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プロローグ
どうして気になるんだろう。
どうして目で追ってしまうんだろう。
跡見 黎は誰とでも仲良く、気づけばいつも違う子と一緒にいて、男子とも女子ともよく話す。
なのに気づくと教室にいない。そのことに私は誰よりも早く気づいてしまう。
白い肌にどこか憂を帯びた顔。長く伸びた髪は色素が薄く、ストレートでさらさらしている。手足は細くて、少しでも力を入れたら壊れてしまいそうだ。
――なのに、本人はそんな見た目とは裏腹に、よく笑い、よく動く。
男子からも人気がある。
それくらい、分かっている。
分かっているから、どうということもない。
……どうということもないはずなのに、黎が男子と話していると、なぜか少しだけ気になる。
今日も、気づけば黎がいない。
さっきまで窓際の隅で少し派手な女子たちと話していたはずなのに。
探すつもりなんて、ない。
なのに――
私は小さく息を吐いて、立ち上がった。




