祭りだ。祭りだ。豊年まつりだ、大漁まつりかな。
千客万来。その2日後は王妃様がいらっしゃった。
「ねええーん。冷たい素麺食べさせてー。」
「はい。冷やし中華も出来ますよ。」
「あー、それも良いわね。でももう、素麺の口になってるのよ。」
なるほど。
冷たい素麺を召し上がってご機嫌の王妃様。
アンちゃんがデザートに持って来たスイカを召し上がりながら、
「そういえばソバは無いのかしらね。」
と小首をかしげられる。
「うーん。見た事ありませんね。」
「アキ姫様のところにはないかしら?聞いてみようかしら、あ、そういえば。」
王妃様がはっと何かに気がついたと言うお顔をされた。
「ねえ、レイカ。盆踊りとかやってみたくない?」
「あっハイ。こないだのですか?炭坑節。楽しいかもしれませんが。」
「良いじゃない!夏祭りよ。ショッピングセンターの広場でね、やぐらをたてて。夜店も出しましょうよ!
金魚すくい。じゃがバター、リンゴアメ、焼きソバ!」
ははは。料理を作る方に回されそうだ。
「お面を売ったり、くじ引きもいいわねえ。」
「でも、もう八月ですよ、お盆には間に合わないかも。」
ばたーん!
「ははうえええー!お久しぶりです!」
わっ。リード様だ。
くるり。
こちらをご覧になる。
「ヤァ、レイカさん。一昨日振りだね。」
あら、ちゃんと私も目に入っているのね。
「はい、いらっしゃいませ。」
「ところで母上。なんの話をされていたのですか?」
「リード。実はかくかくで、しかじかなのよ。」
「なるほど。あのダンスですね。みなでやれば高揚感も高まるでしょう。
出店がどこまで用意できるかはわかりませんけども、ネモ公に話を通しましょうね。」
あのコンサートでリード様達も踊ったからなあ。話が早い。
「私達にもお任せください、王妃様、リード様。」
アンちゃんとシンゴ君がいつのまにか来ている。
あら?その手には紙と鉛筆を持ってるわ?
「おほほ。用意がいいこと。」
つまり王妃様のイメージを書いてもらって実現しようと言う訳か。
すげえ。忍び一丸となって王妃様のワガママ、いえご要望にお応えしようとしている。
「ははあ。お面を売るのですか。子供達の変身願望をくすぐりますね!」
「紐を引っ張ったら当たりがついてるのですか?ドキドキでいいですね。」
うん、前世の記憶がよみがえる。
テキ屋さんがやってるとこだと良いものは当たらない。
地元の商店街や町内会や子供会とかがやるとちゃんと当たるよね。くじ引き。
(個人の感想です)
「後はね、鉄板を用意して焼くのよ。ソーセージとかね。」
王妃様がフランクフルトの屋台をお描きになる。
そういえばこの世界にはこんな大きなソーセージなかったかも。
「お好みでケチャップとマスタードもつけるのよ。」
サラサラと描きたしなさる。
ほう、美味しそう。
「うん、ネモさんに頼みましょう。それともマーズさんの方が話が早いかな。大きなソーセージの開発。」
「焼きそばやたこ焼きはウチの若いのに焼かせましょう。警備もかねて。」
「あとはね、音源をどうしましょうか?母上。楽団をどこに置きますか?」
あー、この世界録音テープもないしなあ。
「隣接してるショッピングセンターの一角からしかないわね?」
「それよりヤグラの上でしょう。笛とバイオリンがいれば良いですか?それに、誰かに歌ってもらわなくては。」
ドンドン気になる♪ではなくて、ドンドン話が進んで行く。
実現可能になってきた?
「おほほほ。これがハンドパワー……ならぬロイヤルパワーです。レイカ。」
マリッ○のようなセリフと左右の手のひらを広げてのポーズをなさる王妃様。
「ははーっ。」
頭を下げるわたくし。
泣く子と王妃様には勝てないこの世界。
あっという間に準備が整う。
「エリーフラワーさんとアキ姫様、エメリンを呼んで。」
「はっ。」アンちゃんが駆けていく。
すぐに三人が現れて。
「おほほ!王妃様。ナイスですわ!楽しそうですわ!」
「相変わらずだね、才女殿。母上のチカラになってくれたまえ。」
相変わらず腰が引けているリード様。
「エリーフラワーさん。アキ姫様。少年合唱団の声変わりした子供にヤグラの上で歌わせたいの。
笛やバイオリンの伴奏付きでね。」
「まあ!面白そうですわ!」
手を胸の前で合わせて喜ぶアキ姫様。
「何故私が呼ばれたのかと思いましたけども、楽しそうですわあ。」
「ホホホ。エメリンよ。貴女は少年達のアイドルだそうじゃないの。是非一緒に歌ってあげて。」
「はいっ、王妃様。あまり歌に自信はございませんけども、精一杯努めますわ!」
ドンやリッキーは喜ぶだろう。ミルドルも混ざりたいだろうなあ。
「ところでリード。貴方の所の見目麗しく心根も良い女官や侍女。何人か動員なさいね。ホホ。」
王妃様が扇子で口元を隠して微笑まれた。
リード様の顔がぱあっと明るくなる。
「流石母上!そこにレプトン君も呼んで一緒に踊らせたりするんですね?」
「ええ!夏の祭りの夜。解放的な雰囲気。心を湧き立たせる調べに踊り!ラブの予感かもよ!」
○葉ちゃんにささやく蘭姉ちゃんみたいだなあ、オイ。
「屋台も学園の子供達で希望者がいればバイトをさせましょう。」
アンちゃんがニヤリと笑う。
「商人の子や食堂の子もいる。良い経験になるでしょうな。」
と言う訳で。八月十五日の夜。
ブルーウォーターショッピングセンターの広場で、お祭りが行われる事になった。
わあ。大変だ。忙しいぞ。
北島三郎さんの?「まつり」からですね。
紅白の名物でしたね。




