EP302:竹丸と伊予の事件日記「誘惑の濁世(ゆうわくのじょくせ)」 追記
「誘惑の濁世(ゆうわくのじょくせ)のストーリーは『その7』で完結しており、以下は付け足しです。
R15?R18?でしょうか?
性的表現が不愉快と感じられる方もいらっしゃるかと存じます。
ご不快な場合は、『無視』して読み飛ばしていただけますと幸いです。
以下、言い訳です。
ええとぉ~~、やっぱりここまで書かないまま、ストーリーが次に進むと、二人の間に何があったのかが消化不良かなと。
各々の心情というか、複雑なものがあるんですよと。
やっぱり言い訳になりますが。
兄さまが親指で唇をなぞりながら、真剣な表情で
「もっと欲しい?」
ドキッ!!
それは・・・
素直に言えば、
そう、
だけど・・・・
恥ずかしさのあまり、うつむいて何も言えなかった。
多分、顔が真っ赤になってる。
「四郎とはその後、どうした?」
どうしよう?
正直に言うべき?
迷った挙句、
「その、忠平様が、触って、ええと、あんまり、濡れてないねとかいって、それ以上は何もなくって・・・」
ゴソゴソッ!
兄さまが何も言わず、私の水干の襟紐をほどき始めた。
無言で私も手を動かし、水干の帯をとき、脱ぎ捨てると、袴の紐もほどいた。
ファサッ
袴が足元に落ち、小袖一枚になった。
「自分で脱ぐからいいわ!」
小袖の下紐をほどきながら、顔を上げると、兄さまは狩衣を脱いでない。
「一緒に寝ないの?」
目だけが強い光で輝いているけど、表情は硬く、口元もグッと締まってる。
下紐をほどき終え、小袖は着たまま、前をはだけた。
『どうしよう?』
上目づかいで兄さまを見つめる。
兄さまは何も言わず、ゆっくりと手を胸に差し込み、乳房の下のふくらみを包み込んだ。
触れるか触れないかぐらい微かに、親指が先端にあたる。
「んっっ!!」
鋭敏なそこから、刺激が波のように広がり、全身が
ピクっ!
痙攣した。
二本の指先が、揺蕩うように横に動き、胸の間からお腹を下になぞり、ゆっくりと滑り落ちる。
んっ!
下唇をかみしめ、声が出ないように我慢する。
指の動いた跡が過敏になり、その刺激を、もっと味わおうとするように、貪欲な興奮が生じる。
下腹部のそこに到達すると、手で包み込み、軽く撫でたあと、内腿へ指を這わせた。
優しく、温もりをどうにか感じとれるぐらいの柔らかさで、腿や敏感な部分に指を這わせる。
何かを探し求めるように、動き回るのに
待ち望み、潤む、奧には触れてくれない。
呼吸が荒くなり、息が苦しくなって、我慢できなくなる。
狩衣の胸を掴み、ひっぱりながら、顔を上げると、
兄さまが無表情に見つめている。
ズルいっ!!
冷静な態度を崩さないのが、悔しかった。
私だけが、こんなに、動揺してるの?
グチャグチャにされてるの?
腰を後ろに引き、触れられるのから逃げようとした。
グッ!
もう片方の腕を腰に回され、引き寄せられた。
腰が動かないように体に押し付けられ、長い指が奧に入った。
ピチャピチャ
遊ばせるような指の動きに、突き上げられた快感で、下半身がピクピク痙攣する。
力が入り、下腹部の緊張が高まる。
そこから溢れた、悦楽の明かしである液体が、腿を伝い落ちるのを感じた。
少し息が荒くなった兄さまが
「こんなになってるのに?四郎は何もしなかったの?」
指で確認するように、グルグルと指を動かし隅々まで愛撫する。
「んっあっ!やっっっ!ダメッ!もぅっっ・・・」
次々と与えられる快感の刺激に、次々と官能の扉が開き、悦楽の次元が上がる。
ひとつひとつの指の動きが、焼印のような官能を与え、指が触れた部分から蜜が漏れだす。
無意識に背を反らし、背中全体に力が入り、身体が強張る。
張り切った幕を振動が伝わるように
指の動きに合わせて、
体がビクッと震える。
連続して指が刺激を与え始め、
押し寄せる高まりに、興奮が駆け上がり
最後の一突きで
ピンと張った幕が破れるように
恍惚が花開いた。
頭にビリビリと痺れが広がる。
目の前がぼやける。
うっとりと兄さまを見つめると、
湿ったその指を口に含んだ。
恍惚の疼きが残ったまま
恥ずかしさを覚えて
「ダメよっ!そんなの舐めちゃっ!」
兄さまが目を細めて微笑み
「美味しい。浄見は全部、可愛い。全部食べてしまいたい。」
「私ばっかり、恥ずかしいところを見られてる気がするっ!」
口をとがらせて呟くと、胸に抱きしめ、髪を撫でながら
「寝所で少し寝るといい。目が覚めたら牛車で内裏まで送らせる。」
えっ?
「一緒に寝てくれないの?なぜ?」
以前のように夜明けまで添い寝してくれないの?
心がザワザワした。
兄さまが私の小袖の衿を合わせ、乱れを直し、下紐を結びながら
「何も知らない浄見を、欲望の対象にするんじゃなかった。
苦しい思いをさせてすまなかったね。全部私が悪いんだ。
浄見を、もう少し、少女のままにしておくべきだった。」
眉根を寄せ、苦痛の表情で呟いた。
私のせい?
何がいけなかったの?
苦しい思いって何?
兄さまを求めたこと?
淫らな欲望を覚えたこと?
快楽を欲しがったこと?
兄さまとの全てを
後悔なんてしてないのに
何も知らないあの頃に
少し前の
性の悦びを想像したことすら無い自分に
もう戻れないんだと思うと
急に涙が止まらなくなった。
ぶ、文学的表現!を目指しました!
性的興奮だけを目的としておりません!