4話 手加減という苦難
前回のあらすじ
テイムの仕方を勉強したユウスケは、依頼をこなすべく草原へと出かけた。
薬草を集めていたユウスケの目の前に現れたスライムをテイムすべく攻撃を仕掛けたら、あろうことか一撃で倒してしまったのであった。
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とてつもない脱力感が俺を襲っていた。
原因は俺の目の前に転がる魔石である。
「スライム……一撃……」
弱すぎるだろ!! 一撃は!!
しかし一撃で倒してしまったのはもう仕方がない。
次のスライムをどうするかが問題だ。
「いきなりテイムしてみるか…? いやそれより一度弱めに攻撃して弱らせたほうがいいよな多分……」
気を取り直してスライムを探すと、10分くらいで見つかった。
「今度は少し弱めに……」
スライムに斬りかかるのではなく、今度は剣の腹で叩いてみた。
ぶよん
すぐに身体を引いた俺の目に広がったのは、青色のぷるぷるした球体が魔石に……
「ふざけんなよ! 弱すぎるだろ!」
こうなったらつつく! 剣先でツンツンしてやる!
更に探し回ること15分。3匹のスライム団体さんと遭遇した。
複数相手はやばいんじゃないか?いや、でもスライムだしな……
とりあえず近くに居た1匹をつついてみた。
スライムはビクンと跳ねたが、すぐに何かをするわけでもなく、またボーッとし始めた。
「つつけば一撃じゃないか……ふぅ……」
周りを見れば、仲間が攻撃されているというのに無関心なスライムの団体さんが目に映った。
「これは1匹ずついけるな……何回つついたら倒れるかも見ておこう。」
1匹目のスライムをつつきまくると、5回で魔石に変わった。
ということは3〜4回つついてテイムを試してみるか。
次のスライムを4回つつき、テイムを試す。
右手を相手に向けて、声高らかに叫んだ。
「テイム!」
……? あれ? 特に何かが変わった感じはない。
失敗か?
「テイム!」
……変化なし。
「テイム! うおっ!」
テイムを行った瞬間に、スライムは魔石へと変わった。
「おい! テイムでもダメージ入るのかよ!!」
そんなこと本に書いてたか!? 書いてた……? 書いてたかな……
書いてたような気もするかもしれない。いや書いてなかったね!
……書いてたかも。
まぁいいや、次のスライムがいる。それにどうせ魔石5個は必要なんだし、ここで全員倒してしまったとしても問題はない。
次のスライムを2回つついたところで、ある変化が起こった。
「うお! ……おぉ? なんだ?」
スライムが微妙にぷるぷるし始めた。
俺はとっさに身体を引いた。初反撃が来るかもしれない。
しかし、予想とは裏腹に、スライムはぷるぷるするだけで何もしない。
「……もしかして麻痺か?」
恐る恐る近づいてみても何もされない。麻痺だ。麻痺ってるぞ!
「テイム! テイム! テイム!」
まだ攻撃は2回しか入れてない。つまりまだHPはある。
今のうちにテイムを! このタイミングを逃すな!
「テイム! テイム! テイム! テイム! おぉお?」
何回目かのテイムでスライムの雰囲気が変わった。
なんだろう、言い表せないけど友好的になった様な感じがする。
これはテイム成功したのか? どうにか確認できないかな……
「ステータスとか開けないかな……」
そう言ってステータスと心に念じてみたら……
「うわ! なんだよステータス見れるんじゃないか。」
そこには俺のステータスとスライムのステータスが書かれたウィンドウが開かれていた。
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ユウスケ・マツイ
18歳
職業:モンスターテイマー
状態:普通
Lv1
HP 58/58
MP 32/44
STR:7
VIT:10
INT:5
DEX:12
AGI:12
【所持スキル】
[U]テイム限界解放
[U]多言語理解
テイム
意思疎通
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noname
0歳
種族:スライム
状態:空腹
Lv1
HP 6/15
MP 3/3
STR:2
VIT:2
INT:1
DEX:1
AGI:1
【所持スキル】
悪食
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おぉぉ、ステータスをこんな詳細に見れるとは。
てかスライム弱いなマジ。
でもなんかアレだ、いざテイムしてみるとスライムでもなんか可愛く思えるというか、なんというか……
それに0歳ってことは生まれたてのスライムか。
なんてことをほわほわ考えていたら頭の中になんとなくだが、お腹が空いた、って感じの意思が伝わってきた。
見ればスライムがぷるぷるしている。
多分俺のスキルの意思疎通ってやつでスライムとやり取りが出来るんだろう。
取り敢えず採取した薬草をあげてみた。
スライムはそれに覆いかぶさり、体内に取り込むとゆっくり溶かしていった。
ステータスの状態は空腹のままだが、HPは回復していた。
う〜ん、やっぱ量が足りないか。
取り敢えずスライムの討伐、あと1匹を終わらせてギルドに戻ろうかな。
いや薬草もスライムに上げたから1本いるんだった……
あれからスライムと薬草を探し、薬草を見つけては採取し、スライムを見つけては倒した。
薬草も14本集まり、魔石も9個になった。
魔石10個で切りが良いし、後1匹スライムを倒したら一度帰ろうかな。
一撃で倒せるといっても、疲れてきたのには間違いないし。
そうして次に出てきたスライムを倒したときに、それは起こった。
「ふぅ〜疲れたぁ……」
野生のスライムを倒してすぐ、魔石も拾わず芝生に寝転がる俺。
剣だってそれほど軽くない。何回も振って腕も少々疲れた。
すこしぼーっとしてから帰ろう。
そんなことを考えながらふとテイムしたスライムに目をやると、のっそのっそと必死にぷるぷるしながら動いていた。
(可愛いなあ……なんか必死な感じがすげぇ可愛い……)
ぷるぷる動いている姿がいちいちなんか可愛い。
そんでどこに向かってるのかわからないけど頑張ってると応援したくなる。頑張れ0歳!
そしてスライムは、先程倒したスライムの魔石に覆いかぶさり
食べた。
「えっ?」




