EP347:伊予の事件簿「千古不易の言祝ぎ(せんこふえきのことほぎ)」 追記
「千古不易の言祝ぎ(せんこふえきのことほぎ)のストーリーは『その6』で完結しており、以下は付け足しです。
R15?R18?でしょうか?
性的表現が不愉快と感じられる方もいらっしゃるかと存じます。
ご不快な場合は、『無視』して読み飛ばしていただけますと幸いです。
衝立と几帳で区切り、畳と茵を敷いてしつらえた寝所に、小袖に着替えて二人で並んで横になった。
兄さまの伸ばしてくれた腕に頸をのせ、仰向けに並んで寝ていると、影男さんとのことを思い出した。
正直に打ち明けるべき?
それとも黙っておく?
それに、何て言えばいい?
悩んだあげく、ボソッと
「影男さんがね、また、身辺警護を辞めたいっていうから、引き留めたの。」
兄さまはムニャムニャと
「ふぅん。」
「でね、なぜ辞めてほしくないんだろう?て考えたの。」
「・・・・・」
「多分、だけど、好きなんだと思う。
でもっ!!そのっ!!
好きといっても、ちょっとだけ、兄さまの、五分の一ぐらいよっ!」
不機嫌な低い声で
「竹丸はどれくらい好き?」
「竹丸は、友達だから、好きとかそーゆーのじゃない。」
「藤原元佐は?」
「元佐さんも、まだ、全然、会えなくなったとしても何とも思わない。」
「四郎は?」
イラっとして
「忠平様はどっちかってゆーとそばに近づいてほしくないっ!近くにいるときのほうがムカつく!」
ふぅ~~~~。
長い溜息のあと、
「で、影男とどうしたの?引き留めるために。」
ギクッ!!!
核心に近づいたっ!!
心臓がバクバクするっ!!
「ええっとぉ~~~、そのぉ、口づけ、された。」
チッ!と舌打ちし
「以前から何回もしてるじゃないか?私も見たし、それならこれまでと変わらない。たくさんの恋人を持つなら、影男はその一人だというだけだろ?」
ちょっと、意味合いが違うのよね~~。
ドキドキしつつバレないように平静を装い
「そ、そうよねっ!!一応、報告しとかなくっちゃ!って思って。うん。じゃあおやすみなさ~~~い!」
セーーーーーフっ!!!
影男さんとの口づけにドキドキした!ってバレてない?
大丈夫だよね?
モゾッ!!
兄さまが肘をついて半身を起こし、私を覆うように上から見つめた。
「何を隠してる?」
ギクッ!!
「べ、別に、何も、隠してなんかいないわっ!!」
「五分の一ぐらい、男として好きな影男と口づけしたらどうなったって?」
はぁ??
だからっ!!
「え?フツーよっ!兄さまだって廉子様や年子様とするでしょ?それと同じっ!」
眉をひそめ、険しい表情で私を睨みつけ
「違う。全然違う。浄見のときと、他の女子のときは。」
「うん。私もそうっ!だった、けど・・・・」
「けど?!影男はどうだって言うんだ?」
ひゃぁ~~~~!!
みなまで言う必要あるっ?
もう曖昧で済ませばいいじゃんっ!!
「だから、兄さまの五分の一ぐらいは、その、ドキドキしたかなって。」
グッ!!
急に顔が近づき、むさぼるように唇を弄んだ。
強く吸い、舌で歯をまさぐり、激しく中を動く。
何度も唇を吸われ、舌に噛みつかれ、口の中を舌で愛撫される。
速い、激しい動きについていけず、息が上手くできない。
苦しくなって
「・・・ぅんっっ!っんはっっ!!」
顔を横に逸らして、口づけから逃げた。
下腹部に手を伸ばし、小袖の間から手を差し込み、敏感な部分に指を入れた。
冷たい手の感触に、感度が増し、指を動かされるとすぐに果てそうになる。
「こんなになってた?影男にも?」
体液が指にまといつく音を立て、息を荒げる。
兄さまが指の動きを止め、腰紐をほどき、私の身体に腰を寄せた。
私の手を取ると、兄さまの敏感なそれを握らせた。
「一緒に動かして。同じ速さで。」
呟くともう一度、指で敏感な部分を刺激し始めた。
私もその動きに合わせて軽く握りながら、さするように動かしていると、速くなるにつれ、息遣いが荒くなった。
あえぎながら、快感の興奮に体を震わせる。
速さと官能の興奮が加速する。
刺激の連続に、高まりがある一点に達すると、動かし続ける手の中に、温かい液体が広がった。
同時に低いうめき声と、腰を痙攣させるような動き。
兄さまは慌てたように起き上がり、急いで、小袖の裾で私の手を拭った。
「ごめん、浄見の手を汚した。」
「ううん。いいの。私の中で達してくれて嬉しい。」
兄さまの、上り詰めるときの、もがくような、懸命な、必死の、表情が愛おしかった。
いつもの、理知的な、硬い表情と違って、集中してるのにどこか惚けたような、油断だらけの表情が。
「兄さまが気持ち良くなるなら、何でもするから。」
横になりながら、腰に手を回して抱きつき、硬い筋肉質な胸に頬を押し当てた。
兄さまが頬に触れて、顔を上げさせ、目を合わせた。
恥ずかしそうに、心配そうに、
「影男にも、こんな顔見せた?
影男ともこんなこと、するつもり?」
拗ねたように囁く。
悪戯っぽく微笑み
「さぁ?心配なら、これからずっと兄さまが一緒に寝てくれればいいわ!」
衿をグイッと押し下げ、素肌の胸に唇を押し当てた。