21話:純粋≠私
微笑んでいる双子は可愛らしい。
私も同じように笑えているかな。
「ソラは、歌がすごく上手いんだね。」
シアンが嬉しそうに言う。
「声も、歌ってる時は普段と変わるね。」
ユアンが不思議そうに言う。
私は歌っている最中をよく覚えてない。
ただ、ただ、歌うという事をしているのだ。
そうなんだ、と私も初めて知る。
「あのさ…、動物にソラは好かれる体質なの?」
ユアンが興奮を抑えるように尋ねてきた。
「好かれてるか分からないけど、
歌うと寄ってくるよ。」
私が答えた瞬間、
私の右手をシアン、左手をユアンが
力を込めて握ってきた。
「すごいよ、ソラ!」
また双子が揃えて言う。
生き生きと輝いている目も一緒だ。
「僕らの国ではね、動物は
人間の心を見るって言われてるんだよ」
「だから、動物に好かれる人はとても
純粋で清らかな人って言われているんだ」
双子が交代しながら喋る。
まだ、2人は興奮して
何か昔話の様な話を喋っているが
時々、彼らの母国語も混じり
意味を捉えられない。
私は、興奮している2人に言えなかった。
自分が純粋で清らかな人なんかじゃない事を。
私の心の中は、ドロドロで真っ黒だよ。
そう言いたかった。




