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第43話〜オッス、オラ涼子〜

「オッス、オラ涼子。よろしくな」






 誰?




「涼子…だよな…?」


「あったりめぇだろ」


 もちろん顔はいつもの涼子だよ。クールで落ち着いた大和撫子。涼子だよ。

 でも何かが違うんだよな…。何が違うんだろうな…。


「慶二くん、なんか今日の涼子、変だよね?」


 澪が俺の耳元で囁くようにして言った。どうやら澪も涼子に違和感を感じているらしい。


 挨拶が遅れましたね。こんにちは、慶二です。

 修学旅行も終わり、十月も残すところあと僅かとなった月曜日。今日は修学旅行の振替休日なので学校はお休みです。

 そして今、俺と澪、雪江さんは涼子の家の道場にいます。と言うのも今回、澪は俺に能力講座をして欲しいと言われたのが事の発端。

 それで涼子の道場を借りる事になったけど…。肝心の涼子に違和感を感じる、と。今俺達はこんな状況にいます。


「とりあえず始めようか、澪」


「う、うん…」


「それじゃあ私達は向こうで…」


 雪江さんは涼子に言う。

 今日雪江さんは涼子と剣の稽古をしに来た。理由は、家に自分一人でいるのは寂しいから。らしい。


「それじゃあ何かあったらいつでもオラを呼んでくれよっ」




 何かが違う…。いつもの涼子じゃない事は分かっている。でも、いつもと何が違うんだろう。


「慶二くん、わたしここまで出かかってるんだよ…。でも…」


「俺もそこまで出てきてる。でも…」


 まあいつか、パッと浮かんでくるだろう。そんな事よりレッスンレッスン。


 澪もそう思ったらしく俺に、やろっか。と言う。

 今日の澪は灰色をベースとして、白とピンクのラインなどが入ったジャージ姿だった。

 こういうジャージ姿の澪ってのも、とても可愛い。そして何よりも胸がたまらな…。



 煩悩退散!!!



「ねぇ慶二くん、まず何をすればいいの?」


 と、俺はそこで現実世界に視点が移る。


「えーっとだな、まず能力に目覚めるには自分の武器を出せなきゃいけない。話はそれからだ」


「その武器ってのはどうやって出すの?」


「うーん…そうだな…。体の中に眠る獅子を呼び覚ます感じって言うか…。とりあえず武器に、出てくれ。と念じるんだ。そうしたら手が光って武器が出てくる」


「なるほど。分かった」


 お、澪も物覚えがいいんだな。



しかし二時間後−−。


「ふんぬぅぅぅ〜」


「でやぁぁぁ〜」


「とうりやぁぁぁ〜」


 さっきから踏ん張っているばっかりで、武器を出せるような気配を一切感じさせない。

 まあ一朝一夕で習得できるような代物じゃないからな。これから徐々に徐々に…。


「けいじくんのばかやろぉぉぉ〜」


「八つ当たりか!?」



「お、調子はどうだおめぇら」


 そんな中、同じ道場内で稽古をしていた涼子と雪江さんがこっちに来た。

 しかし涼子はやっぱり何かが違うんだよな…。髪形が違うのか?


 いや、いつも通りの黒くて長いポニーテールだ。何の変化も無い。


「慶二くん、もしかしたら名前が変わったのかもよ」


「なるほど。その可能性があったか」


 俺は早速涼子…と呼んでいいのか分からないが、今の所は涼子と呼ぶ事にする。

 その涼子に問い掛ける。


「名前は…?」






「オッス、オラ御堂涼子。よろしくな」






 やっぱり何かがおかしい。

 まあとにかく、改名した訳ではない、という事が分かっただけ良しとしよう。


 でもそしたら、何が違うんだろうな。次に考えられる変化…変化…変化。






「昨日毛ガニ食った?」


「毛ガニ?オラが?」


「いや待て待て!そんな変化じゃないよな!毛ガニ食ったって外見から判断するなんて、不可能だもんな!」


 そうか。毛ガニじゃないとすると…。



 コラーゲンを摂取…いやいやいやいや!そんな変化じゃない!

 もっと分かりやすい変化だろ。じゃないと気付けないし。



 漫画にハマった?


 いやいやいや!そんな筈が…。



 意外と今の近くね?


 なんか分からないけど、今の結構近かったよ。何故近いって分かったかは説明できないけど、近かった。今のは近かった。

 よし、あと一歩だ。漫画にハマった、が近いとすると…。


 少女漫画か?


 いつかのチワワも、涼子は恋愛に興味無さそうな振りをして、実は少女漫画を沢山持っている。こう言っていた。

 だとすると−−。






「涼子、化粧してる?」






「あったりめぇだぞ」




 それだ!涼子に違和感を感じると思ってたんだが、化粧だった!


 …いや、待てよ。化粧をしてると言っても涼子はほとんどしてないに等しい。それに修学旅行の時も化粧はしていた。

 つまり俺が感じた違和感は、涼子が化粧をしていたからじゃない。何か別の理由があるはずだ。


 だとすると…。まず少女漫画の時点で違くないだろうか。おそらく涼子が少女漫画にハマったのは最近の事じゃないだろう。つまり、少女漫画がもたらした変化ではない。こういう事だ。

 つまり…。






 毛ガニ?






 さっきも言ったっ!!!


 とにかく、少女漫画じゃないとすると…少年漫画になるな。

 お、かなり近付いた気がする。つまり涼子の変化原因は少年漫画か。


 少年漫画が原因。とりあえずここまでは来た。後は少年漫画がもたらした変化の内容のみなのだが…。



 まさか…。まさか…。







 毛ガニ?






 死ねっ!!!俺死ねっ!!!



 少年漫画…少年漫画…少年漫画…。


 アラレちゃん?


 近いぞ近いぞ近いぞ。その調子だぞ。

 アラレちゃんと言えばアンドロイド−−遠ざかった。

 アラレちゃんと言えば、んちゃ−−これは近いぞ。

 アラレちゃんと言えば、ノリマキセンベエ−−遠ざかった。

 アラレちゃんと言えばドラゴンボール−−近いっ!これは近いぞ!


「慶二くん」


「ん、どうした澪」


 あともう少しって所で澪に話し掛けられた。


「わたし分かっちゃった」


「えっ、本当か!?」


「うん。今日の涼子ってさ…」


 ドキドキ。




 ドキドキ。




 ドキドキ。






「寝不足じゃないかな?目の下にクマが付いてるし」







 そ、そそそそそれだぁぁぁ!!!


 涼子は少年漫画にハマり、夜遅くまで読んでしまう。そして寝不足。故にクマっ!!!


「澪、お前天才だよ!!!」


「えへへ〜。そうでもあるかな〜♪」


「いやぁ〜スッキリした」


 澪のお陰で、心のモヤモヤが消え去ったよ。


「うん、それじゃあスッキリした事だし。帰ろうか」


「うん。帰りにアイスクリーム食べて行こうよ」


「いいね〜。それじゃあ駅前に行くか」


「うんっ!じゃあね涼子〜」


「またな涼子〜」


バタンッ


「それでは私も帰ります…。さようなら…」


バタンッ






「私は何をやってるんだ…」

有次『俺と』

直正『わしの』

二人『元ネタ武将はどんな人?のコーナー!!!』


有次『今回のゲストは豚野郎だ』


四分蔵『豚とは失礼でござる』


直正『ここまで美少女が続いたのにのう…。残念じゃい…』


有次『今回の武将は服部半蔵こと服部正成なんだが…。やめるか直正?』


直正『そうじゃのう。やめようかのう』


四分蔵『服部正成は、服部保長の5男として三河国に生まれたんでござる。生家の服部家は伊賀国の土豪(いわゆる伊賀者)の有力家系であった服部氏の一門でござるが、父の保長が故あって三河国に移住し、松平氏に仕えた家である。保長自身は忍者であったと言われるが、息子である正成の槍の腕を認め、武将として松平家《徳川》に仕えるように言い含めたと言われたでござる』


有次『帰ろ帰ろ〜』


直正『お疲れじゃい』


四分蔵『正成は、父親である保長が見込んだ通り、「槍半蔵」と呼ばれた渡辺半蔵守綱と並び称される槍の名人で、その戦いぶりから「鬼半蔵」とあだ名されたんでござる』


四分蔵『そもそも半蔵とは服部半蔵家の歴代当主たちのことを指すんでござる。そしていわゆる「服部半蔵」として世間でよく知られるのはこの正成の事でござる。しかし正成は槍の名手として知られた武将でござって、忍者ではないのでござる』


四分蔵『と、まあ拙者の先祖はこんな感じでござる。有次殿ー、直正殿ー、終わったでござる…ってどこにもいない!?』





四分蔵『ぞれではまた次回。今回のゲストはパーフェクト人間、四分蔵がお送りしたでござる』


四分蔵『ばいばーいでござる』

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