お前の料理の味がおかしいだけ」

「だから酷いって」

「……じゃあ昼の炒飯に塩どのくらい使った?」

「ご飯と同じくらい(のg)」

「本っ当に何やってんだバカァ!!!!????」



塩は1g単位で味が変わるというのに……!

そりゃあんな味するよな……! ……いやなんで炒飯の形保ってたんだあれ……!?



「……まぁまぁ。いいジャマイカそんなこと。過ぎたことだしさ」

「良くねえよ。嫌がらせでもしない量だぞ」

「その嫌がらせをほとんど私に食わせたよね」

「お前が作ったんだよなその嫌がらせを」



黒菜はぐぬぬ……と睨んでくる。

だが事実なので仕方ない。



「……お、覚えといてよ!」

「うん。明日の朝くらいまでは覚えておくようにするね、多分」

「おい」



◇



さて。僕はゲームにログインした。

ログアウトした場所に出たので、とりあえず待ち合わせ場所まで移動した。



「ああ、来ましたね白兎くん」

「うんおまたせ……」

「待ってませんよ。むしろ一時間も早いですよ」



ゲームの中の望乃は、十字架の模様がついた杖を持っていて、シスターさんのような服装だった。



「……望乃の職業(ジョブ)は……もしかしてプリースト?」

「正解です。白兎くんはメイジですよね?」

「うん、そうだよ」

「杖以外初期装備そのままなんですね……。何故杖がそんな変わった物なのかは気になりますが……」

「あ、あはは……」



プリースト。回復職であり、シスターさんみたいなやつ。シスターさんってエッ……おっと、何も言っていないよ僕は。



さて、望乃はカードをくれた。



にんじん さん ID:K0n3ka

Lv:23 EXP:5039 SP:20

プリースト サポーター 水属性、氷属性

能力:生態循環

覚えている魔法:ウォーター、ウェーブ、アイス、アイシクル、ヒール、リカバリー、プロテクト


武器 エメラルドの聖杖 ★15

頭装備 シルクのウィンプル ★12

上半身装備 シルクのスカプラリオ ★12

下半身装備 ―――

靴 黒いヒール ★10

☆装飾品 十字架のネックレス ★10



ウィンプル……? す、スカプラリオ……? ごめん、なにそれ。全く知らないんだけど。

能力が……生態循環? どういう……。



あとプレイヤー名にんじんなんだ……。



「ふふ、にんじんって可愛いですよね?」

「……僕にんじん嫌いなんだけど……?」

「あっ……そうでしたね……名前に兎が入っているのに……プレイヤー名にすらうさぎが入っているのに……」

「関係ないでしょ……」



僕は人参が嫌いだ。なぜだか。味とか食感とかそういうのは別に問題ないのに、なぜだか拒否反応が出る。いつ食べようが吐き気がする。しかも病院で診てもアレルギーではなさそうだ。



「……しかし白兎くん、その服装のままだと他のプレイヤーにナメられかねませんよ? せめて他の服装にしませんか? そこに防具屋もありますし」

「確かに……? じゃあ行ってみるか……」



◇



「いらっしゃいませ~、にんじんちゃんに……か、可愛い娘はけーん!?」



店に入ると、桃色の髪の女性が近寄ってきた。なんか凄くテンションが高い陽キャみたいな人。


それとは別に、店員らしき蒼い髪の落ち着いた女性もいる。……その蒼い髪の女性は耳が尖っていて、赤い目で、服装は露出が高いのだが。服は落ち着いていない……。馬鹿みたいなスリットに、服とは? と言いたくなるブラジャーのような上半身……。



「その……この娘に似合う服はありますでしょうか?」

「あーありますあります! フィリィ、ちょっと取ってきて!」



桃色の髪の女性は、蒼い髪の女性……フィリィ? さんに向かって何かを言った。……何でどんな服とか言わずに命令したんだろうか……以心伝心なんだな。



「取ってきてる間お話しよ! 私はフラワーソルト!」

「うっわダサ……じゃない。独特なセンスが光る名前……。ゆきうさぎって言います」

「ねぇダサって言ったよね!? 可愛い娘だから許すけども!」


思わずダサいと言ってしまった。だって本当にダサかったんだもん仕方ないでしょ。



「……えっ? フラワーソルトってかっこいいと思うのですが……?」

「ゑ……?」

「そうだよねにんじんちゃん! 技名みたいでかっこいいよね!」



そんな弱そうな技名……。そもそもフラワーソルトってなんだよ……花塩?



「いや、花塩ってなんですか……? ……鼻☆塩☆塩のこと……?」

「フラワーじゃないじゃん……ノーズじゃん……てか訳さないで」



いやあれ元々空耳だから……。花か鼻かなんてどっちでもいいじゃん……。



「……あ、ありがとねフィリィ、……これ似合うと思うよ」



蒼い髪の女性から服を受け取った花塩さんは、僕にその服たちを渡してきた。



英雄のマント ★95 new!!

古の英雄が着けていたとされるマント。ちょっとかっこいいフード付き。

能力:ボスやプレイヤーに対しての火力倍化


熾天使の衣 ★95 new!!

天使の力が込められた服。

攻撃を焼き焦がし半減する。

能力:相手からの攻撃の半減


宇宙のスカート ★95 new!!

空を飛ぶことができるスカート。飛んでいる間はモンスターに見つからない。

能力:空中浮遊及び光学迷彩


女神のヒール ★99 new!!

女神に愛されし者に渡されたと言われているヒール。力を倍化させるという。

能力:攻撃の火力倍化及び特殊能力の強化



「……え、えっと……。ほ、★95に★99……? いいんですかこんなの貰って……?」

「いいのいいの! とっても似合いそうだし無料であげる!」

「……よ、よくないですよね……? 僕今日始めたばっかの初心者ですよ……? 遊ばせる気あります……?」

「大丈夫大丈夫! 初心者には優しくしないと!」



……大丈夫じゃないんだけど。優しすぎるよ。全く好きなように遊べないよ。……ま、まぁいいや。僕は早速貰った服を着た。


あ、なんだか凄く強くなった気がしなくもない。……でも気のせいかもしれない。

次回:また友達いて草

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