エピローグ
誤字を訂正しました。
バッレクはそれからもダンジョンで一人、日銭を稼ぐ日が続く。
天性の勘の良さと、目の良さを活かして、宝箱を見つけることもあった。
こつこつとお金を貯めた。目標額まで貯まったので、引退して田舎に帰ろうとしていた。
妹の為にお土産を沢山買ってやろう。何がいいかな。
そんな風に浮かれて自分の事だけを考えている時に、命の恩人である太っちょのダニーが困ったことになっていると聞いた。
一人娘のタニアが重病になったと聞いた。治療には莫大な費用がかかり、ダニーの給料だけではとても治すことができない。ダンジョンから助けてもらった恩がある。自分の貯金と天秤にかけて少しだけ悩んだ。少しだけ……だ。バッレクの貯めたお金、全てを足せば治療できることが分かった。ダニーに援助を申し出ると泣いて喜んでくれた。「以前助けてもらったお礼です。気にしないで」と言った。決して強がりではない。
無事にタニアの容態は回復していき、再びダニーの家族は笑顔が戻るようになった。
また一からお金を貯める決心をした。中々宝箱は見つからず、目標の金額を貯金するまで3年かかった。バッレクは20歳になっていた。
思えば12歳から家を飛び出し、がむしゃらに生きていた。
疲れた。長かった。ようやく夢が叶う。
その後、バッレクは田舎に帰り、幸せに暮らしました。




