どんどんひゃらら、どんひゃらら。今日は楽しいお祭りの日だよ。
お盆も近づく八十八夜♪ではなくて。
お盆なら百九十五日くらいかしら。
二百十日が九月一日くらいでしょ。時々ズレるけどね。
どんどん近づく八月十五日。
アキ姫様とエメリンはヤグラで踊ることに決まった。
みんな彼女達の踊りを仰ぎ見てマネする為だ。
その後ろでリッキーとドンが歌う。
笛や太鼓じゃなくてドラムもいる。
出店は食べ物系がじゃがバター、リンゴあめ、焼きそば、たこ焼き、フランクフルトっぽいソーセージ、ステーキ串と決まった。
あとはくじ引き、おめん、サカナすくい。
輪投げ。サイコロ投げ。
射的は王妃様と、どうするか迷って辞めた。
この国には銃はないのだから。そのうち開発されるだろうけど。
余計な物は持ち込まない。
火薬もないから花火もないと言う訳だ。
龍太郎君もその辺がわかっているようで、以前硝酸塩かなんかを五箇所山みたいなやり方で作って見た、と言ってたけどもうこの話はそれっきりだ。
転生者って面倒だよなあ。色んな事を考えなくちゃならない。
でも、ま、今は自分が食べたいものを復元することだけを考えよう。そうしよう。面倒な事は考えない。
もともと私は理系の人間ではないのだから。
「そうだ、鮎の塩焼きなんかの屋台あったわね。冷やしキュウリとかさ。」
今からだと屋台は間に合わないかなあ。あらかじめ焼いたり切ったりして、ショッピングモールの店頭で売ればいいかな。
そこのお店の人達に参加してもらって。
「アメ横で売ってるカットパインやメロンもイイヨネ。」
「龍太郎君?」
いきなり話かけられて驚いた。
いつの間に来たんだろう。
あら。私の独り言聞いてたのね。
「ネエネエ!レイカさん。東京音頭も踊りタイナア。オイラ江戸っ子ダイ。」
「あー、なるほど。うん、振り付けは町内会で踊ったから覚えてるよ。」
「ヤロウ!ヤロウ!
ハア〜踊りオードルなーら〜ちょいと東京音頭♪ヨイヨイ♪」
龍太郎君は傘を降りあげる仕草をする。
あああっ、そっちかっ。
「スワローズのファンだったのね、、。今からじゃあミニ傘は無理よ。
あと、歌は音楽隊にアカペラで教えてくれる?」
「リョウカイ。ホラ、ガキども!オレに付いて歌って覚エロ!
リッスントゥミー!
ホラ、リピートアフターミー!」
何故か中学英語を繰り出す龍太郎君だ!
「は、はい。神獣様。」
「ご一緒に歌わせていただくなんて、有り難き幸せ。」
「サ!ツイテコイ!踊りオドルナーラ♪」
龍太郎君。なかなか美声である。
ヨイ♪ヨイ♪
ショッピングモールの中庭で歌のレッスンは繰り広げられた。
楽団はそれを耳で聞いて必死で演奏をし、
私は傘なしの東京音頭の踊りを思い出しながらヨイヨイと踊った。
勝手に身体が動くね。覚えてるもんだね。
「レ、レイカちゃん?」
アンちゃんが目を丸くしていたが、かまうものか。
もちろん私もお手本としてヤグラに登って踊ることに決定した。
いつのまにかアキ姫様とエメリンも来て、自主トレしている。
「こっちの踊りも楽しいですわあ。」
「ええ、エメラーダさん。当日は頑張りましょうね。」
「なんかレイカちゃん、取り憑かれたように踊っていて鬼気迫る感じで怖かったワ。」
アンちゃんがその日の夜ポツンと言ってきたが、黒い悪魔をもびびらせる私の踊り。
慰霊と鎮魂の効果もある盆踊りとしては充分であろう。
サノヨイヨイ♪
さて、お祭り当日だ。
出店とは別にショッピングセンターの一角でもセールが行われている。
ウチの商店街もそうでした。お祭りは隣接した公園で盆踊り大会をやって、そこに出店も出るけどもね、商店街の店頭でも焼き鳥やらかき氷を売るのよ。
本当、ものすごい活気である。
もちろんグランディでも以前から祭りはあった。秋祭りの収穫祭と言うやつだ。
ビールやらワインやら飲んで食べて、肉の串焼きとか丸焼きとか売っていてね、へべれけのオッチャンが昼間っから沢山いたな。
多少大道芸人とかは来てたみたいだけども。
あんまり子供だけでは行きにくい感じなのね。
そこへ王妃様はジャパニーズな祭りを持ち込まれたのだ。
唱歌、村祭りですね。




