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亡き妹のための綺想曲  作者: 雪斗
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秘密と幸せ

ユークリッド視点です。

楽しんでくれると嬉しいです。

セリーナの告白を聞いてもユークリッドはそれ程驚かなかった。

逆に納得した……彼女の苦しみはその前世にあるのだと。


セリーナは悲しげに微笑んだ。


「嘘だとお思いなられますか?」


どうせ信じて貰えない、そう言いたげなセリーナにユークリッドは優しく微笑んだ。


「愛しい貴女がいう事ならば全て信じましょう。」


その言葉にセリーナは大きく目を見開いた後、破顔した。

そして再び話し始めた。


「私は前世シオンだった時に知りました。……アナスタシアの死の真相を。ですが真相を知ったその日に私は殺されてしまった……」


そう悔しげに語るセリーナ。

どれ程無念だっただろう……真相を知りながら何も為せずに殺されるなんて。


ユークリッドの瞳をセリーナの紅の瞳が射抜く。


「しかし私はアナスタシアと瓜二つの顔を持って伯爵令嬢として生まれ変わることが出来た……だから前世の記憶を思い出した時に決めたのです……アナスタシアを苦しめた者達に復讐すると……」


悲しみと苦しみを帯びた声でセリーナは語る。

彼女はどうしようもなく苦しんでいる。

前世のアナスタシアの死が彼女を縛る。


「これが私の全てです……私を気持ち悪いと……」


そう悲しげに目を伏せて話すセリーナの言葉を遮って、ユークリッドは強くセリーナを抱きしめた。

セリーナは突然の事に驚いたが抵抗しなかった。


「ありがとうございます……話してくれて……どれ程辛かったか事か苦しかった事か……」


セリーナの啜り泣く声が聞こえる。

……どうかもう苦しまないで……悲しまないで欲しい。

セリーナ、貴女には笑っていて欲しい。


「セリーナ……貴女はどうすれば幸せになれますか?」

「……私は幸せになどなってはいけません……私は罪を犯しました……復讐の為にフェニカ元王妃を死に追い込み……オーランド・ルト・メイヴィスをこの手で……殺しました。」


その言葉にユークリッドは驚いたが、どうでも良いと思えた。

むしろ彼女を苦しめる者は全て消えれば良いと思う。

だが、黙ったユークリッドをセリーナは勘違いしたようだ。


セリーナは震える声で言った。


「人殺しが婚約者など……将来の王妃になるなど……愛されたいと願うなど……なんて罪深い……」

「セリーナ……私は貴女の罪も何もかも全てを愛します……貴女を嫌う事も軽蔑する事もありません……」

「……本当に?本当に……私の全てを愛してくれるのですか?」


その言葉にユークリッドは頷いた。

セリーナはユークリッドの胸に顔を埋めて泣き続けた。

ユークリッドはそんなセリーナの頭を優しく撫でていた。
















セリーナは落ち着くと頬を染めてユークリッドから離れた。

ユークリッドはそんなセリーナに愛おしげに見つめていたが、メレイアの事を思い出し表情を引き締めた。


「私の母がアナスタシアに似ている貴女の……セリーナの命を狙っています。」


それを聞いてもセリーナは恐怖を見せず、逆に不敵に笑った。


「恐らくそうだろうとは思っていました……大丈夫です……手はあります……そこで殿下に一つお願いがあるのですが……」


その言葉を聞いてユークリッドはとても嬉しそうに微笑んだ。


「愛しい貴女の為なら何でもしましょう。」

「メレイアの部屋に盗聴用の魔道具を仕掛けてください……絶対にバレないように慎重に……やって頂けますか?」


その言葉にユークリッドは微笑んで頷いた。


「勿論です。私も貴女の復讐に協力します。……貴女の命を狙うような母はいりません……そしてセリーナ……全ての復讐を終えたら……私と結婚して下さい。貴女がレヴィンを愛していても……必ず振り向かせて見せますから……」


突然のその言葉にセリーナは驚き目を見開いたが、直ぐに微笑んだ。

その微笑みは心からのものだった。


「はい……」


ユークリッドは嬉しそうに微笑むとセリーナの唇に自分の唇を重ねた。





次回も読んでくれると嬉しいです。

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