デビュタント 光と闇
此処で、デビュタント編終わりです。
「何を……」
そう言って頬を押さえて茫然とするオーランド。
セリーナは我に返るも後悔は無かった。
我慢ならなかった、どうしてそんな穏やかな表情でアナスタシアについて話せるのか。
アナスタシアは苦しんだ末に自殺したのに。
……お前の罪を思い出させてやる。
セリーナはオーランドを睨みつけた。
「そう言えば……思い出しました。噂で聞いた事がありました……アナスタシア・メル・アルヴァントについて……」
その言葉にオーランドは目を見開いた。
「どうして、今そんな話を……」
「どうして?貴方が最初に私を亡きアナスタシア様と、あり得ない勘違いをなさったのではないですか……その時は忘れておりましたが、今やっと思い出しましたの……」
セリーナは口角を上げた。
「オーランド様が仰る、薔薇が好きな相手とはアナスタシア様の事では無いのですか?薔薇の事については随分と穏やかに話しておられましたが……最初に私を見た時、我を失う程と動揺していましたよね……何かアナスタシア様について負い目でもあるのですか?」
「な、何が言いたい!」
そうして混乱しているオーランドを蔑みながら、セリーナは嗤った。
「もし、本当にアナスタシア様に負い目があるのなら……」
セリーナはオーランドの耳元で囁いた。
「その負い目は……貴方の罪は永遠に消えませんよ……」
その言葉を聞いて目を見開くオーランドに対して、セリーナはにっこりと微笑むと薔薇園を後にした。
デビュタントが終わり、伯爵邸に戻ってきたセリーナとアレクシス。
何故か元気の無いアレクシスは、かなり寂しそうにセリーナを見つめた。
「セリィを王太子に取られた……私の可愛いセリィがぁぁぁ」
そんな親バカのアレクシスにセリーナは苦笑いを浮かべた。
「元気を出して、父様。大丈夫だよ……」
ヴィンセントの息子なんかに絶対に心は奪われないから。
復讐の道具として利用するだけだから。
そんな事を考えていたセリーナだったが、ふとある青年の事を思い出した。
「レヴィン……」
私と真逆の生き方をしている青年。
『自由になれるといいな!』
その言葉に胸が締め付けらる。
自由、そう言って生きるあの青年が眩しくて堪らない。
セリーナは胸を押さえながら、レヴィンに想いを馳せた。
次回も読んでくれると嬉しいです。




