想定外
今回も楽しんでくれると嬉しいです。
セリーナはシャルからの手紙を燃やしながら、微笑んでいた。
「あの薬は、徐々に思考力や体力を奪っていく……飲み続ければいずれ死ぬだろうが、そんな楽な死は許さない……」
アナスタシアを苦しめた代償を必ず払わせる。
フェニカに屈辱的な死を。
そして手紙を燃やし終えると、セリーナは部屋を出た。
魔法学園の入学式の日。
魔法学園は全寮制で休暇以外は帰って来れない。
それ故に父親……アレクシスは無茶苦茶寂しがっていた。
「セリィ……元気で過ごすんだよ……手紙は毎日送ってね……」
アレクシスは涙ぐみながらセリーナの手を握った。
セリーナはそんな父親に苦笑いを浮かべた。
「父様も返信を書いて送って下さいね。」
セリーナはアレクシスの手を離すと馬車に乗り込んだ。
馬車は順調に学園へと向かっていた。
護衛は数人付いているが、それだけだ。
セリーナは馬車の中でため息をついていた。
魔法学園に通うのが義務といっても、やはり試験はある。
試験は実技と筆記で、セリーナは両方とも満点を取り……見事主席となった。
それ故に、主席として代表の挨拶を任されたのだ。
「話す内容どうしよう……」
話す内容を何にも考えておらず、セリーナは途方に暮れていた……そんな時だった。
外でこの馬車を守っている護衛達がざわつき始めたのは。
「どうして、こんな所に魔獣がいるんだ!」
「お嬢様を守れ!」
魔獣という言葉と護衛達が剣を抜く音が聞こえ、セリーナは扉を開けて外に出て、自分の目の前に広がる光景に目を瞠った。
そこには赤い毛皮を持つ巨大な熊三匹に、護衛達が斬りかかる光景が広がっていた。
その禍々しい魔力から、その熊が魔獣である事がわかる。
セリーナは舌打ちし、考えた。
「どうしてこんな所に……」
セリーナの目の前で、魔獣によって殺されていく護衛達。
そんな悲惨な状況でセリーナも魔法を行使し、剣を創造して、自分も戦う覚悟を決めた。
恐らく何者かに計られたのだろうが……
「私が、こんな獣に劣るとでも?」
相手が悪かったな、私は復讐を終えるまでは死なない。
そうして、セリーナは剣を構えると魔獣に向かって行った。
次回も読んでくれると嬉しいです。




