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日本パンデミック  作者: ボサボサ
死の七日間
3/3

ホームセンターと女性

早朝、バットで塀を軽く叩くを動作する。


「あぁ~」


その音に反応して、千鳥足で近寄って来る感染者が一体。

しばらくその行動を観察して、メモに書き留めておく。


メモを閉じ、手に持っていたバールで頭を貫く。

表現が難しい音と血を出しながら、倒れる。


一体を始末すると、その直線状にもう3体近づいて来る。

この様子だと、感染はかなりの速度で広まっているらしい。


「「あぁ~」」


襲われると解っているが至って冷静だ。

この狭い通路で自分から、動かずに相手を待っている方が得策だろう。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


真ん中の一体目が喰らい付こうとするがバールを付き刺し、

身体を蹴って右隣の感染者にぶつける事に成功。


続いて左側にいた、感染者の頭にバットを叩きつける。

血しぶきが飛び散り鈍い音も響く。

さらに残っていた、倒れていた感染者もバールで額を突き刺し止めを刺す。

三体を片付ける。

その時の感情は妙に冷静で、すがずかしい。

この道端に転がっている「人間」だった者に対しては罪悪感は全く無い。

元々他人対して、関心が無かったのがこの状況で役に立っている。


「戻るか」


血が付いたバットとバールを引きずり、拠点である住宅に戻り二階に続く階段に足を向ける。

二階には三つ程部屋があり、適当に入った部屋には服、靴下、雑誌で散乱している。

それとグラビアアイドルのポスターが壁に張ってるある。

この様子を推測すると部屋主は男子学生。

運が良い、偶然にも入った部屋が男子学生の部屋でしかも服のサイズも自分と合っている。


今までの常識では非常識でも、今では誰も何も言わない。


「おい、何してる」

「え?着替え探してるんですけど」


昨日の昼間に胸ぐら掴んで来た、小林だ。

はっきり言って気にいらないが、別に気にする事でない。


「昨日は悪かった…」


気まずそうな表情と雰囲気を出して、部屋に入って来るなり謝罪の言葉が出て来る。


「別に、クズなのは自覚してますから。それより、何か使えるの物探してくれませんか?」

「あぁ、了解した…」


子供部屋にある物資は大した事ないだろうが、衣類は非常に役に立つ。

それにゲーム機がテレビの前置いてあり、その脇にソフトもつんである。


「お前、その血どうした?」

「あ、これですか?あいつらを始末してました、ちょっと実験してたんで」

「実験って…」

「あいつら、音に反応する見たいですね。それに動きは遅い」

「お前、さっきそんな事してたのか…。次やる時は一人で絶対にやるな」

「はぁ。あ、汚れたんでシャワー浴びてきますね」

「あぁ…」


脱衣所に行き、温水シャワーを出す。

数日ぶりに温水が全身を伝わり、文明のありがたみを思い出す。

本当に出張に来てから、色んな事だらけだ。

突然、周りが感染者と呼ばれるゾンビだらけになってどうなるか解らなかったが一息付ける。


だが、良い事もあった。

自分があんなに暴力的でとは思っていなかった、おかげでこれから感染者達を躊躇せずに始末できそうだ。

気になる事がある、なぜこのなパンデミックが起きたのか。

山に設営されている、実験場があるとかあの人が言っていた。

そこの入り口までは自分も言っている、それと不可解な白い壁と銃声。

何かあると思うし、関連性は必ずある。

今はパンデミックの原因よりも生きて、この場所を脱出する事が最優先だ。


「お、シャワー使えるのか?」

「勝手に入って来ないで下さいよっ!」

「良いから背中流せよ、もう四日も風呂入ってないんだ」

「はぁ~、解りましたよ」


中年の背中を風呂で洗うのは小学生の時以来だ。

あの時はまだ両親との仲は良かった。

今は殆ど疎遠になっている、その理由は実の両親ですらわずらわしいと言う理由だ。


「お前の事、なんも聞いてなかったな。そもそも何で山形に来たんだ?」

「え…、前に言いませんでしたっけ?出張ですよ」

「会社員だったのか?」

「そうですよ。黒井製薬で働いてます」

「えぇっ?!お前スゴイなっ!以外にでかい所で働いてるんだな」

「以外ってなんですか?失礼ですね」

「正直、無職だと思ってたわ。俺にもな、高校生の息子がいるんだ」

「そうなんですか?別に普通だと思いますけど?」

「こう言う職業がら、あまり家に帰れない時もあってな」


言葉を黙って聞いていた、その背中を見ていると実家の父を思い出す。

身の危険になって、故郷の両親を思い出すのは自分の死期が早まっているからか。

それとも急に両親が恋しくなったのか。

別に両親と特別、もめた訳では無いが実家を出る時に特に言葉を交わさずに出てしまった。

あの時は何も感じなかった、とにかく自分に干渉してくる存在がうっとしいと思っていたからだ。

それに正直、両親何て死んだって良いとさえ思っていた。

そんな自分が肉親に会いたいと言う感情が生まれた。


「余計な事話ちまったな、そろそろ上がるか。あいつらにも入らせよう」


二人は久しぶりの湯で汚れと内心に溜まっていた物も洗い流す。


シャワーが使えると言う事は台所も使える事になる。


「おっ!コンロ付いたぞっ!」

「料理できるんですか?」

「簡単な奴ならな。冷蔵庫の中、材料入ってるか?」

「良いんですか?家の人が帰って来るかもしれないんですよ?」

「まぁ、良いじゃねぇかっ!米もあるじゃねぇかっ!」

「電気は使えるですかね?」


電気の紐を引っ張ると、明かりが付く。


「あ、付いた…」

「これで飯が炊けるぞっ!」


久しぶりのまともな食事が作れると喜んでいる。

その姿を見ているとこっちも何となく嬉しくなって来る。


「米はあるか?」

「探して見ないと…」

「隣から貰って来るか?」

「とりあえず、探して見ましょう」

「ここにあるだろう」


一般家庭では大体、米は台所の隅などに保管されている場合がある。



「ありました」

「じゃ、朝飯の用意をする」

「あぁ~、さっぱりしたー」

「お前ら、朝飯の用意をする手伝え」

「まじっすかっ!」


朝食の用意を始めてから、一時間が経過した。


「良し。全員、席に付け。飯が炊けるまで今日の作戦に付いて話す」


その場の雰囲気は張り詰めていた。

先ほどまで入浴して、穏やかな雰囲気とは正反対だ。


「岩山さん。それで、今日の作戦と言うのは?」

「武器を調達する」

「ここ日本ですよ?武器なんてどこに…」


確かに小林の言う通りだ。

平和な国で銃火器などは入手しずらい。


「まぁ、人の話を最後まで聞け。ホームセンターに行く」

「まるでゾンビ映画ですね。鉄パイプとか鉈とか取りに行くんですか?」

「あぁ、そうだ。弾も残り少ないしな」

「槍でも作りますか?」

「槍?伊藤、お前本気で言ってるのか?」

「そうだな。研磨機も調達しよう」

「本気ですか?」

「本気だ。それにバットで実験場に行くわけにいかないだろ。

これ食ったら、出発だ」

「「了解」」


四人共朝食を終え、装備を整える。


「良し。全員、用意は出来たな。出発だ」


全員、車に乗り込む。


「作戦概要は移動中に話す。至って簡単だ、ホームセンターに行って物資を調達以上だ」

「「了解」」

「あの~、物資調達って何を持ってくれば良いんですか?」

「そうだな。主に鉄の棒とか斧とか鉈…」

「解りました。その鉄の棒はどんな形状してるんですか?」


現代の若者、「ゆとり世代」と呼ばれる特徴が現れる。

この理屈にまみれた言葉に対して、団塊世代は免疫を持っていない。


「説明は以上だ。質問は受け付けない」


車を走らせて30分、地元のホームセンターに向う。

後部座席から見える景色は普通ではない。

道路には破棄された車に散乱したゴミ、それに人の形とした感染者。


感染者がふらふらと歩いている、たったの四日で感染者達がこんな道路まで広がっている。

この状態から推測するとショッピングモールには感染者達が溢れ返っているだろう。


「全員降りろ、到着だ」


かつては利用客で賑わっていただろう、建物も静まり返っている。

窓ガラスは割れていないが、誰かいる可能性がある。


「全員、隊列を組み警戒態勢を取れ」


四人は岩山隊長を先頭に上下左右に並び、隊列を作りホームセンターの入り口へと進む。

当然扉は閉まっていて、中が見えないように板張りしてある。


「ここからは入れそうもないですね…」

「待って下さい、あそこから入れそうですよ」

「ちょっと待て伊藤、硝子を割る気か?」

「はい」

「奴らが寄って来るぞ?他の入り口を探そう」


四人は正面玄関から移動。


「ここはどうですか?」


偶然にも鍵が掛かっていなかった、非常口を発見。

一人が入ろうした瞬間。


「待って下さい、小林さん」

「どうした?」


持っていたバットで扉を軽く叩く。


「あぁ~」


思っていた通り、感染者が近くにいた様だ。


「お前、頭良いな」

「関心してる場合じゃない、俺がやる」


外に出て来た感染者を鉄の棒で頭を潰し、始末する。


「全員、中に入れ」


ホームセンター内部に入ると、そこは丁度バックヤードで廊下には物が散乱していた。

十中八九、人が侵入して物色していた後がある。

何より気をつけなければいけないのは、この建物内にいる人間だ。


生きていようが死んでいようが、何かしらの障害になるのは明白。

遭遇したら、物資の奪い合いになり殺し合いになるかもしれない。

それに死亡していた場合、感染者になっている。


「ここから出れるのか?」


恐る恐る、扉を開けると売り場に辿り着く。


静寂に一歩を踏み出すと、自分の足音が耳に入って来る。

その世界は闇が広がり、何も見えない。

見えないと言うより、この場にいる全員の緊張で視界が狭くなっている。

呼吸すら耳障りだと感じる、心臓の鼓動も何時もの倍以上感じる。


妙な感じだが、何だが生きていると言う実感がする。

これは不謹慎と言う奴なのだろうか。


「はぁ、はぁ…。止まれ」


全員が指示で停止する。


「物資を鞄に詰めろ」

「了解」


四人は陳列されている、物をリュックに詰めて行く。


「移動する」

「了解」


引き続き、四人は物資を集める為に隊列を崩さずに移動する。

だが棚が散乱していて、行く手を阻む。


「だ、誰かっ?!助けてっ!」


突如、薄暗い中に女性の声が聞こえて来る。


その声が身体が動いていた。

今まででは絶対に無かった行動だ。


「待てっ!」


岩山が伊藤に対して、声を荒げる。


「「あぁー」」


その声で二体の感染者が寄って来る。


左手から千鳥足で寄って来る。

一体をバールで頭を突き刺し、蹴飛ばす。

さらに二体目の頭をバットで叩き割る。


「はぁ、はぁ、大丈夫ですか?」


女性の姿は見るからにボロボロでみすぼらしく、震えいている。

無理もないだろう、ついさっきまで自分が死ぬかもしれない状況だった。


「あ、ありがとうごさいます…」

「立てる?」

「は、はい…」


初めて女性の体に触れ、妙に意識してしまう。


「一旦、撤退するぞ」


四人は一人の民間人を連れ、拠点にしている民家に戻る為に車に乗る。


「あ、あの…。名前は?僕は伊藤です」

「青井です…」

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