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World of Gray  作者:
『world of gray』
6/45

『D4』










world of gray6










その場に大の字で倒れ込む「明希正」。


『明希正君・・君ってやつは・・』


ゆっくりと歩み来る「生徒会長」。

「真依理」は言った。


『彩、明希正君を保健室へ・・・少し大人気なかったかな?』


『勝負なのだから気にする事はない。でも、産土の兵をあんなに出すとは・・・出せるとは思わなかった。』


『私も成長してるって事さ!もう一度1位に返り咲く為そして、彩を超える為。』


『・・・』


『次の試合は、あの太陽君と君の妹君だ!楽しみだな。じゃあ明希正君の事、頼んだよ!』


「真依理」は「生徒会長」に背を向け、その場を後にした。

VIPルームへと戻った「真依理」は、「太陽」からの祝賀の言葉に、謙遜しながらも素直に喜んでいた。

そして「雫」は、「真依理」に落ち着いた声色で言った。


『次は僕とですね。よろしくお願いします。』


Bブロックの勝者である「真依理」は、次にAブロックの勝者と当たる。

つまり「真依理」と「雫」が試合をすると言う事。

「真依理」は爽やかな笑顔と共に、腕を前に出しこう言った。


『こちらこそよろしく!』


忘れてはいけない。

その試合の前にはCブロック、「太陽」と「香」の試合がある。


『頑張れよ。』


「雫」に背を叩かれ「太陽」はフィールドへと向かう。


『もう一度雫と戦う為には此処を突破しなければならない。ーーーーー負ける訳には、いかない。』


何時に無く闘気に満ち、真剣な面持ち。

凄く強そうで、凄くしっかりとして見える。

『なんか、何時もと違う人みたい』と、そう見えていたのも束の間の事。

フィールド、其処には既に「香」が待っていた。


『よろしくね。木崎さん。』


普段から口数が少なく、何を考えているのかよく分からない生徒。

少し気不味い。


『試合、早く始まってくれーーーーー!』


そんな事を考えながら「ふと」視線を逸らすと、其処には「生徒会長」が立っていた。

見た目が「香」そっくりで、余計と気不味くなった。


『そういえば2人は姉妹だったな。』


こうして一緒に居る所は初めて見るが、かなり似ている。


『・・・ーーーーー開始。』


聞こえていないとおかしい程に、その声は響き渡っていた。

そのハズだが、どう言う訳か自身の試合となると、極端に聴力が衰える様であった。


『今、開始って言ったよね・・行くよ。空ノ剣、身体強化、剛腕、高速の身体!!』


『木行、樹海林相大突破(もくぎょう、じゅかいりんそう、だいとっぱ)。』


「香」を中心として多数の青が芽を出す。刹那、それらは一気に生長する。

「香」へと一直線に駆ける「太陽」は、この技に天高く打ち上げられた。


『緑森流、風切葉破(りょくしんりゅう、かざきりはっぱ)。』


『疾風斬撃突破!』


「太陽」は、自身に向かい来るそれらを次々と斬り捨て、「香」を覆う青の中に飛び込んだ。


『緑森流、木御鞭撻(りょくしんりゅう、もくごべんたつ)。』


木々が鞭の様にしなる。

「太陽」が着地した瞬間、それらは襲い掛かって来た。

「太陽」は後方に飛び、左右に飛びそれらを躱す。

が、今太陽が居るのは「香」の作り出した青の中。

樹木も、樹木から伸びる枝も蔓も、青と言う青は何もかも鞭の様にしなり、何度も何度も向かい来る。

斬っても斬っても追い付かない、青の持つ生命力。

枚挙に遑がない。

「太陽」は、向かい来るそれらに細かく斬撃を入れ、斬り刻む。

しなれなくなるまで細かく斬り刻む。


『疾風斬撃、多連突破。』


「太陽」は、歯を食いしばり技を振るう。

腰を落とし力む足、やたらとうるさく感じる時間。

さらさらと乾いた音がすると、其処にはガラリと空いた道。

「太陽」は手を止め、俯く頭を上げる。

切れる息、肩から足へと抜けて行く力。

青のトンネルの先に、はっきりと見える「香」の姿。


『緑森流、木蝋鉄砲(りょくしんりゅう、もくろうてっぽう)。』


樹木の肌から盛んに湧く其れは時雨れる。

刹那、真っ直ぐ一直線に「香」へと駆ける。


『翠ノ太刀。』


「香」は、側にある樹木の枝に手を掛ける。

構える「香」。

「太陽」は「香」の少し手前で飛んだ。

その「太陽」に合わせて「香」は刀を振り上げる。


『翠刃斬閃突破、逆風(すいはざんせんとっぱ、さかかぜ)!』


『疾風斬撃突破、唐竹!』










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