EP411:伊予の物語「逡巡の款冬花(しゅんじゅんのかんとうか)」 追記
「逡巡の款冬花(しゅんじゅんのかんとうか)のストーリーは『その6』で完結しており、以下は付け足しです。
R18?でしょうか?
性的表現が不愉快と感じられる方もいらっしゃるかと存じます。
ご不快な場合は、『無視』して読み飛ばしていただけますと幸いです。
肌があわ立つような、甘美な興奮が全身を貫く。
唇が、舌が、お互いを求めあい、一つになろうと、
唾液を、舌を、唇を、肌を
奪い合う
兄さまの唾液を、全て飲み干そうとするように、しつこく吸う。
チュッ!
音を立てて口づけを交わす。
夢中になっていると、兄さまの手が小袖の腰紐をほどき、中に入った。
お腹から脇腹、お尻を軽く撫で、下に降りた。
待ち望むように、腿を開いてしまう、自分が恥ずかしくなった。
内腿を優しく撫で、長い指で、敏感な部分に触れる。
「あっんっっ!!っやっ!」
快感をもたらしてくれる、神秘的な部分を、連続的に刺激される。
我慢できない体の痙攣が、官能の高まりを、意識させる。
こんなにも、敏感に、反応してしまう。
ただ一つの、悦楽の絶頂へ向かう、興奮の階段を一つずつ昇る。
次から次へと、新たな快感に身悶えし、下腹部が強張る。
達しそうになる、何度目かに、兄さまが指を止め、硬いものを押し付けて動き出した。
また、押し寄せる快感の波に、脚をこわばらせていると
「浄見、入るよ」
息を荒げた兄さまが呟いた。
「えっ?!何?どこに?」
ビックリして、官能の夢から現実に引き戻された。
「ここに」
兄さまが指で教えてくれたけど
「入るとどうなるの?」
「我慢できず中で出せば、妊娠する。」
はぁ?!!
スッと血の気が引く。
身を起こし
「だめっ!まだ妊娠したくないっ!!」
兄さまの上気した顔に、翳りが見え
「やっぱりそうか。まだ早い?」
『覚悟』ってそーゆー意味だったのっっ??!!!
でも、断ったら兄さまに嫌われるの??!!!
急に不安になり
「もし、イヤって言ったら、もうつきあってくれないの?他の人たちは受け入れてるの?」
もしかして、男性は女性に拒否されるとめんどくさくなるの?
嫌いになるの?
でも、妊娠なんて!
まだ考えられないっ!!
どーしよーーーっっ!!
フラれるの??!!!
兄さまは胡坐をかき、少しうつむき、ふぅっとため息をついた。
「浄見に会えなくて自暴自棄になってたときは、せがまれれば、そういう事もした。
浄見と付き合いだしてからは、自分からはしてない。」
自分からは??
他人からされることもあるの??
知らないことがいっぱい!!!
臺与は?
有馬さんは?
頭に浮かんだけど、聞くのは怖い。
兄さまが、また、ため息をつき
「出すときが一番快感だから、遊びが目的ならそうする男が多いだろう。
女性の身体の心配などしない。
子供ができれば責任を取る男もいるから、それを目当てに誘う女子もいるし。
私は、関係を持った女子に『子ができた』と言われれば、養育費として手当てを払っている。」
えぇ??!!!
自分の子である確信も無いのに??!!
でもショック!!!
実際に兄さまにはそういう子供がいるってことよね??
頭では何となくわかってたけど、本人の口から聞くと衝撃は倍以上っっ!!
年子様にも廉子様にも若君姫君はいらっしゃるし。
兄さまが健康な証拠だけど!!
将来、結婚して子供は欲しいけどっ!!!
今は無理っ!!
そのせいでフラれても?
どーしよーーっっ??!!
でもやっぱり
「い、今すぐは、まだ考えられないっ!!結婚とかちゃんと決まったら、にしたいです!もし、ダメなら、やっぱり、別れるしかない・・・のかな?」
泣きそう。
唇をかみしめた。
スッ!
頬に触れ、ムギュッ!ほっぺを摘まみ
「バカだな。『いつまでも待つ』って、付き合うとき最初に言っただろ?
もし一生、子を望まなくても、浄見を手放す気はない。
こうして触れ合うだけで十分だ。」
唇が近づき、口づけを交わす。
「浄見が満足してくれればいい。そばにいてくれればいいんだ。」
幼子に言い聞かせるように、ジッと見つめながら、そっと呟いた。