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27話:薄暗い丘
背中に柔らかい芝生を感じた。
どうやら、丘の芝生で
寝てしまったらしい。
恐い夢をみた気がした。
その証拠を残すように
私の体はひどく汗をかいている。
寝ていた体を起こし、
辺りを伺う。
夕日も落ち、薄暗い丘。
はじめて見る普段と違う風景。
風が吹き、揺れる木々が音を出す。
いつもと変わらないこと。
だが、薄暗い今の情景には
ひどく薄気味悪く感じる。
早く家に帰らなければ。
何故だか、嫌な予感がする。
私は何か莫大な恐怖を感じ、焦る。
立ちあがった瞬間、
横の薄暗い茂みの中で何かが光った気がした。
振り向くと、赤い目が二つ。
白い狼の様な、大きい動物が
薄暗い芝生の中
私と対峙していた。




