表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女・浄見(しょうじょ・きよみ)  作者: RiePnyoNaro
浄見の事件譚(推理・ミステリー・恋愛)
339/505

EP339:伊予の事件簿「応天門の彗星(おうてんもんのほうきぼし)」 その5

泉丸は相変わらずの美貌に、芙容(ふよう)の花が開いたような微笑みを浮かべ


「お前に選択肢を三つやる。一つ、首を絞められてここから投げ落とされる。二つ、強姦されてここに打ち捨てられる。三つ、強姦され首を絞められてここから投げ落とされる。」


はぁ??!!


「どれも嫌に決まってるでしょっっ!!馬鹿じゃないのっ?」


(おび)えつつも、ひるまないよう睨み付け、強気に吐き捨てた。


泉丸が頬にかかる後れ毛を(わずら)わしそうに顔を揺らして払うと、金と真珠の連珠の耳飾りが揺れて目を奪われ、暗黒の中で輝く彗星(すいせい)のような美貌が際立った。


ハッ!!うっかり見とれてたっ!!

ド悪人なのにっ!!

どーしてこんなに美しい必要あるっ???!!!

世の中不公平ねっ!!


心の中で愚痴(ぐち)る。


泉丸がうっかりしてた!って感じで軽く肩をすくめ


「あぁ、犯人については心配する必要はない。お前を尾行してた影男(かげお)を捕まえて、首を絞めて気を失わせ拘束してこの下に、ちょうど蝋山(ろうやま)のバラバラ遺体が見つかったあたりに放置してある。

お前の凌辱された死体とともに拘束を解いた影男(かげお)を放置しておくから、誰かに発見されれば影男(かげお)が犯人だとされるだろう。あいつはちょうど応天門に因縁があると思われてるしな。」


長い、密に生えた睫毛(まつげ)をバサバサと音を立てて瞬きし、薄紅色の菊の花弁のような唇を歪め面白そうに呟いた。


何もかも計算済みで周到な計画を立てたですって?


蝋山(ろうやま)さんを殺したのもあんたなのっっ?!!何の恨みがあったのっ!!いい人だったのにっ!!」


泉丸は目を丸くし


「はぁ?何だって?バラバラ殺人?は私じゃない!恨みも無いし、あいつがここで殺されたのはただの偶然だ。

さぁ、おしゃべりはここまでにして、三つのうちどれにする?

うーーん、強姦したほうが時平は怒るだろうし、それは必須だな。うん。よし!じゃあ二つから選べ!強姦されたあと、生き残りたいか、死にたいか。」


って何っ?さっきの選択肢っ???まだ活きてたのっ??!!!


どれもイヤに決まってるでしょっ――――っっ!!!!!


どーーーーーしよーーーっっ!!!!

誰か、兄さまっ!!誰でもいいからっ!


『助けてっーーーっっ!!!』


心の中で叫ぶ。


声を出そうにも、叫べばすぐに強姦されそうで、怖すぎてブルブル震える事しかできない。


犯人を挑発すれば、行動にでるのが早くなりそうで怖いっ!!!


そもそも喉が押しつぶされたみたいになって、大声が出る気がしなかった。


あぁーーー!ここで失神できればいいのにっ!!

怖いことを記憶しなくて済むっ!!


祈りながらも意識ははっきりしたまま!


強姦されるの?

そのあと殺されるの?


心臓が激しく打ちすぎて息苦しいし全身震えが止まらない。


泉丸が私の方へゆっくりと近づき、手を伸ばした。

(その6へつづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ