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何もしないよ あーちゃんに迫る危機

結局折れるエレン。


「お兄ちゃん誰? 」


顔から怯えは消え興味津々のあーちゃん。


「俺は大河…… 」


「大河さん。近づかないでと言ってるでしょう」


近づくつもりはない。ただ体が勝手に動くだけ。


そんな言い訳ではエレンは納得しないだろうな。



「それで具合はどうだ? 」


「ハイハイ分かりました。お答えします」


投げやりのエレン。面倒な奴だと思われたに違いない。


「検査の結果特に問題はないそうです。ただ記憶が曖昧で本人は不安がってます。


今、色々と試してる段階ですので余計な詮索は止め、お引き取り下さい」


強い拒絶。これ以上は踏み込めないか。


「ほら早く」


まるで邪魔者を追い払うように。


だがそう簡単に引き下がれない。


あーちゃんは俺にとっても重要な存在。



「分かったよ。見舞いついでに俺も協力してやる」


「わーい。ありがとうお兄ちゃん」


まだまだ幼い。


「はあ? 私の言ったこと理解出来ました? 迷惑です」


やはり俺はまだ信用されてない。


この島に来てから二週間近く経過したがエレンとは接点がなかった。


俺は特段気にすることもなく自然に振る舞っていたがエレンは俺を避けていた。


ただの思い過ごしかとも思ったがエレンは男を拒絶している。


何が彼女をそこまでさせるのか。


他の少女たちにも多少見受けられた症状だが彼女のそれは異常。


なぜそこまで拒絶する? 


過去に一体何があったと言うのか?


悪いが俺の力では彼女をどうしてやることもできない。



「いいですか? 二度とお見舞いに来ないで下さい。これもあーちゃんの為です」


俺が一体何をしたって言うんだ? まだ何もしてないしする気もないが。


「ははは…… はっきり言うね。嫌いじゃないよ」


負け惜しみと分かってるが平静さを装う必要がある。


「はい。はっきり言って迷惑です」


完全な拒絶。


相当嫌われているようだ。


どうも俺は第一印象が良くないらしい。


まあ完全な拒絶からの巻き返しを楽しむのも悪くない。


だがそんな悠長なことしてられない。


何としてもエレンを俺のものに。ついでにあーちゃんも。


もはや目的がずれてしまった感があるが。


「うーんそれは困ったな」


頭を掻きおどけて見せる。


「お帰りはあちらとなっています」


ご丁寧に。これでは従わざるを得ない。



二人が言い争ってる横であーちゃんに異変が。


「うーん。うーんお腹が。お腹が」


あーちゃんがうずくまり泣き出してしまった。


「大丈夫? 大河さんあなた何てことをするんですか? 」


興奮したエレンが向かってくる。


「俺は触れてない。お前が何かしたんだろ? 」


擦り付けあう。


「私が? そんなはずないでしょう」


エレンは我慢の限界か? 怒り狂う。


「おい馬鹿。今はあーちゃんだろうが」



緊急事態発生。


あーちゃんがお腹を押さえ苦しんでいる。


今言い争いをしてる時ではない。


「ううう…… 痛い。お腹が痛い」


喚き散らすあーちゃん。酷く苦しんでいる。ただごとではない。


「どうしよう。どうしよう」


ただ動き回ってるだけで助けようとしないエレン。


パニックに陥っている。



「分かった。俺に見せてみろ」


エレンを振り払いあーちゃんの腕を掴む。


「ちょっと大河さん。非常識でしょう」


緊急事態につき不問。


服を捲し上げ患部を確認。


「何を? 何を? 」


エレンは発狂寸前。


とりあえず深呼吸。落ち着くことが大事。だが聞いてくれそうにない。


「大人しく見てろ。シードクタ―は不在。呼び戻すにもどれだけ時間がかかるか。


今はここに俺たち以外いない。俺たちで何とかするんだ。


だからしっかりしろ。あーちゃんの為だ」


「分かりました。お願いします」


エレンから一任される。それはそれでプレッシャー。



一刻の猶予もない。ためらっては命取り。


着ていた服を脱がし下着も外しよく見回す。


お腹の腫れと引っ掻き傷、あせもの跡も見受けられる。


大したことないようだが少々熱もあるので何らかの処置をしなければならない。


とりあえず水を持ってくるように指示。


俺はその間にへへへ……


ポケットから小さな容器を取り出し患部に塗ってやる。


汗を拭き水を飲ませベットに寝かせる。


後は安静にすればいいのだがエレンが離れようとしない。


もうやることは特にないんだけどな。



一時間後目を覚ます。


もうすっかり元気になったあーちゃん。


後はシードクターに任せればいい。


「ありがとう大河」


もう勝手に呼び捨て。困ったあーちゃんだ。


「凄い。一体それは? 」


秘薬を自慢する訳にはいかないのでごまかす。


「これはマカ。試してみるか? 」


「ふざけないで」


冗談なんだけどな。


「名前は知らない。何にでも効く不思議な薬さ」


「これが? 」


エレンは容器を開け中身を確認。


臭いが強烈で目にまで刺激がくる。



「あーちゃんも良くなったことですし再開しましょうか? 」


体の具合の確認も兼ねもう一度尋問することに。


                     続く

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