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23話 女神の忠告



『…イラさ~ん……元・神矢玲君で、今はレイラ・サンチェスさ~ん。起きてくださ~い』


間延びしたあの女神の声が聞こえてきた。


あれ? 私ってどうなったんだっけ?

女神様が降臨して皆は属性やら精霊を貰っていたのに私だけ無属性だとか言われて文句を言おうとしたら急に目の前が暗くなったんだった…。


そうだよ! あの女神!!


カッと目を開くと、最初に女神と会った真っ白い空間にいた。

隣にはあの女神が立っている。


「ああ、よかったわ。そろそろ起きてもらいたかったの、此処にいる時間はかぎられてるのよ」


「このクソ女神!! 私は言いたいことがたくさんあ…ぐへっ」


文句を言おうとしたら何かに後頭部をビターンと叩かれた。


「あのねえ…。私は一応、この世界の女神なのよ~。その私に不敬なこと言ったりしたら、最悪、異端者として処刑されかねないから言葉使いには気をつけなさい。せっかく、かわいい女の子に生まれ変わらせてあげたのに台無しじゃない」


「それだよそれ!! なんで女なんだよ! 普通、美形で異性にモテたいって言ったら男だろっ」


痛む頭の撫でながらそれでも女神に不満を言う。


「あら? それはあなたの偏見でしょ? 『今度は女に生まれたい!』って人も結構いるのよ?……まあ、あなたを女に生まれ変わらせたのは私の趣味だけど(ボソッ)…」


「ん? 最後の方、聞こえなかったが何って言った?」


「まあまあ、いいじゃない!」


「よくねぇ!! それに無属性って何だよ! 俺はチート級に強くなりたいって言わなかったか?」


一番の不満はこれだ。他の奴らはすごい加護を与えられたのに、俺だけ無属性って何だよ。ありえね~!!


「あのねえ、いきなり10歳そこいらの女の子が勇者を凌ぐ力を手に入れたらそれこそ大騒ぎになるわ。私は『無属性』とは言ったけど『無能力』とは言っていないわよ。」


「どういう事だってばよ」


「つまり、あなたのこれからの努力次第でどうにでもなれるってこと。『千里の道も一歩から』と言うじゃない? 今のあなたは《レベル1》だけど修練を重ねればそれこそ、勇者や聖女を凌ぐ力を手に入れられることになるのよ」


「そうだったのか!! じゃあこれからは修行パートになるんだな」


「まあ、そういうことね。そこら辺は、勇者達にお願いしているから頑張りなさい」


おお! 勇者様達から教えてもらえるのか。それはラッキー!


「わかった!」


「ふふ…(この子、本当に単純だわ…)」


「じゃあ、私をそろそろ元居た場所に帰してくれないか。あいつらも心配しているだろうし……」


「ああ、そうそう。あなたに一つ忠告があるの」


ニコニコと笑っていた女神が急に真顔になり、少し声のトーンも低くなった。それだけでも威圧感が強くなった。


「な、なんだよ?」


「あなたが転生者と知っているのはクリストファー王子だけだったわね」


「そうだけど……」


「王子は仕方ないとして、あなたが転生者だったこと、前世の記憶をこれからは他の人に一切言っては駄目よ」


「わかったけど…、なんで?」


「それでこそ、世界の均衡を崩しかねないからよ。あなたが元いた世界と今の世界は違うでしょ?」


たしかに、元いた世界に魔法なんてなかったし文化もだいぶ違う。


「あなたがあの世界の知識を、この世界の人に教えるといろんなものが大きく変化してしまうの。…そうね、例えば元いた世界の武器や兵器などの製造とかね」


「私は作り方知らないし、知ってても教えようとは思わない!」


「あなたはそうかもしれないけど、あなたが異世界からの転生者と知った何者かがそれを聞き出そうとしたら? それこそどんな卑劣な事をしてでもね」


卑劣な事…。確かにこの世界には魔法だってあるし、何をしても知りたいって思う奴はいるかもしれない。


「……わかった」


「あなたは聞き分けがよくて助かるわ~」


女神は安心したように微笑んだ。


「なんだか褒められてる気がしない……」


「まあまあ、素直な事は良い事よ。あなたはあなたのままで突き進みなさい」


「おぅ」


「まったく、女の子なんだから言葉使いもなんとかしなさいな。……それじゃあ、そろそろお帰りなさい。くれぐれも私の言った事は忘れないように」


女神が私の目の前に手を翳すと再び、気が遠くなるように目を閉じた。

最後に女神が何か言ったようだけど私には聞こえなかった。






『もし、あなたがどちらかを選ばないといけない時がきたら、あなたはどちらを選ぶのかしら……』





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