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三年前の真実

三年前の真実。


全島民が祭りの準備の総仕上げにかかっていた。


その為大人は愚か男たちも不在。遠くで祭りの準備に大忙し。


祭りの前日は大体こんな感じ。



ブリリアントと姉はその日も二人寂しく床に就く。


明日になればお祭り。思いっ切り楽しめばいい。


夜更かしすると明日起きられないので早寝する。


こんな日に限って風が強く吹く。


明日の祭りにまで影響があったら大変だ。


「お姉ちゃん何か変だよ」


「もう怖がりなんだから。いつもこんなものでしょう」


姉は恐怖心を悟られないように強気で対応。


「だって…… 」


「もう分かった。見てくるからあんたはそこに居なさい! 」


確認に行った姉がすぐに戻ってくる。


「ほらやっぱり誰もいなかった」


「鍵は閉めた? 」


姉は心配ないと言って寝てしまう。


確認してないけどたぶん開けっ放し。


鍵はあるものの鍵を掛ける習慣が島内では浸透してない。


当然どこの家も夜だって開けっ放し。だからここも。



「もうお姉ちゃん…… 」


私よりも三歳年上の自慢の姉。


足が長くほっそりしていて儚げ。私より肌が白いのが許せない。


当時は外で遊ぶことが多くどうしても灼けてしまう。


何で姉だけ? 自分ばっかりずるい。


迫り来る危機を未だ察知できず目を瞑る。


それにしても何でいなくなったんだろう? やっぱり神隠し? 不思議だな。



島に異変が起きている。


暴漢が隣の家まで迫ってきた。


島の外から来た二人組の野蛮な男たちが三人の少女を次々と手にかける。


暴れ回った為そこら中に物が散乱。


無残にも殺された遺体が風呂場と寝床と玄関に放置された。



「ふう気持ちよかったな」


「ああ俺もおかしくなりそうだ」


「怖気づいたのか? 」


「そうじゃねいよ。ただもう止まらなくてよ」


「まだ足りないか。よしもう一軒行くか」


「おい本気かよ? 」


「大丈夫だって。ばれやしねいよ。この臆病もんが」


「へへへ…… そうだな」


罪の意識など無い。ただ凌辱の限りを尽くす獣。


生かすことさえ忘れ終わったらすぐに始末してしまう獣。



獣は匂いを嗅ぎ分ける。


「よしここだ」


鍵はかかっていない。閉め忘れたと言うよりも誰も鍵をかかると言う発想がない。


いるのは気心知れた島民でありご近所さん。何かあればご近所で団結すればいい。



侵入した二人組は離れて寝ていた姉の方に襲い掛かる。


まだこの時ブリリアントの存在は気付かれていない。


寝ていた姉は何が起きたかも理解できずに無抵抗で男たちの餌食に。


欲望のままに悪行を働く。


すべてを終えると何のためらいもなく首を絞め後始末。


抵抗されると待ってましたと言わんばかりに持っていたナイフで腹を一刺し。


悲鳴と共に血だまり。


ついに絶命する。



「お…… お姉ちゃん…… 」


地獄の光景を目撃してしまう。


「何だ隠れてやがったのか。ほら顔を見せろ」


「どうする? 」


「知ったことか。もちろん口封じだ。その前にな…… 」


「ふふふ…… それはいい」


「順番でいいか? 俺から」 


「ああ好きにしろ」


二人組のより醜い者によって人生最大の危機を迎える。


もはやされるがまま。


汚らわしい男の体がまだ十五にも満たない少女の柔らかな肉体の上に覆い被さる。


男は寝間着を強引に剥ぎ取り自身も脱ぎ始めた。


「ほら大人しくしろ! 」


ブリリアントは無抵抗を装い後ろに手を回す。


男が素っ裸になった瞬間思いっきり急所を蹴り上げてから力一杯で突き飛ばす。


哀れな男はバランスを崩し後方に倒れる。


ぎゃああ


男は何と運の悪いことに後頭部を陶器に思いっ切り打ちつけ意識を失う。



「おい何てことしやがる。このガキが! 」


いくら揺らしても起き上がらない相棒。どうやらもう亡くなってしまったようだ。


ひいいい!


恐怖に戦いた男は相棒をそのままに去って行った。


結局男の意識は戻らず彼女は助けを求めて近所の家へ。


しかしそこにも無数の死体が放置されていた。


「あーちゃん…… 」


血だまりに沈む幼馴染。もはや地獄絵図。


パニックになったブリリアントはその場で意識を失う。



こうして死者五名。内一名は犯人。


凄惨な事件は副村長の手によって封印された。


ブリリアントはその後マウントシーへ。


以上が三年前に起きた惨劇。



すべてを思い出したブリリアントにかける言葉が無い。


涙を拭ったハンカチを受け取ると暫し呆然。


ブリリアントも俺も放心状態。


俺は何てことを? 俺は彼女を傷つけた。


言っていたではないか本人もミス・マームも。


重い。重すぎる。俺には受け止めきれない。


だがここで見放せばブリリアントは再び苛まれることになる。



「君は誰もとはいかないが少なくても愛する者に手をかけていない。


奴を殺したのだって正当防衛。いやそれどころかただの不運な事故。


君が苦しむ必要なんかない。罪の意識に苛まれる必要はないんだ!


そうだろブリリアント? もういいんだ。充分じゃないか。


確かに姉さんを守れなかった。友だちも。でもそれも君のせいじゃない。


副村長だってそのことは分かっていた。だからこそ他言無用。


ブリリアント。君を導くのは俺だ。それだけは変わらない。


たとえ誰に許されようと許されなかろうと。俺が君を導く」



「大河さん…… 」


「さあ後はすべて俺に任せてゆっくり休むといい。もう儀式も必要ないよな」


「はい」


「元気を出せブリリアント! 」


「はい」


「また明日な」


はいとだけ言って見送ったブリリアント。


もう苦しむ必要はない。普通の女の子に戻ればいいのだ。


これで一件落着かな。


次のターゲットは……


                  続く

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