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第3話〜幼馴染は最強?〜

「ったく大声出したの誰よ!うっさいわね!」


ドタドタドタドタ


 怒声と同時に階段をドスドス降りてくる音が聞こえてきた。


「ただいまさっちゃ〜ん」


「あっ、おかえり母さん!」



「ただいま!」


「あっ、おかえり慶二!」


「里美、今日の夕飯は何だ」


「えーっとね今日の夕飯はバウムクーヘ…。って慶二!?」


「おう!久しぶりだな」


「久しぶりだなじゃないわよ! この不法侵入男!」


ゴチーン!!!

1HIT!


「何すんだよ! この野郎!」


「あら? だって不法侵入者をどうしようと私の勝手でしょ?」


「ふざけんな! 誰が不法侵入男だよ、このクーヘン女が!」


「なんですってー!」



ゴチゴチーン!!!

2HIT!COMBO!



「今のがダイナマイトバウムクーヘンか…」


「そんなパンチないわよ!」



ゴチゴチゴチーン!!!

3HIT!NiceCOMBO!



「なぁ…。俺が悪かったからそのバーニングクーヘンをしまってくれないか?」


「そんな物持ってないわよ!!!」



ゴチチチチチチーン!!!

7HIT!SuperCOMBO!


 もう俺はボロ雑巾だ。


「あらあら仲良しさんね〜」


「ちょっとお母さん! どこが仲良しなのよ!?」


「しんぐぁいだな……」


 紹介しよう。この乱暴なクーヘン大好き女の子は伊勢里美。綾子さんの一人娘だ。性格は徐々にわかってくるだろう。

 見た目は親譲りでかなり美人になっている。


 当然男子からは告白の嵐だが、未だに恋愛経験はない…。っていうありきたりな設定ですいません。


「そうなのか作者?」


 ああ。初心なんだよ彼女は。


「とにかく悪かったよ…。ごめんな」


「分かればいいのよ分かれば」


 俺が謝る羽目になった。ちなみに今、綾子さんは夕飯を作っている。

 俺はとりあえず荷物を置いて、リビングにあるソファーに座った。ふかふかで気持ちいい。


「それにしても慶二、本当に久しぶりね」


「そうだな。あれから7年くらい経ったか」


「そのくらい経ったわね…」


「まぁこれからよろしくな」


「ふふっ…」


「ん?何で笑ってるんだ?」


「何でもないです!!!」


「何で怒ってんの?」


「怒ってない!」


「だって、ああ…。そう」


 怒ってるだろ…。なんてこれ以上口にすることはできない。もし言ってしまったらバイバイキンだろうから。


「二人とも〜ご飯ですよ〜」


「「はーい」」


そして4人掛けのテーブルに腰を掛けた。席は俺の隣に綾子さん、綾子さんの前に里美だ。


食事中は俺の向こうでの生活の話しをした。



「ふーん、あんたはそんな感じで剣道を無理矢理叩き込まれたってわけね」

「大変だったのねぇ〜」

「まぁ慣れちゃえばどってことないですけどね」


 一応、子孫と力の制御のことは伏せておいた。


「で、あんたどのくらい強いの?」



 里美は多分、どうせ弱いんだろ?という意味も含んで聞いてきたに違いない。腹の立つバウムクーヘンだな。


「何でお前に言わなきゃならないんだ」


「なによ! 教えてくれたっていいでしょ!」


だから俺はちょっと意地悪をしてみた。


「教えてもいいが、なんかお前の態度が気に食わない」


「なによ!? じゃあ…。どうしたら教えてくれるのよ?」


「私だけに教えて〜。お・ね・が・い・って言ってくれたらいいぞ」


「…」


「リピートアフターミー!ハイッ」


ドカッ

8HIT!


ボスッ

9HIT!


バゴッ

10HIT!GreatCOMBO!



「あらあら〜」


 綾子さん、あらあら〜。じゃなくてこの鬼バウムを止めて下さいよ〜。

 里美の気性の荒さは昔から変わっていなっ! いてっ! 痛い痛い!


「オラオラオラー」


 俺はフルボッコの洗礼を浴び続けた。

 しかしそんな状況下ながらも、一応夕飯を食べ終わった俺はよくできた人間だろう。



「ごちそうさまでした…。イテテ…」


「ごちそうさま〜」


「は〜い、お粗末様でした〜」


里美に暴行を受けた場所がまだズキズキする…。じいちゃんに鍛えられてなかったらどうなっていたか…。


「それにしても夕飯、本当に美味しかったですよ」


「あらぁ〜。慶ちゃんもお上手ね〜」


「いやいや、お世辞じゃないですって」


 実際、これはお世辞などではなく本心だ。がしかし…。


「あらあら〜お母さん口説かれちゃったわ〜」


 ったく、それなのに綾子さんはまたこういうことを口にするから…。


「何ですって〜! この変態!」


 ほらね。


ドッカーン

11HIT!MiracleCOMBO!



 そしてあいつはバイキンマンになった。…ってあれ? 視点が私になってる!

 えっと、はじめまして伊勢里美です! 高校2年生で、部活は空手部です! 好きな食べ物はバウムクーヘンです! あと…。え〜っと…。


 胸が小さいで〜す!


「そうそう、私胸が小さいのよ。お母さんはあんなに大きいのになぁ…。って何言わせてんのよ!」


 どうやらこの里美という人間、俺がこの町をでてから今までの間にノリツッコミが得意になったらしい。


「はいはい、お遊びはそこまでよ〜」


 そこに優しい笑みを浮かべた綾子さんが、手を叩きながらやってきた。


「さて、学校はあさってから始まるわけだけど」


「そういえば荷物はまだ届かないんですか?」


 俺は綾子さんの発言を遮るようにして問い掛けてしまった。


「ええ、まだよ。明日には届くらしいけど」


 と、里美が答える。


「つまり明日は買い物も荷物整理もしなきゃいけないわけか」


「制服は頼んであるから安心してね〜」


 明日は大変そうだな。まあ夏休みぎりぎりに来た俺が悪いんだが…。


「私は明日午前中に部活があるから午後からなら付き合えるわよ」


「ふーん」


「わたしは一日中けいちゃんに付き合えるわよ〜」


「本当ですか? 助かります!」


「その反応の違いはなによ!」


「うっせえ! お前と綾子さんじゃ格が違うんだよ!」


「ほらぁ〜二人とも、やめなさ〜い」


 喧嘩になりそうな所を綾子さんが止めてくれた。喧嘩と言ってもただ俺がサンドバックになるだけだが…。


「話が逸れちゃったけど明日の予定を言うわね〜」


「はーい」


「…わかったわ」


 里美もこのおっとりお母さんには勝てないらしい。今までの怒りが嘘のように大人しくなっている。


「明日の午前中はわたしとけいちゃんの2人で荷物整理。午後は3人でお買い物でどうかしら〜?」


 午前中は2人で荷物整理か〜。エヘ、エヘヘヘヘ〜。


「あんた何ニヤニヤしてんのよ!」


「え? ニヤニヤしてた?」


「あんたもしかして、お母さんに手を出そうなんて考えてないでしょうね〜?」


「あらぁ〜。けいちゃんそんなこと考えてたの〜?」


「え? そ…。そんなことはないですけど…」


「そうよね…。わたしは所詮年を食ったただのおばさんよね〜」


「いやいや! そんなことはないですよ!」


「だって2人きりなのに発情されないなんて、わたしがおばさんだから…」


「とんでもない! 本当は発情しちゃいそうでですよ!」


「ほんと〜? わたし嬉しい〜」


「あはは…」


「わたしもけいちゃんならいいわよ〜」


 くっ…! この人はまたこんなことを言うっ!

 案の定、俺はとんでもない殺気を感じた。


「やっぱりそうなのね?」


 そこには空手の鬼が立っていた。ちなみに里美は全国優勝した女の子だとの事。


「あはっ…。あははは」


「一発で沈めてあげるわ…。覚悟はできた?」


「まてまて! 本当にやましいことは考えていない!」


 とりあえず里美の最強技である、ワールドデストロイヤーを喰らうのはまずい。小学生のときに1度だけ喰らったが、1週間意識不明になったことがある。


「本当に考えてないの?」


「ああ」


「なら2人の前で、やましいことはしません。って誓いなさい」


「わかった」


 そして俺は2人の前に立った。


「わたくしこと前田慶二は…」


「やっぱりわたしがおばさんだから…。しくしく…」


「綾子さんに…」


 そして俺は一度深呼吸をしてこう誓った。









「発情しちゃうってこれは」

「ワールドデストロイヤァー!」

ワールドデストロイヤーを知らない人はテイルズオブデスティニーをプレイすればわかります。

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