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八話

昨晩に投稿したつもりで忘れてたZE

「というわけで流民対策としての公共事業と、資金源としての増税を提案するのですぞ」


陳宮の発案。これは間違いなく彼女の発想ではない。


良くも悪くも軍事面に才を見せる彼女には軍事を任せ、財政関係は携わらせていないのだから資金源まで思考が回るはずがない。


間違いなく徐庶だ。


「それとこれは徐庶殿の発案なのですぞ!」


ほらやっぱり。


既に方針としてはある程度の暮らしは維持できるギリギリまで税をとり、代わりに民に大きく還元するようにしている。


徐庶とてこれは理解しているはず。


しかし、それでも陳宮を通して増税を提案する以上は腹案もあるのだろう。


増税で現在の民の生活は間違いなく崩れる。


現在よりも生活水準が下がっても生活は成り立つ。


だが、増税により利権の位置がかわり、富の動きが変わる。


結果として、大きく生活水準が下がり生きていけない多数と儲ける少数の構図が生まれる。


つまり餓える民が出るのだ。


本来ならばやらせるはずがない。


だが、流民対策が急を要するのもまた事実。


華北や中原で賊が大量発生し、それを嫌がった民衆が逃げ込んできているのだ。


もしも徐庶の腹案が有効ならやらせたい。


…憂鬱だが、あの外道と顔を合わせて確認するしかないか。


   *   *   *   *   *


なるほど。確かに世界はそんなはずじゃなかった事ばっかりみたいだ。


何が悪かったのだろう。


…音々音に冗談で増税提案した時ですね。わかります。


賈駆さんが一週間後に遊びに来るそうです。


ついでに『増税担当』の私とOHANASHIしたいそうです。


増税担当ってなんやねん。


あれか?世界の修正力はそんなに私を関羽さんの武器のサビにしたいのか?


仮にも徴税官だからそんな増税をホイホイできる余力が民衆に無いのは知ってんだよ!


とはいえ、増税とか無理ッスと言った場合、まだ顔を見たことないけどきっと脂ぎったオッサンの董卓様の酒池肉林アタックで首チョンパなのは目に見えている。


「徐庶様、定家から酒宴の誘いが来ております」


おー、副官さんご苦労様です。


でも空気読めよ。


今さ私、むっちゃ忙しいねん。


何とかどこにも角が立たないように頑張ろうとしてるねん。


どう考えても酒宴とかありえねー。


でも定家だぜ。


着々とパワーアップして、董家の兵糧担当目指してる定家だぜ。


納入させてる税も多いし、たまに個人的に金をくれる定家だぜ。


断れるかっての。


いつの世も銭が正義。


織田信長だって津島の商人が居なきゃあ、ただの地方豪族だった。


敵に回したら干されるぜ。


ダディを敵に回したシロッコさんを俺は忘れない。


…董卓様、土下座で赦してくれるかな?


   *   *   *   *   *


人が死んだ。


将来的に多くを救うためとは言え、六人が処刑された。


更に多くが路頭に迷った。


流民が多い今、再就職先なんてそうそうない。


彼らは流民対策の政策が始まるまでは貧困に喘ぐことになるだろう。


なのに。


それなのに元凶のコイツは。


「私にはよくわかりませんが、上手くいったようでなによりです」


しらばっくれる。


笑顔だ。


罪悪感の欠片もない。


コイツこと徐庶の策はそこまで複雑なものではない。


増税という秘匿すべき話題を敢えて漏らし、徴税官たる彼女に来た酒宴の招待にのる。


後は彼女に差し出された徴税の見逃しを求めた賄賂を持って、増税案の詳細を求めて来たボクの前に現れる。


新興有力商家の定家はそれで滅びた。


本来はこういった商家を嵌めるようなことをすれば、普段は非友好的な商家同士でも庇い合う。


しかし、今回はなぜか最有力商家の張家が何事もなかったかのように無視を決め込んだこともあり、取り潰しまで至ったのだ。


だが、いかに定家が富裕だったとはいえどもその資産ではまだ足りない。


その疑問への返答はこうだ。


『定家は御用商人に成りたいとか』


そして他の商家もそうだろう。


一家の物流を丸ごと司る商家を御用商人という。


そして董家の御用商はいない。

しかし、要らないというわけではなく、単にボクが重要度が低いとして後回しにしていただけだ。


この外道はその利権の塊を欲する商家に寄付を募るつもりだろう。


確かに資金源になる。


それも莫大な。


土地自体があまり豊かでない天水を拠点とするが故の経済的な弱さが無くなる。


やはり彼女は…。


   *   *   *   *   *


もういっそのこと楽にして欲しいでござる。


何が。


『洛陽へ行きなさい。だいたいの裁量は認めるわ』


だよ!


栄転?


ああ。そうとも。


数年後には戦場になりかけて董卓様に焼かれる街だがな!


マジでどうしてこうなったし。

そもそもの事の起こりは定家の酒宴に呼ばれていった事だ。


酒宴で酔って『金が足りない~』と漏らしたら寄付を定家の方がしてくれた。


量的にはは全然足りないけれど、大事なのは心。


だからその心に報いようと、賈駆様にもなんとはなく定家を御用商人に推した。


そうしたら。


『っ!流石ね。これで資金の問題も無くなった』


とか言い始めて、いつの間にやら栄転(偽)が確定したのだ。


状況が変わってないのに、条件はクリアされたーとか天才の思考は意味不明だぜ。

論理が苦しい?


天ぷライオンは経済は選択してないからご勘弁。



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