EP326:伊予の事件簿「魔性の霊鈴(ましょうのれいりん)」 追記
「魔性の霊鈴(ましょうのれいりん)のストーリーは『その9』で完結しており、以下は付け足しです。
R15?R18?でしょうか?
性的表現が不愉快と感じられる方もいらっしゃるかと存じます。
ご不快な場合は、『無視』して読み飛ばしていただけますと幸いです。
目の前に座る兄さまに、膝でズリズリと近づき、膝立ちになって頸に両腕を絡めて
「もし、その『兄さまに憑りついた魔性の女子』が、今夜は一緒に添い寝してほしいって頼めば、そうしてくれる?」
首をかしげて可愛い子ぶってみる。
チラッと私を見て
「さぁ?どうかな?試しに言ってみれば?」
玉のように青白い額に落ちる後れ毛や、キッチリと撫でつけられた鬢の椿油の匂いや、真っ直ぐな鼻筋にドキドキしながら
「あなたの腕の中で眠りたいわ!」
呟くと、私の腰を引き寄せて抱きしめ、胸に顔をうずめた。
尖った鼻の感触と、唇から漏れる熱い息をみぞおち辺りに感じて、鼓動が速くなる。
衣の上からじゃなく、触れて欲しい。
素肌に、兄さまの息遣いを感じたい。
モゾモゾと手を動かし、直衣の襟紐をはずすと、気づいた兄さまが顔を胸から離し
「何してる?」
「衣を脱がせて、一緒に寝るの。」
座り込んで、直衣の紐をほどこうとするとスクッと立ち上がり、両手を上げて
「ん。じゃあ、脱がせて!」
大人しく協力する。
脱がせた直衣をキレイにたたんでると、指貫(袴)は自分で脱いでた。
脱ぎ捨てた袴を畳もうとすると、お腹に手を回して引き寄せられ、仰向けに押し倒された。
両手を頭の横につき、ジッと見つめ
「もういい、畳まなくても」
「皺になるわ!」
「いいって」
言いながら顔を傾け、少し開いた薄い唇がゆっくりと近づいた。
口の周りのうっすらと伸びかけた髭を見ながら、唇で口を塞がれる直前に目を閉じた。
舌を絡めとられ、吸われるたびに、快感の声が漏れる。
唇や動き回る舌を、唇でつかまえ、吸い尽くす。
舌を絡め、愛撫する。
「っぅんんっぅっ!」
奧が熱くなり、ジュっと滲み、潤む。
夢中で快感をむさぼっていると、兄さまがふいに体を離して、横に寝転んだ。
「じゃ、寝よっか。」
腕を伸ばしてくれたので、枕の位置を調節し、そこに頸を乗せ、寝る準備を整えた。
もう終わり?
触れてくれないの?
体の奥に点った欲求の炎が、中からジリジリと燃え上がり、ジッとしていられなくなった。
敏感な部分に、触れて欲しい。
唇で、指で、
愛してほしい。
あの恍惚と疼きが恋しい。
どうすればいいの?
どうすれば、臺与のように男性をその気にさせられるの?
兄さまの敏感な部分に手を伸ばし、衣の上から触れた。
ギュッ!
その手を掴まれ、衣の中に導かれると、素肌のそれに指が触れる。
「どうすれば、気持ちよくなる?触ればいいの?」
「そう。軽く、柔らかく、握って、浄見のそこに触れるときみたいに。そう、擦るように動かして。うん、いい。」
不器用にゆっくりと手を動かしてみる。
力が強く入ってもダメなのよね?
軽く皮膚にあたるぐらいに、柔らかく握って、さするように動かしていると、兄さまの呼吸が荒くなり始めた。
ビクビクと体を震わせ、力が入った。
「んっっ!っはぁっっ!うっぅっ!」
うめいたと思ったら、上半身を起こし、私の手を掴んで動きを止めた。
「っもういいっっ、充分だ。ありがとう。」
「もういいの?気持ちよくなった?本当?」
いまいち信じられない。
あれで合ってたの?
う~~~ん、
悩んでると、私の下紐をほどき、小袖の衿をはだけた。
「お返し」
言いながら、覆いかぶさり、胸に口づける。
片方は乳房を掴み、人さし指で弾きながら、もう片方は舌先で弾く。
尖って、むき出しにされた、感覚の先を弾かれるたびに、そこからジンジンと震えが奧に伝わる。
その度に、秘めた部分から悦楽の明かしである液体と、喉の奥から声が漏れる。
ぞんざいに片手を動かして、潤んだ部分に指を差し込まれクチュクチュ音をたてられた。
恥ずかしくなってると、
「影男に何もしてもらってないの?一緒に寝たんだろ?」
指が速く動き、繰り返し刺激を与える。
「っあっんんっっ!やっ!」
下腹部に力が入り、指の動きに合わせて、ビクビクと震える。
そこから這いあがる快感の波に、なすすべもなく飲みこまれ、快楽の源泉からは、あらがうことのできない蜜が溢れだした。
指の動きが速まり、下腹部の緊張が高まる。
周りの音が聞こえなくなり、ただ一つの悦楽の頂点だけを予期する。
そこへ向かって、意識は遠のき、快楽の奴隷となり、なされるがまま、絶頂へ上り詰めようとした。
その時、ピタリと動きがとまった。
現実に引き戻され、我に返る。
兄さまが下紐をほどき、モゾモゾしてる。
恥ずかしさを埋めようと
「あなた以外の人に触れられて、気持ちよかったことなんてないわ!」
責めるように呟く。
不思議そうに
「本当?」
呟き、私の膝を立てさせ、開き、その間に入った。
濡れてグチャグチャになったそこに、張り切ったものを押し付けゆっくり動き始める。
それを両手で押さえつけると、再び、快感の渦に巻き込まれた。
「っあぁっっ!っぅふんっぅぅ!」
指よりも大きいそれは、全体を刺激してくれるけど、こまやかではなく、快感は少ない。
でも、兄さまと一緒に快感を感じてることが何よりもうれしかった。
もう少しで、というところで兄さまが体を離した。
慌てて背を向けてなにかをしてる。
振り向いて微笑むと、
「浄見はまだいってないね?してあげる」
もう一度指で刺激してくれて、絶頂に導いてくれた。
衣の乱れを整えたあと、兄さまの胸に抱き着きながら
「気持ちよくなった?いつも、私だけしてもらってるから。兄さまにもそうなってもらいたかったの」
兄さまが目をつぶり、眠そうな声で
「う・・・・ん?あぁ、そんなの、決まってるじゃないか、そばに、いる、だけで、いい・・・のに」
寝落ちしながら、ポツリと呟いた。