EP436:伊予の物語「呪禁の獣皮(じゅごんのじゅうひ)」 その6~お互いの感情が溢れだす~
R15?R18?でしょうか?
性的表現が不愉快と感じられる方もいらっしゃるかと存じます。
ご不快な場合は、『無視』して読み飛ばしていただけますと幸いです。
両腕から手を振りほどき
「だから何っ??!!贈り物をしたらどうなるって言うのっっ??!!」
兄さまが荒々しく、手から巾着の布を奪い取り、そばにあった鋏を手に取った。
布に刃を当て切り裂くかと思ったら、ピタリと固まった。
「返してよっ!!」
兄さまの手から布を取り返し、背を向けて、ぐしゃぐしゃになった布を伸ばし、糸がほつれたり絡まったりしてないかを調べた。
丁寧に布を広げて、刺繍した部分の糸を伸ばしてると、
フワッ!
頬に温かい気配を感じた。
背中に覆いかぶさるように、後ろから抱きしめられ、頬に唇を押し当てられた。
怒り心頭で、イライラが抑えきれず
「こんなときに色仕掛け?でどうにかなると思ってるの?!もう帰ってっ!!」
鋭い声で言い放った。
ギュッ!
抱きしめる腕に力が入り、
「影男?元佐?誰でもいい。
たとえ浄見が他の男と浮気したとしても別れるつもりはない。
ただし、その男の身の安全は保障しない。
相手がどうなってもいいなら、好きなだけ浮気すればいい。」
低い声で、耳元に唇をつけ囁く。
不規則に耳の奥に触れる、温かい息がゾクゾクとした快感を引き起こす。
素早く小袖の胸元と下腹部に潜り込んだ手が、敏感な部分を這いまわる。
「う・・っ」
胸の膨らみを包むように撫で、指先で、先端をはじく。
その同じ速さで、下腹部に差し込んだ指を、敏感な部分に沿うように動かした。
「うわっ・・きっ・・する」
快感がそこから這い上がり、全身が震える。
「・・って・・言って・・っっんっ・・・なっ・・いっんんっ・・!」
指の動きに合わせて、喘ぎ声が漏れ、言葉が、途切れ途切れになった。
兄さまの触れる、指先に力が入るたびに、快感の蜜が溢れ、腿が濡れていくのを感じた。
「あっ・・んっ・・やっ・・!ダメッ!・・」
自由自在に、遊ばせるように、速さを変え、圧力を変える、その度に、下腹部に力が入り、身もだえする。
低い、掠れた声で
「こんなになってるのに、ダメなの?」
指でピチャピチャと音をたてながら、熱い息で囁く。
「ちっ・・がっ・・・」
胸の先端に触れていた指を止め、胸元から引き抜いた手で、頬を鷲掴みにして横に向け、唇を開かせた。
「影男にも、こんなことを許した?」
言いながら、唇を重ね、長い、しなやかな舌を挿し込んだ。
舌でかき回す速さと、下腹部の敏感な部分を刺激する速さを合わせる。
官能が駆け上がり、全身に力が入り、動きに合わせてピクピクと痙攣する。
「っあ・・あ・・あ・・・っ!」
動きが一気に加速する。
駆け上がった快感の頂点で、何かがはじけたように頭に眩暈と痺れが広がった。
全身から力が抜け、ぐったりともたれかかった。
口元や、腿の間から、だらしなく、体液が溢れて、周りを濡らしているのが、どうしようもなく恥ずかしかった。
兄さまがフッと息を吐いたあと、
「さぁ、寝よう」
何事も無かったかのように、直衣を脱ぎ、小袖姿になった。
二人ともずっと無言のまま。
畳の褥に横になり、伸ばしたその腕に、私は頭を乗せた。
兄さまはすぐに、眠り込んだように寝息を立て始めた。
艶やかな白皙の頬に、そっと触れ、指で薄い唇をなぞった。
本当に眠ってしまったの?
「・・・なぜあなたには、こんなにも反応するの?
なぜ、他の人ではダメなの?」
呟きながら唇に指先を、這わせていると
パクッ!
捕まえるように唇がはさんだ。
「浄見・・・愛してる・・・」
ブツブツと、
呟きながら兄さまは
満足そうな笑みを浮かべ、ゆっくりと眠りに落ちた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
蠱毒が効くのは本当に毒があったからですよね!
効果が有りすぎて呪禁は衰退し、効果が無いから陰陽道は生き残ったのは皮肉ですねぇ。