45話:届かない空
話ながら廊下を歩いていると、学校は一般人も出入り出来る事を知った。
私が門で名前を尋ねられたり、じろじろ見られたのは何だったのか聞くと
「ソラさんは、目立つから…」
と、ぽそっと言われた。
父上の作った服だが、もっと地味な服装の方が良かったのかもしれない。
今更だが、少女の名前はリリィだと知った。
少女の友達が挨拶した時に呼んでおり、
自分が今まで知らなかった事に気付いたのだ。
「教室は3階にあります。」
そう言われ、リリィの後ろに付き階段を上る。
一歩、一歩
一段、一段
地面よりも、体が空に近づいている事を感じる。
でもそんなの見せかけだけ。
本当の空はもっと遠く、私の手なんか届かない。
あの広く美しい空には、醜いものは似合わない。
はぁ、はぁ、はぁ
息が苦しくなってきた。
あの時の私は、沙羅は、空に一歩踏み出したつもりだったけれど
なんてちっぽけな一歩なのだろう。
滅びてしまった私は、小さく 愚かだ。
それでもなお、空に焦がれる私が一番 愚か者だ。
そう思った瞬間、がくんっと私の足は階段を踏み外した。
私は階段の一番上の段から
自分の足が地面から離れていくのを
体が浮くのを、何処か体で覚えていて
あるはずもない空が目の前に見えた気がした。




