2-49 幕間
エンディは背に刺さるつららの痛みに耐えながら、テシーの喉の傷を必死に抑えていた。
彼女の呼吸は浅くなっており、凍った床には血が溢れている。
手の中で消えそうになる命の火にエンディはレイを信用した事を後悔した。
何より自分に腹が立った。 騎士でありながら市民の命を犠牲にする賭けを受け入れてしまった自分に。
「すまない……すまない……」
エンディは涙が溢れそうになるのを堪えて傷口を抑えるも、隙間からはとめどなく命が溢れていく。
片手で腰のポーチから治療薬を取り出した彼女は祈るような思いで呪文を紡ぐ。
治療薬で作られた膜は意味を成さず、吹き出す血によって破れてしまう。重要な血管が傷ついている証拠だ。
レイは言っていた。もう助からない、と。確かに彼の言う通りなのかもしれない。エンディもその傷に触れて理解した。
この出血量は頸動脈が切れている。もう数分も持たないだろう。無線で応援を呼んだが間に合いそうもない。
だがそれを理解している彼女自身が諦めるという事を、救うのを止めるという事を拒否していた。
「しっかりするんだ! 死んではだめだ!」
エンディは震える声でテシーに声を掛ける。
そんな彼女の耳に開け放たれた部屋に入ってくる足音が聞こえた。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
人物紹介や色々な説明を詰め込んだり一話を2000文字程にした結果、想定より長くなってしまいました。
次章からはもっとサクサク進む予定です。
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