表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極悪辺境伯の華麗なるメイドRe^2  作者: かしわしろ
46/56

カブの港4

「オリビアちゃんは陽動、私はそのサポート、レイリンちゃんは一撃であれを仕留めて。」

「了解。」

「わかった……一撃!?」

レイリンは驚いて声を上げた。


「できるよ、レイリンちゃんなら。」

「……クレアちゃんがいうなら、できそう。」

2人はお互いを見つめ合う。クレアは希望的観測でそう言ったのではない。日々の訓練の中でレイリンの圧倒的な攻撃力を知っているから、そのように言ったのだ。


「それじゃあ、いくよ。」

クレアはレイリンから離れ、立ち上がる。


「ねぇ、これもったまま戦えば楽なんじゃない?」

オリビアはクインレオの羽を見せながらそういう。もちろんクレアもクインレオの羽を持ったまま戦闘をすれば楽に倒すことができるというのは考えていた。


「そうだね。その方が安全だね。」

「本当にそう思ってる?」

クレアの目を覗き込むように即答したのはレイリンだった。


「ほ、本当だって、その方がどう考えても安全に……」

「クレアちゃんって見かけによらず負けず嫌いだよね。自分たちの力を凌駕する“道具“を使って勝つとか、いやなタイプでしょ?」

クレアは思わず笑みをこぼしてしまう。普段の言動からは考えられないほど鋭く確信をついたレイリンの発言。


「ねぇ、オリビアちゃんもいいでしょ?」

「どういうこと……?」

「羽みたいな強力な道具を使わずに、私たちの力であれを倒したいってこと!」

レイリンの言葉に、オリビアもクレアの性格を思い出した。


「クレアって、たまにわがままだよね。」

「まだ何も言ってないし!」

「でもレイリンが言ってたことは本当なんでしょ?」

「まあ……ね。」

どう考えても羽やその他の道具を使用した方が楽に戦闘ができる。リーダーとして被害をできるだけ減らせるような方法をとるべきなのだという考えが、クレアの脳内を駆け巡っていた。が、このパーティメンバーの表情を見る限り、なんとかなると思ってしまう。このような部分がメルテ、リア、アナスタシアのパーティと異なる部分なのだろう。


「ごめん、みんな。ちょっと私についてきてくれる?死ぬかもしれないけど。」

「もちろん。」

「いいよー。」

そして、3人はギガントボアの元へと移動し始めた。


ーー


「ボフ!」

3人が視界に入った瞬間にギガントボアの鋭い視線が向けられた。観測力はないが、単純に視力がいいようだ。


「パワーアップ!オリビアちゃんお願い!」

クレアはオリビアに筋力増加の魔法をかける。基本的にこのような筋力増加や素早さ増加などの魔法は自分自身でかけることが一般的である。その理由の一つとしては、強化する度合いは人それぞれということだ。例えば強すぎる筋力増加魔法をかけられてしまえば、歩くだけで地面を破壊したり、自身の肉体が破損しかねない。


「ありがと、任せて。」

代わりに唱えるというのは、いつも唱えているオリビアの筋力増加魔法の強さを覚え、それをかける筋肉の部位なども細かく把握する必要がある。それをやってのけるクレアは、良くパーティメンバーのことを観察していると言えるだろう。


「華流・」

「ボフ!」

「剪定。」

突進に合わせて牙に剣をあて、エネルギーを拡散させる。そしてそのまま追撃をしようとするが、


「オリビアちゃん!下がって!」

クレアの腹部が貫かれる様子を見ていたオリビアは、この相手の危険性は十分に認知しているつもりだ。しかしクレアのそんな指示に従わずに、その場に止まり続ける。


「ふーっ……」

オリビアは息を吐くと、周囲の時間がゆっくりと流れるような感覚に陥った。ほんの数秒間の感覚が研ぎ澄まされた状態、集中状態へと移行していく。


「華流・周断」

クレアと同じように、ギガントボアの牙に剣が触れたまま、魔力によって切断しようとする。


「バウ!?」

クレアはあまりの強度に弾き飛ばされてしまったが、集中状態のオリビアの魔力密度は上昇し、攻撃力は数倍へと跳ね上がる。ギガントボアの右牙が綺麗に切断された。


「っ……はっ、はっ……。」

集中状態が切れたオリビアは地面に膝をつく。それを即座にクレアが回収。


「やっぱりすごいね、オリビアちゃん。」

「これくらい、余裕。」

「その割にはかなり息切れしてるけどね。」

“集中状態“という概念や原理を3人はまだ知らない。オリビアは誰に教えられるでもなく、自らこの状態になることができていた。


「よし、今のうちに……アイスロック!」

クレアはオリビアを安全な木の上に置くと、すぐに怯んでいるギガントボアの元へ飛んでいく。そして足元に氷結魔法を唱えて、動きを止める。


「多分数秒しか持たない!」

「オッケー!十分!」

レイリンはボアの目の前に降り立ち、拳に魔力を込める。


「3、2、1……」

カウントが小さくなるごとに拳に纏われている魔力が増大され、圧縮されていく。


「龍技・バーンナックル!!」

次の瞬間、音が消えた。ギガントボアの腹部にレイリンの拳がめり込み、体が爆散すると周囲に広がる炎によって包み込まれる。ただ、ギガントボアの皮や肉は耐性があるのが、焼き尽くされることはなく地面に転がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ