表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我こそはモン娘テイマー也  作者: hoikun
一章 舞い降りたモンスターテイマー
7/104

5話 スライムの成長条件とは?

前回のあらすじ


 スライムをついにテイムしたユウスケ。

 ステータスを確認できることにも気づき、スライムのレベル上げも兼ねて依頼を進めていたが、少しぼーっとしているうちにスライムに魔石を食べられてしまったのであった。



---------------------------------------



「いーやいや待ってくださいよスライムさんちょっと!」


 魔石って一応スライムのでもお金になるのよ!!

 そんな腹の足しにするみたいな感じでお食べにならないで!

 おやつじゃないの!!!!


 しかし、回収せずに寝転がっていたのもまた事実なので、俺に否はあるんだよなぁ……


 よし、食べたものは仕方ない。確かに空腹で放ったらかしていた俺も悪い。


 たーんとお食べ、とは行かないが、魔石一つでどれほど腹が満たされたのか見ておこう。


 そうしてステータスを開いた。


-

noname

0歳

種族:スライム

状態:普通


Lv1


HP 20/20

MP 5/5


STR:2

VIT:3

INT:1

DEX:2

AGI:1


所持スキル:悪食

-



 おぉ、空腹から普通になってる、魔石は腹持ちがいいのか……? ん?


 俺は何回か瞬きして、ステータスを確認した。


「ステータス、上がってる?」


 レベルが変わってなくステータスが上がるとしたら、魔物の肉を食ったときだ。

 レベルが上がって無くて、魔物の肉も食ってないのに……あ、もしや


「魔石を食ったから……か?」


 確かに魔物の一部っちゃ一部だし、ステータス上がってもおかしくないのか?


 でも本にも載ってなかった情報だし……いや、載せるまでもない常識なのか?でも肉のことは書いてたし……肉と同じ扱いなのかな。


 これは検証するべきかもしれない。



 俺は、肉と魔石の入手が出来て適度に弱いモンスターを探すため、一度冒険者ギルドへ戻ることにした。


 脇には薬草を挟み、ポケットには魔石を入れ、スライムちゃんは動きが遅いので、俺が両手で抱えて帰ることになった。






「はい、確認しました。では完了報酬の銅貨11枚です。」


 冒険者ギルドへ戻った俺は、薬草とスライム討伐の報告を行った。


 薬草は目的の5本で銅貨2枚、追加の9本で銅貨4枚。

 スライムは5匹討伐で銅貨5枚だ。


 やっぱりFランク依頼は安い……ランクアップまで遠いなぁ……


「それでは、ランクアップまで残り7件ですね、頑張ってください。」


「はい……え? 7件? 8件じゃなくて?」


「はい……あれ、言ってませんでしたっけ? 討伐依頼は採取と比べて難易度が高いので2件分で換算されますよ。」


 まじかよいい話を聞いちゃったぞ。


 早速俺は依頼のボードへと近寄り、討伐依頼を探し始める。そこで見つけたのはスモールタートルの討伐依頼だった。

 依頼ランクは…E


 多分無理だな、今の俺では弱すぎる気がする。名前からして硬そうだし。

 でも鈍いか?行けるか?てかまずランクEの時点で受けられないか。

 いや、小説で読んだ時にはひとつ上まで受けられることも多かったし、聞くだけ聞いてみるか。

 受付嬢の元へと向かう。


「すみません、Fランクの冒険者はEランクの依頼って受けたり出来ます?」


「Fランクなら、パーティを組んでいればひとつ上まで受けることが出来ますよ。ひとりでしたら危険なので、自分のランクより上の依頼は受けられない事になっています。」


「はぁ、そうですか……」


 パーティを組んでいれば…か。難しい話だな。

 依頼ボードの前に向かい、また討伐依頼を探し始める。


 Fランクの討伐依頼無いかなぁ……


「Fランクの討伐依頼ならダートフロッグなどはどうですか?」


 受付に居たはずの受付嬢が後ろに居た。どうやら脳内つぶやきが独り言として口から漏れていたみたいだ。


 受付嬢はボードの左下にあった1枚の紙を手に取り、俺に渡してきた。


 ランクF、ダートフロッグの討伐7匹、完了報酬銅貨15枚。多めに討伐すれば追加報酬あり。必要部位は舌と足…


「あれ、この依頼では討伐部位ではなくて必要部位なんですか?」


 ふとした疑問を受付嬢へと投げかけると、


「えぇ、元々ダートフロッグは夜に村に来ては農作物を荒らしていくから討伐の必要があったんだけど、舌は加工すれば弓の弦等に使えることがわかったの。足は食材ね。簡単に手に入るのにそれなりに美味しいから人気なのよ。それだから、素材回収としての意味も込めて必要部位と表記してるの。」


 なるほど、害獣とかそんな感じなのか。

 それより受付嬢がいきなり砕けた口調だったのでちょっと動揺した。


 そんな俺の動揺を感じ取ったのか、受付嬢は


「カウンターを出たら、仕事中じゃないわ。」


 そう言って、いたずらっぽく笑った。






 ダートフロッグの生息している場所はエマの町から東に出た所だった。薬草やスライムの依頼をおこなった場所はエマの町から西側だったので、ほぼ真逆の位置となる。

 町の東側を見るまでは知らなかったのだが、東側の畑は西側より多かった。いや、正確には畑後といったほうが正しいかな。

 おそらく、ダートフロッグの被害が増えたときに西側に畑を移したんだろう。今東側にあるのは、西側と同じくらいの畑と、その畑と同じくらいのちょっと荒れた土地だった。


 エマの町から東に進んだところに、少しの木々に囲まれた沼地があった。

 そこに、ダートフロッグは居る。


 今回のダートフロッグは、肉と魔石をスライムに食べさせる為の討伐なので、受付嬢に通常の冒険者は胴体の肉と魔石の処理をどうするのか聞いてみた。


 受付嬢曰く、胴体の肉は臭みが強くて食べられないので捨ててしまい、魔石は武器の砥石代わりに使うということだった。


 Fランク魔物の魔石は基本的にあまり品質が良くないらしく、討伐部位として回収されるスライム以外の魔石は、ギルドで買い取っても銅貨1枚くらいの価値しか無いらしい。


 逆にそれくらいの品質なら、砥石代わりに武器の手入れをしたほうが特だということだった。


 魔石で武器の手入れをすると、普通の砥石より少し綺麗に仕上げることが出来るみたいだ。


 つまり、肉と魔石はスライムに食べさせても特に気にされることはなさそうだ。



 目的地に着いたので、早速ダートフロッグを探し始める。

 ちなみにここまではスライムを両手で抱えて来たんだが、このスライムちゃん思ったより軽いし、ぷるぷるしてる手触りがちょっと楽しくてあんまり苦じゃなかった。


 てかスライムちゃんって呼ぶのはダメだ。名前をつけてあげよう。

ずっとnonameだとこいつも悲しいだろう。


「なぁ、どんな名前がいい?」


 スライムに問いかけてみるが、ぷるんと動くだけで何もわからなかった。

 何もわからなかったというか、なんでもいいって言われてるような感じだ。


 う〜ん、ネーミングセンスはあまりない方だから自分で考えたくないんだが……


 テイム場所から取るか? 森林……薬草……スライムだからスラリンとか……いやコレはなんかダメな気がする。

 スライム……0歳……ゼロ? レイ?

 うん、レイにしよう。なんかスライムっぽくない格好良さというギャップ、それに水っぽい響き。スライムが水属性なのかどうかは知らないけど、液体っぽいしなんとなく似合ってる気がする。


「今からお前の名前はレイだぞ。」


 そう言うと、スライムはぷるんと震えた。

 ステータスを開いてみると、名前がnonameからレイになっていた。


「よし、よろしくなレイ。」


 レイは俺の腕の中でぷるぷる震えた。なんかぼんやりと喜んでる感じが伝わってくる。


「可愛いなお前は! もう! 喜び方がぷるぷるって! 可愛い!」




 そんな少し大きめの声でレイに愛を伝えていた俺の近くには、今回のターゲットが迫ってきていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ