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えるふ 山登りするらしい

Elf――Bergsteigen

そして結局、僕だけライの背中に背負われて(強制)、近くの山に向かうこととなった。


望乃は、そこまでなら歩いてもいいとのことだったので、そこに向かうことにした。



尚、ライは空を飛んでいて、二人は歩いている。可哀想に(適当)。



『ご主人、この山の説明は必要ですか?』

「じゃあお願い……」

『分かりました。この山の名前はぜコント山です』



ゼコント山……確か草原と森林の名前がフィルストだったよな? ……そして、フィルストの表記はFirstらしいし。ファースト(First)が由来だろうか。


じゃあゼコント……Secondって表記なのだろうか。由来はセカンド(Second)で。



え、もしかして次はThirdって書くのか? それでティルトって読んだりするのかな?



『えー、この山はですね、アイン大陸でも三番目に大きな山で―――』

「いやまずアイン大陸って何……?」



急に大陸〜とか出るじゃん。そして名前の適当感が凄い……(アインはドイツ語で1)。


じゃあ次の大陸はツヴァイなのかな?



『た、大陸から説明するんですか……? えー……この世界には現在、六つの大陸が見つかってます。


アイン(Ein)大陸、トゥー(two)大陸、トロワ(Trois)大陸、クアットロ(Quattro)大陸、イツ大陸、リウ()大陸ですね』



いやツヴァイじゃないんかい。まぁ数字なんだろうけど。


アイン(ドイツ語で1)。

トゥー(英語で2)。この2つは分かる。問題はその後だけども。


トロワ(フランス語で3)……フランス語ってrの音がは行にしか聞こえないよね。

クアットロ(イタリア語で4)……クアドラって聞いたことあるかも。それかな?

イツ(五)……あ、これ日本語か……。

リウ(中国語で6)……イーアルサンスーウーリウチーパージウシー。



多分数字順だよな……? 言語バラバラだけども……。あと日本語混ざってんのかよ。



『そしてわたし達がいるのがアイン大陸です。大体こんな感じですかね……』

「な、なるほど……?」



この大陸はドイツ語だから、ドイツがモチーフなのだろうか? でもそれらしき物はあまりないように見えるけども……。



『そしてこの山、ぜコント山の説明ですね。ここアイン大陸で三番目に高い山で、頂上は秘境と呼ばれて、とても強いドラゴンがいる……とのことらしいです』



どうやら、頂上には近づかない方がいいみたいだ。とりあえず辺りを散策する。



前のめりになりつつ、景色を眺めていた。



『あ、あのー……ところでご主人……』

「どしたの?」

『ひゃぅ……♡っ……そ、その……ご主人の吐息が……わたしの耳に、かかるのですが……っ♡?』

「え、あ……ごめん」



どうやら、顔が前に出ていたせいで、僕の息がライの耳にかかっていたようだ。



『い、いえ……! いやでは……ないのですが……。な、なんでしょうか……♡こ、この……感覚……は……♡?』

「ひぇ」



吐息ASMRみたいになっているのだろうか。ライの耳はかぁっと真っ赤に染まっていて、恥ずかしそうにしている。……尚、ライはゾクッと体が震えていた。僕は、考えるのをやめた。



さて、こんなライの事は置いておいて、山についた。……歩いて見たいと言っても、中々ライは降ろしてくれない。



『ご、ご主人の……吐息ぃ……♡』

「……」



うん。なんだろう……見た目は可愛い女の子なんだけどな……気持ち悪いって感想が頭に……。



「白兎……いいなぁ……おんぶしてるとか」



後ろから、歩かなくていいことにリリィが僕を羨む……ではなく、僕をおんぶすることを羨んでいた。



「白兎くんをおぶう……羨ましいですね」



望乃もだった。どうしてです? 教えてください……。


さて、山道を進んでいく。すると、モンスターが現れた。人みたいな形の石みたいなモンスターだ。



No002 ゴーレム 土属性

Golem golem

魔綱粘体目粘体科人形属

土砂や岩石を纏ったモンスター。こう見えてそこそこ脆い。

生息地:山、洞窟



動いているというのに関節部は全く見えず、一つの石の塊のようだ。



「ウォーター!」



望乃がウォーターという魔法を放つ。

Water……つまり水。こんなに分かりやすい魔法も中々ないだろう……え? ワーラー? アメリカ英語話者め。イギリス英語を使ってくれよ。



さて、望乃の放ったウォーターで、ゴーレムは倒れた。どうやら土属性の相手には水属性魔法が有効らしく、ダメージが倍になるとのことだ。




ゴーレムが時々湧いてくる山道を進んで、望乃のレベルも上がってきた。



すると、大きな動物の唸り声のような音が聞こえた。まるで車のエンジン音のようだ。



「ひっ……!?」

『ひゃうっ!? ご、ご主人……♡?』



僕はその唸り声にビビったのか、ギュッとライにしがみついていた。それにライは素っ頓狂な声を上げていた。二人は睨んでいた。



『ぶ、ブリッツベーレンですか……』



大きな肉食動物が目の前に現れた。



No050 ブリッツベーレン 雷属性

Ursus tonitrus

哺乳綱食肉目クマ科クマ属

静電気を貯めまくったデカい熊。とても気性が荒くて強い。

生息地:草原、山、雪原



大きなくまさんが現れた。

……いやくまさんは別のモンスターとしているんだけども……。



『え、えーっと……ブリッツベーレンは雷属性です。雷属性に有効な属性は……土属性のみです。あの、確かご主人もお二人も使えませんよね? ゴリ押すしかないですよ』

「ご、ゴリ押すの? この大きさ相手に? モ○ハン並みの大きさあるよ?」

『モン……?』



立ち上がっているわけでもないのに、すでに3メートルの高さはある。勿論、体長ではなく体高が。



『それにしてもこの個体は大きい方だろうと思いますよ……。……うん、すごくおっきいですね……』



すごくおっきい、という発言にはちょっと触れないでおきます。あくまで、このくまさんが大きいというだけなので。



「アイス!」

「ファイア!」



二人はこのくまさんの前に立って攻撃をしていた。勇気があるよね二人とも。ゲームとはいえ怖くないのか?



しかし、くまさんは咆哮し、二人に向かって突進をかましていた。二人は吹っ飛ばされて、ダメージを負っていた。



「えぁ……え?」

『あぁ、そういえば……。ブリッツベーレンは確か……金村さんにワイルドオークよりも強いと聞いたような気が……?』

「先に言ってくれないかな!?」



そういうことは戦う前に言って欲しかった。もう逃げるしかないじゃん。……あと金村さんって誰ですか……? 高木さんみたいな感じなのか……? 高木さんの親戚かな……?



『あのー……ご主人。言っておきますが……クマの最高時速はおよそ50km/hですよ? 逃げてもすぐ追いつかれます』

「飛べばいいじゃん……っていや、そうしたら二人が放置されるのか……」

『そうですね……。流石に三人を持って飛ぶなんて出来ませんから詰んでますよ……』



すると、くまさんは僕に向かって突進を繰り出していた。僕は反応ができず、ただ見ているだけであった……。




土神奪操(どしんだつそう)()


その時。急に後ろから、中学一年生くらいに見える女の子の声が聞こえた。魔法を放ったようである。



くまさんの足元から土が穿(うが)いて、熊の体を貫いていた。グロい。



「なーたちは大丈夫なのです? わーが助けた、なのです!」

「あ、ありがとう……?」

「(変な子だ)」

「(失礼ですよリリィさん)」



恐らくだが、わーが一人称、なーが二人称と思われる。変な子ではあるが、助けてくれたので悪い子ではないのだろう。恐らく。

あ、ちなみに胸は完全になく、顔は可愛い。


ライをしまって、会話をしてみる。



「え、えっと……僕はゆきうさぎです……。あの、あなたは……?」

「わーはリシアなのです。中堅くらいの配信者なのです。よろしくなのです!」

「は、はぁ……」



配信者だからこその変なキャラなのだろうか。……しかし、わーは兎も角、なーはどこから出てきたのやら。あなたのなから?



「ん? ……コメントでわーよりなーの方が大人とか言われたなのです! なーは酷いなのです……!」

「……あの、僕悪くないですよね……?」

「いや白髪赤眼ロリとか見た目が強すぎるからわr……んん、可愛いから悪い、なのです」

「わかる」

「確かにそうですね」



あの、先程素が出ていませんでした? もしかしなくてもそれキャラ付けなんですね? あとそこの二人。何で共感してるのかな。



「え、あの……? さっきのは……?」

「あぁ、ただの発作なのです。気にするななのです」

「は、はぁ……」



へ、変な人だなぁ……。発作……?

そう思っていたら、リシアさんはカードを取り出した。



「うん、気に入ったなのです。なーにカードあげるなのです」



リシア・シュネークラング さん ID:vvemu1a

Lv:100 EXP:999999 SP:100

シーフ アタッカー 土属性、風属性

能力:神奪放争

覚えている魔法:盗楽土(とうらくど)興疾風(こうしっぷう)、土神奪操(植、地)、風神奪操(春、冬)、巖の骸(いわのむくろ)颶の遺(はやてののこり)衞嶋神風(えいとうしんぷう)


武器 果物ナイフ ★1

頭装備 ヘアゴム ★1

上半身装備 だぼたぼパーカー ★1

下半身装備 ミニスカート ★1

靴 サンダル ★1



へ? レベル100……? ……100ぅ!? いやいや、どれだけ暇人なのこの人……? あと装備全部★1だし……。



「装備全部★1なのにレベルが100……?」

「コメントの多数決で始めた縛りプレイなのです。意外と楽しいなのです、なーもやれなのです」

「こわ……何この人……やりたくないし」

「しょぼーん、仲間が増えなかったなのです……ん? コメント……女の子にそんなことやらせるななのです? う、全く言い返せないなのです……というか皆人の心あったなのです……?」



コメントから縛りプレイして最強になってるこの人……こわ……。



「それじゃ、わーはわーより強いの探しに行くなのです。何かあったら呼べ、なのです」

「ああ、はい……」



ん? コメントの多数決で決めた……それで、女の子にやらせるな、とコメント……皆って言ってるから結構な人数……つまり? もしやリシアさんのコメント欄の人らって簡単に掌クルクルするのか? それかリシアさん……女の子扱いされてない? 可哀想に。



さて、山を進んでいくと、小さな狐が現れた。



No051 ナリギツネ 雷属性

Vulpes vulpes tonitrus

哺乳綱食肉目イヌ科キツネ属

静電気を貯めまくった狐。臆病。

生息地:山



少し近づくと、狐は飛びかかってきた。口を開けて、牙を覗かせる。臆病って何……?



「嘘ぉん!?」



狐は僕に噛み付こうとしている。

やめて! 僕は兎じゃないからね!? 食べないでください! 僕は被食者じゃないぞ!



「……ファイア」



リリィが魔法を放った。その魔法により狐は倒れ……いや熱ゥ!?



「あっごめん白兎……」

(くすぐ)りの刑」

「えっ……ちょっ……待っ」



山にリリィの悲鳴が響いた。





「はぁ……はぁ……やめてよぉ……白兎ぉ……私が悪かったけどぉ……はぁ……はぁ……脇はやめてよぉ……」



リリィは顔を真っ赤に染めて、息を荒くしている。はい、僕がやりました(二回目)。



少しして、リリィが落ち着いてきた頃。和風な狐耳の着物の女の子が現れた。この大陸……ドイツなのか……? 人の子など○みとうない! とか言っていそうだ。



No052 妖狐 無属性

Vulpes spiritus

幻影を見せることができる小さくて可愛い狐。人の事が大好きらしいが、危害を加えないために人の前に現れないらしい。とても寿命が長いという。

生息地:山



『お主ら、この山に何の用じゃ? 言っておくがここは女子(おなご)乳繰(ちちく)り合うような場所ではあらぬぞ?』

「え、えーっと、レベルを上げに……」

『ああ、それならばここよりもこの山超えた雪原のほうが上げやすいじゃろう。まぁ、とても寒いのじゃがな』



教えてくれたし多分優しいタイプの狐娘だ。

説明から見ると、人の子など○みとうない……とか言わなさそうだなこの狐。……あの、ドイツ……。



「あ、あの、白兎くん……寒いのであれば行きたくないのですが……?」

「じゃあ置いてこうよ白兎、二人で行こ」

「酷くないかなリリィ?」



望乃は寒いのが苦手である。寒がりで末端冷え性なのだ。


あとリリィは放置される気分を考えてみたらどうだろうか。望乃が多分寂しいと思うんだけども。



「行きたくないって言ってるんでしょ? なら置いていこうよ……」

「……はいはい、そうしよっか」



本当に望乃を置いて、雪原に向かっていった。ええ……? 本気で置いてったよリリィ……。



「ところでその雪原って何というの?」

「この山の向こう……なら……確か、ティルト雪原って名前……だったかな?」

「……それってThirdって書いたりする?」

「……うーん、確か……そうだったような……?」



じゃあファースト(First)セカンド(Second)サード(Third)じゃん。じゃあ次はフォース(Fourth)が由来になるのか……? フォウルト……フォウアトか?


まぁいいや。山を下り、白銀の世界へと足を踏み入れた。



◇◇



『ところであの白く小さい方の女子(おなご)……なんじゃか、、無性に美味そうに見えたのう……何故じゃろうか……? ……いや、流石にそんな事はしてはならぬのじゃが……』

「あの? 人の友達を食べようとしないでくださいね……?」



※キツネはウサギを捕食します。というかウサギは肉食動物に食べられます。

ところで兎は美味しいのだろうか。

白兎「えっ僕食われそうだったの?」


次回:山越えた先の雪景色

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