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愚かな中世の騎士

こんにちは、読者の皆さん!今回はちょっと趣向を変えて、魔法とドラゴンを信じる愚かな中世の騎士の転生物語を書いてみようと思います!楽しんでいただけたら嬉しいです!

門が風に軋んでいた。


いつも同じ音だ。低く、引きずるようで……数時間もすれば鬱陶しくなる。数日もすれば体の一部になる。数年もすれば――仲間になる。


俺はいつものように、そこにいた。


立って。


動かず。


剣の柄に手を添え、城壁の向こうを見据えて。


日差しも、雨も、寒さも、暑さも――どうでもよかった。門は勝手に守られない。そしてどうやら、見張りも一人ではやらないらしい。


「そのままじゃ目を潰すぞ?」


無視した。


「おい、アラリック……」別の衛兵が近づき、石壁にもたれかかる。「今度は何だ? 何か見えたのか?」


少しだけ答えるのに時間がかかった。


俺は空を見ていた。


「……まだだ」


沈黙。


そして――


「まだだって?! 」大きすぎる笑い声が弾けた。「こいつ、まだ信じてやがる!」


「今日は来るさ、間違いなく」別の奴が腕を組む。「ドラゴンは遅刻しがちだが、今日は訪問日だ」


「グリフォンも来るって聞いたぞ。二体な。アラリックの目に一つずつ」


「無駄にするなよ」別の奴が言う。「こいつは妖精探しで視力の半分を使い切ってる」


また笑いが起きる。


俺は空を見続けた。


ほんの一瞬……想像した。


雲が割れ。


巨大な影が空を横切り。


翼が太陽を覆う。


「……すごいだろうな」


沈黙は、ちょうど半秒で終わった。


「本気で言ってるぞ」


「いつも本気だ」


「ここまで真面目に馬鹿をやれる奴、初めて見た」


空から視線をわずかに外し、奴らを見る。


「出たら分けないからな」


「見ろよ」一人が隣を小突く。「存在しないドラゴンと交渉してるぞ」


俺はまた地平線へと目を戻した。


奴らは笑う。


俺は笑わない。


子どもの頃から、ずっとそうだった。


皆が人を殺す訓練をしている間――俺は怪物と戦う自分を想像していた。


皆が戦争ごっこに興じる間――誰も見たことのない存在を思い描いていた。


ドラゴン。


エルフ。


魔法。


「作り話だ」と、皆は言った。


だが祖父は違った。


暖炉のそばに座り、焼けた木の匂いと安酒の香りをまといながら、自分の目で見てきたかのように語った。


「東には、どんな鳥よりも高く飛ぶものがいる」


「剣を持たずに戦う男たちもいる」


「世界は、この壁の向こうで終わりじゃないんだ、坊主」


俺は信じた。


全部、信じた。


そしてどうやら――それが俺の最大の過ちだったらしい。


「夢見が来たぞ」


「おいアラリック! 今日はドラゴン何匹だ?」


「妖精にさらわれないように気をつけろよ!」


俺は見ていた。


いつも見ていた。


そして何も見つけられなかった。


それでも――探すのをやめなかった。


心の奥で――


ただ見たかった。


一度でいいから。


鐘が鳴った。


ゴン――。


胸を殴られたような音が空気を裂く。


ゴン――。


もう一度。


今度は――誰も笑わなかった。


「……敵影!」


「東方より敵軍!」


世界が一瞬で変わった。


城壁の向こうから煙が立ち上る。悲鳴が街に響く。金属が打ち合う音。馬。炎。


門は――


ついに存在する理由を得た。


俺の手は剣の柄を強く握りしめる。


視線は空から外れた。


「道を開けろ! 民間人が先だ!」


考えるより先に、体が動いた。


街は混乱の渦だった。人々は走り、泣き、転び、踏み越えられる。敵兵は濁流のように押し寄せ、すべてを薙ぎ倒す。


ドラゴンはいない。


魔法もない。


いるのは――人間だけだ。


その事実が、なぜか少しだけ腹立たしかった。


「こっちだ! 早く!」


子どもを背に押しやり、斬撃を受け止める。斬る。もう一人来る。斬る。


単純。


直線的。


実用的。


騎乗の騎士が突っ込んでくる。身をかわし、鎧を掴んで鞍から引きずり落とした。


重い音を立てて地面に叩きつけられる。


もう起き上がらない。


次が来る。


また次。


さらに一人。


「あいつだ!」


「囲め!」


結構なことだ。


俺は人気者らしい。


槍が来る。


剣が来る。


多すぎる。


一つ弾く。


二つ弾く。


三つ目で背に衝撃が走る。


四つ目は――肩。


足が崩れた。


……そうか。


ここで終わりか。


立ち上がろうとする。


できない。


剣が手から滑り落ち、傍らに転がる。


その音は――妙に遠かった。


空だ。


また空。


青い……だが、今は煙で汚れている。


おかしな話だ。


何年も見上げ続けて……最後も同じことをして死ぬのか。


呼吸が重い。


どんどん遅くなる。


「……結局」


かすかに笑う。


「最後まで……人間だけか……」


思い出す。


物語。


老人。


笑い声。


見たことのないものたち。


「一度くらい……見たかったな」


太陽の前を何かが横切った。


一瞬、光が消える。


目を細める。


いや。


そんなはずは――


巨大な影。


翼。


ゆっくりと。重々しく。威厳を帯びて。


心臓が――強く打つ。


「……ドラゴン?」


それは静かに空を横切った。


巨大で。


あり得なくて。


完璧だった。


「やっぱり……いたのか……」


影は去る。


光が戻る。


瞬き。


もう一度焦点を合わせる。


遠く――ずっと遠く。


鳥が一羽。


小さい。


あまりにも小さい。


ただの鳥だ。


……


ああ。


それでも、笑った。


「……それでもいい」


幻でも――悪くなかった。


目を閉じる。


……音。


声。


妙だ。


近い。


体が――軽すぎる。


深く息を吸う。


痛みがない。


重さもない。


目を開ける。


空が――澄みすぎている。


二人の影が、俺を見下ろしていた。


男と。


女。


見たこともない服。


何かを話している。


「…………?」


「………………!」


……


何だ?


何度か瞬きをする。


まったく理解できない。


話そうとする。


「ば……あ……うぅ……」


……


言葉になっていない。


これは……罪だ。


「ここはどこだ?」


頭の中では完璧に言えた。


現実では――おそらく一族郎党に喧嘩を売る音になった。


二人は顔を見合わせ――


笑った。


なぜ笑う。


女が俺を抱き上げる。


持ち上げる。


揺らす。


軽々と。


軽々とだ。


「……強いな」


異常なほどに。


それとも俺が――弱すぎるのか。


周囲を見ようとする。


難しい。


視点が――低い。


低すぎる。


おかしい。


明らかにおかしい。


何かが――ずれている。


大きくずれている。


もう一度二人を見る。


相変わらず話している。


俺は相変わらず何もわからない。


……


ここは、東ですらないな。


息を吸う。


――吸えた気がする。


この世界がわからなくても――


小さく笑みがこぼれた。


ついに。


何かが違う。

読者の皆様、ぜひご感想やご意見をお聞かせください。

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