デート
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その日公爵家の使用人たちは入念にナナエルをかわいらしいよそ行きの恰好にしてくれた。
ボンネットのついた帽子にはリボン刺繍が施され、編み上げのブーツは歩き回っても大丈夫なようにとそれに決めた。
色は悩んで薄いローズピンクのものにした。
ヨークの部分が生成色で切り替えられているためナナエルの瞳の色でも甘くなりすぎずすっきりと着られるワンピーススタイルになっている。
ウィリアムは今日は夜会などへ行く豪華な馬車ではなくお忍びの下位貴族という感じの馬車で迎えに来てくれた。
恰好もナナエルと同じ歩き回りやすい姿だった。
ナナエルは特にベージュのベストがウィリアムに似合っていて気に入った。
二人で今日周る店の話をしながら、貴族向けの店が集う王都の一角へ馬車を走らせた。
それから二人で降りる。
まずは、ナナエルのお店の一つを見に行こうという話になって二人で向かう。
街角にあるそのお店は、外から見ても、茶色く塗られた外壁と、オレンジのマークがかわいらしく見える。
ナナエルはソワソワと店を外から見ている。
中のランプも店のマークと似たオレンジの光を放っている。
ドキドキとしながらナナエルたちはその店に入った。
「いらっしゃいませ」
店員は教育が行き届いているらしく丁寧にあいさつをした。
それからすぐに、「オーナーでいらっしゃいますか? すぐに店長をお呼びいたします」と言われた。
店長は何度か公爵邸であっているが店員は初対面のはずだ。
すぐに呼ばれて出てきた店長にその旨を聞くと「主要な貴族の絵姿は入手して覚えておりますから」と答えていた。
魔道具は使い方によっては危険なこともできる。
相手がだれかという事はとても重要なことらしい。
ナナエルは店を見回す。
綺麗に並べられた魔道具と教育が行き届いた店員たち。
ナナエルは店の大まかな方針と魔道具の設計をしただけなのに、上手く店は回っていた。
「信頼できる人に任せるというのも大切なことなのね」
ウィリアムに言うと「俺は大抵のことを配下に任せてしまってるよ」と言ってニヤリと笑った。
「勿論、ナナエルに関わることは俺が自分で全部やるけどね」
と付け加えていた。




