プレゼントをします
自分のお店を見て、差し入れをした。
何が喜ばれるか分からなかったので、ナナエルが家でティータイムに食べている焼き菓子の中から気に入ったものを詰め合わせてもらった。
お店は思ったよりも素敵なもので、同じような店が他数店舗ある。
落ち着いたら許可を取って外国に店をという話も出ている。
二人はナナエルの店をあとにした。
それから、今日の一番の予定であるウィリアムの装飾品を見に行った。
祝賀会はウィリアムは貴族の正装ではなく魔法使いの正装で参加することが決まっている。
魔法使いの正装は男性ならローブを羽織るのが通常だ。
そこに付ける、男性用のブローチとチェーンを選んで欲しいというのがウィリアムの頼みだった。
宝飾品の店は何店舗か知っている。
本当は屋敷に呼んでオーダーメイドの方がいいしろものな気はするけれど、ウィリアムはナナエルが選んだものがいいと言って譲らなかった。
ナナエルが選んだのは魔法使い御用達の店だった。
ショーケースにはローブに似合いそうな装飾品が並んでいた。
ナナエルはそれを端から眺めていった。
ウィリアムのローブは黒色らしい。
そのローブとウィリアムに似合いそうなものを慎重に選ぶ。
そういえば恋人にちゃんとした贈り物をしたことが無いことに気が付く。
そう考えるとナナエルはドキドキした。
ウィリアムは隣でナナエルと一緒に商品を見ていた。
ナナエルが、どれがいいですか? と聞こうとしていると、ウィリアムは店の奥にあった何かを指さしている。
気に入ったものがあったのだろうかとナナエルは思った。
彼自身魔法使いらしき店員は小さな箱にのった何かを持ってきた。
そこにあったのは、オリーブ色に近い石はスフェーンと呼ばれる宝石で作られたピアスだった。
「俺は普段はしないんだけどね。
魔法使いの正装にはピアスが必要だから」
そう言ってその場でウィリアムは耳に付ける。
「どう?
ナナエルの瞳とお揃いだろ?
にあっている?」
ウィリアムは聞いた。
こういう時もナナエルの色を選ぶのかと思ったらとても恥ずかしいような、嬉しいような不思議な気持ちになった。
ナナエルはそれからもう少し、真剣にいくつもの装飾品を見せてもらって、銀色のチェーンが付いたローブ用のクリップチェーンの様なものを選んだ。
両側にはアイスブルーのトパーズが付いている。
少しだけ宝石の方がウィリアムの瞳より濃いけれど黒にはこちらの方が引き立つ。
それに、ピアスの石とまるでお揃いのようでナナエルはとてもいいと思った。
けれどウィリアムの好みかどうか分からない。
「うん、とてもいいよ。
ありがとう!!」
ウィリアムは嬉しそうに言った。
さりげなく、ウィリアムが自分で支払いをしようとしているのを止めてナナエルはプレゼント用にチェーンを包んでもらった。
「祝賀会楽しみにしています」
そう言ってウィリアムに包みを渡す。
それを受け取ったウィリアムはどこかからか、箱を取り出していた。
「ナナエルの祝賀会用に、俺からのプレゼント」
ウィリアムがそう言うのとほぼ同時に店の店員から「店内での魔法の使用は禁止ですよ」と言われた。
魔法で出したのかとナナエルは思った。
箱を開けると中にはパリュールが入っていた。
揃いのアクセサリーは氷を思わせるものでどれもとても美しかった。
二人はそれから貴族向けの店でお茶をして、ナナエルは公爵家におくられた。
いよいよ祝賀会だ。
ナナエルは心を奮い立たせた。




