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六柱結界 二

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、寺社仏閣などとは関係ありません。

もし、面白いと感じて頂ければ、ページ下部にある《投票!!》のクリックへのご協力お願いいたします。



 コインパーキングに車を停車させ、私達は車を降りた。

 二分ほど歩くと、住宅街の中にぽつんと小さな児童公園があらわれた。

 なるほど。国有の地にすることで、一般住宅ではなくこういった公共施設にしているのか。


 ここに柱が埋められているのは、すぐにわかった。明らかに周辺とは霊相の濃さが違う。

 公園内に入り、中心にある砂場で壬子が立ち止まった。


「こちらの直下に、早川家が管理している柱の一本が埋められています」


 私は屈み込み、砂場のより奥にある柱の霊相を観察する。

 非常に強力な霊相が充填されているのがわかる。


 これ、ここで遊ぶ子どもに影響でないのか?

 でも影響がでるなら、今ここに公園が存在することはないかと自分を納得させた。

 柱からは、四本の霊相の帯が延びていた。おそらくこれが結界の陣なのだろう。


「結界の陣帯、すごい距離延びているみたいですけど、この結界ってどれぐらいのサイズになるんですか?」

「直径にすると、約三キロ程度になりますね。天満宮を囲うように六箇所に設置されています」


 私と同じように屈み込んだ壬子が、結界のサイズと配置を教えてくれる。

 三キロか、かなり大きな結界やな。これは維持するのに、相当な霊相が必要やろうな。


 優秀な祓い屋を、六名も用して作り上げた強力な結界。羅刹が動けないのも納得できる。

 私と壬子が立ち上がると、背後から霞が壬子に声をかけた。


「壬子さん、これは六芒結界ですか? それとも六紋結界ですか?」


 ──ん? 六芒? 六紋? 何か違いがあるのだろうか?


「いい質問ですね。これは、六芒結界になります。六紋結界は構築は容易ですけど、やはり脆弱な部分がありますからね。しかし、小室家の柱が使えなくなる今、一時的な結界の再構築は四紋結界になってしまうでしょうけど」


 真剣な表情の霞、さすがに結界の専門家だけあって、いつものおもしろい子ではなくなっている。

 壬子が疑問に答えると、霞は少し考えてから、再び口を開いた。


「小室家の柱の位置はどこでしょうか?」

「四ノ星と五ノ星ですね」


 それを聞くと霞は納得したのか、「ありがとうございます」と頭を下げた。

 壬子はそれに頷いてから、私へ向き直った。


「では、その小室家の管理する柱へ向かいましょう」


 コインパーキンへ戻り、各自車に乗り込むと車が動き出した。

 どうやら小室家の柱の一本はここからそう離れた位置ではないらしい。

 現場へ向かう途中、隣に座る霞に尋ねる。


「霞さん、六芒と六紋ってなにが違うの? 陣の形が違うのかな?」


 私の疑問に、霞は頷いて答えてくれた。


「はい、単純にいうとそうなりますね。正確には、陣の構築方法の違いになります。単純に対象を囲ったのが紋結界、陣を織り込み、対象を囲うのが織芒結界(しょくぼうけっかい)になります。違いといえば、やはり圧倒的な強度ですね。織芒結界は消費する霊相も大きいですが、強度は数倍になります」


 ほぉー、なるほど勉強になるな。要は構築が簡単な簡易的な結界が紋結界。

 そして強度は絶大だが、構築に時間がかかり、消費する霊相も膨大になるのが織芒結界ってことになるのか。


 私も白を使役して、人払いの結界を利用する事はある。

 けど、何かを封印する結界とか使ったことないもんな。白でもできるんかな?

 でもまぁ、基本喰らってしまうし、封印することなんてないか。


 車がとある学校の前で停車して、スマホで電話をかけ始めた。

 校門隣の石製の表札には、市立の中学校の名前が刻まれていた。

 まさか、学校の中に柱が埋められているのか? 確かに公共施設やけどさ。


 電話を終了して壬子が、再び車を発進させて、校門をくぐり来賓用の駐車場に車を停めた。

 どうやら先程の電話は、学校の責任者に入場の許可をとっていたようだ。

 車を降り、私達は壬子の先導で、グラウンドの隅っこにある高鉄棒と砂場のスペースへ向かう。



「こちらが、小室家が管理していた柱の内の一つが埋められている場所になります」




この度は、当作品をお読み頂きありがとうございます。花月夜と申します。

当作品は、初めての執筆作品となります。

当方執筆に関して、完全な素人な為、至らない点が数多くあると思います。

ですが、書き始めたからには、皆様に読んでよかったと思って頂けるような作品にして行きたいです。

これからも、随時更新して参りますので応援いただけると幸いです。

ありがとうございました。今後とも応援よろしくお願い致します。


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