3度目
タイトルを一部変更しました。また変更するかもしれません。
でかい木の下に人が一人だけは入れる隙間がある。ここはかつて2人に教えてもらった休憩ポイント。フォルスに周囲を警固してもらい昼寝をすることにした。奴隷がいるって便利だね。ここが命の危険があるダンジョンだということを忘れてぐっすり寝てしまった。
「ずいぶん寝てしまった」
小声でフォルスを呼んでも来ない。トイレかな?心配になり辺りを探すと奴隷の首輪が落ちていた。
奴隷が自分から外せるわけがない。そう説明を受けていた。分からない。モンスターに襲われてしまったのか。それにしても、争った形跡はなくて、血の跡もみえない。
「また僕は騙されたのか?」
急いで戻ると荷物はすべて消えていた。ああ、やはりフォルスは逃げ出したんだろう。バッレクは着の身着のままの状態で置き去りにされた。
モンスターに見つからないように素早く、確実にダンジョンを脱出した。運が良くて一度もモンスターや不審人物に遭遇することもなかった。
ダニーが入り口にいたので奴隷の事を説明した。
すると、確かに一人で出てきたそうだ。彼を責めても仕方がない。
ギルド職員にダンジョンで亡くなっていったカードを見せて、少しばかりのお金が手に入った。
奴隷商の館に抗議に行ったが追い出された。せめて半額でも返してくれと頼み込んだが駄目だった。
精神的や肉体的に疲れてしまったので、その日はそのまま寝ることにした。
奴隷フォルスが消えた日から何もやる気がおきなくなり、ダンジョンの1、2階でちまちま日銭を稼ぐようになった。もう奴隷を仲間にする気もない。たとえ女性に誘われても一緒のチームで探索したくない。
ダンジョンで金貨を稼いで土地を買うという夢はまだ先。
気がつけばそのような生活を3年も続けた・・・・・・。