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第21話:蓄電池eegg完成

21-1.eegg完成


平和24年5月31日、高性能の小型蓄電池eegg(イーグがあっけなく完成した。

サンの設計の緻密さと、アウルの機能チェックが完璧だったからだ。

それにも増して空間連結器が既に完成しており小型化の実用段階にあることが大きかった。

しかし蓄電池担当の宮平 明日香と金田 英人が、必死で研究し、実装作業を行った結果でもあった。

イーグ(eegg)の製造は、多肢マニュピュレータの自動組立システムで、基板上に空間連結器で切り開いた4次元側に高性能蓄電池を配置して電源の入出力ケーブルを3次元側に取り出し基板を完成させた。

空間連結器で凍結モードにし基板の切り口を閉じると基板には何も見えなくなった。

小型イーグ(eegg)の場合は、丸い団子を上から押したような楕円形の形の容器に基板が格納され長径は30㎝程だった。厚みは5㎝程しかなかった。

容器の先端は突起がありそこから入出力ケーブルが出ていた。

機器IDや電力の入出力を制御する制御ボードは、イーグ(eegg)と連結し、イーグ(eegg)への電力の蓄電や出力を制御した。


第三者がイーグ(eegg)を解体した場合は自動的に分離モードとなり、4次元への切り口が閉じて閉まり、外部との通信等を行う基盤のみが残る仕組みになっていた。

イーグ(eegg)をレントゲンで撮影しても4次元側を見ることはできない。

直ぐに宮平 明日香と金田 英人は、3mm大の超小型イーグ(eegg)を作成し、極楽ロボットの電子虫チームに送付した。


宮平 明日香と金田 英人は、引き続き中型以上の開発に着手した。

中型以上は、丸い団子を引き延ばして膨らませたようなずんぐりとした円筒状の形で長径は30㎝程だった。先端には電源を供給する部分があり丸い突起の様に見えた。

これをコンテナに制御装置と共に格納し、コンテナ型大型蓄電システムに仕上げた。

増設も簡単でイーグ(eegg)をスロットに格納するだけであった。

小型イーグ(eegg)は小型で軽量で車載に最適であった。

中型や大型、超大型、巨大蓄電基地用は原則として中型イーグ(eegg)の増減で構成された。

電気の蓄電や、緊急時の給電をコンマ秒で対応でき、他社のシステムの10倍以上のコストパフォーマンスを示した。

蓄電池イーグ(eegg)は、極楽電池株式会社の機密情報を守るため使用許諾無しには使用できないレンタル契約で供給した。


盗聴防止装置のある部屋に、サン、ゲン、啓、シュン、マコト、ハジメがテーブルを囲んで集まっていた。

啓が立ち上がった。

「皆さん、創立者の指導の基に宮平 明日香さんと金田 英人君の奮闘で高性能の小型蓄電池イーグ(eegg)が完成いたしました」

全員から大きな拍手が室内に響いた。

「イーグ(eegg)の開発は、大型化に向けて現在開発中です。小型イーグ(eegg)は電気自動車への利用には十分でありますので、直ちに商品化して外部へレンタルしてまいります。

しかしイーグ(eegg)のノウハウを守るための表現が必要ですので、創立者からお話があります」

サンがペットボトルの水を飲んで話し出した。

「皆さんのご尽力で、無事に小型蓄電池イーグ(eegg)が完成いたしました」

又もや大きな拍手が室内に響いた。

「まずイーグ(eegg)の構造について簡単に説明します。イーグ(eegg)は楕円形の筐体に電気の入出力部とそのケーブル、筐体の中に外部との通信と蓄電のコントロールを行う基板があります。さらにシャツターがあります」

シャツターとは空間連結器のことだった。

「シャツターは、こちら側と向こう側を繋ぐもので、向こう側に蓄電池が存在し、ケーブルで接続されています」

ハジメが手を挙げた。

「サン、いや創立者。こちら側と向こう側って何ね」

「こちら側は、3次元物理空間のことです。向こう側は、4次元物理空間の事です。この会議の出席者は、今後は、シャツターとこちら側と向こう側については一切口外しないでください。

シャツターは、当初の厚みのある板状から改善して非常に薄い板状になりました。

製品出荷時は、シャツターは凍結モードで向こう側は見えず、向こう側に存在する蓄電池もシャツター自身も見えなくなります。

第三者にはイーグ(eegg)の中身はほとんど空洞にしか見えません。レントゲンでも見えません。

内部を無理に調べたり破壊すると、シャツターは分離モードになり、ケーブルは切断され蓄電池にはアクセスできなくなります」

またハジメが手を挙げた。

「基板は何をすっとね」

「基盤の主な機能は、リニアエッグから電力を受信する時、自分の機器IDや電池の残量等を通知したりします。必要に応じて電気を蓄電池に蓄電したり、蓄電池から電気を取り出しイーグ(eegg)の外に出力します。そして課金情報も出力します。

もし第三者がイーグ(eegg)の容器を破壊した場合は、基盤がセンターコンピュータに状況を通知します。

 以上でよろしいでしょうか。今後の予定ですが、外部へはレンタルでの提供しか行わない事にしています」

再び、啓が立ち上がった。

「イーグ(eegg)の応用について補足的な説明をいたします。

一番基本的な使い方としては、電気自動車や電気飛行機、船舶、電動の列車やバスやトラックにイーグ(eegg)を搭載し、移動中にスペースエッグから無線により受電し、モータを回転させられるので、通常のEV自動車のように移動を中止し充電する必要がありません。

またイーグ(eegg)を複数搭載、多重化し電力配線の故障が発生しても正常に動作するようにします。

イーグ(eegg)搭載の電車は現在の電車のように架線からパンタグラフで受電する必要は無くなり、膨大な設備と保守人員が削減できます。

イーグ(eegg)は、非常な長距離を移動する場合や、砂漠等の過酷な環境で充電が困難な場合に最適です。

無線受電が出来ない室内や長大なトンネル等の場合は、充電済みイーグ(eegg)を装備した無線充電ステーションからEV車やフォークリフト等に無線受電するようにします。

大きな工場の場合は、スペースエッグから無線により中型イーグ(eegg)や大型イーグ(eegg)に充電し、それから各設備に給電します。既存の電気機器の場合は交流で給電します。

これらは大規模停電時の対応にも使用されます。

大型イーグや超大型イーグは、現在開発中の中型イーグをコンテナ型の装置に複数格納し供給します。

また電力会社への送電は、そこに設置された大型イーグ(eegg)にスペースエッグから直接給電します。

さらに水力発電所への蓄電器システムのリースも行う予定です。障害時は、0.1秒以内に切り替えて電力供給可能です。

その他に電子虫用の極小イーグ(eegg)を速やかに電子虫開発チームに提供する必要があります。

最後に蓄電池そのものの名称は、「空間電池」とします。

以上で補足説明え終わります」

今度はゲンが立ち上がった。

「皆、無事にイーグ(eegg)が完成して良かったな。説明も終わったし、さあ天国と極楽で乾杯しようぜ」


その後、小型イーグ(eegg)、中型イーグ(eegg)、大型イーグ(eegg) 、超大型イーグ(eegg)が順次商品化され発売された。

小型イーグ(eegg)は、主として車搭載用、倉庫や小さな工場用として、中型イーグ(eegg)は船舶用、航空機用、中規模工場用として、大型イーグ(eegg)と超大型イーグ(eegg)は大型工場の蓄電用や電力会社用への用途を予定していた。


やがて大型イーグ(eegg)と超大型イーグ(eegg)は、中日本電力と東日本各地に設置され東日本への電力供給に使用されていった。

もちろん、大手の企業には、直接リースされ安価な電力を供給し、巨大な蓄電装置としても使用されるようになっていく。


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