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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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王子様の憂鬱。

誤字報告ありがとうございます。

 さて、少年達が夏休みをエンジョイし終わった、八月の頭の日の夕方。


「やあ、こんにちは。ちょっといいかい?」

いきなりリード様が隠れ家レストランにお越しになった。

先ぶれもなく。

そう言うところは王妃様ゆずりだなあ。(苦笑)


でも王妃様とセットではなくて、単品でいらっしゃるとは珍しい。ハンバーガーセットじゃないけどね。

「母上は今回関係ないんだ。」

護衛のピーターさんが、影のように付き添っている。

多分見えないだけでスケカクさんとかもいるのだろう。


リクエストされたロイヤルミルクティーを、お出ししながら尋ねる。

「今日はレプトンさんはご一緒ではないのですか?」


ふうっ。


美しい顔を曇らせるリード様。

「レイカさん。そのレプトン君がね、問題なんだよ。」

「と、言いますと?」

「元気がないんだ。何か悩みがあるみたいでね。

別に仕事には支障はないのだけど。」

そこで目を伏せられる。


「突然、髪をばっさり切って。それから仕事が終わると毎日温泉に通っているんだ。そこで難しい顔をして考え込んでいるらしい。」


「まあ。そうですの。」

「私が聞いても何でもないです、としか言わなくってね。」

髪を掻き上げての流し目からのため息。

嫌になるくらい絵になる御方である。


おや、ラーラさんやサマンサちゃんが頬を赤くしてるじゃないか。

若い娘さんには刺激が強いか。


「ねえ、アンディ。」

リード様はアンちゃんに声をかける。

「はい。」

「悪いけどねえ。レプトン君と一緒に温泉に入って、悩みを聞き出してくれないか?裸の付き合いで。

私が行くとさ、色々大変だろう?」


「そりゃ、そうですが。」

アンちゃんが真顔になる。


警備とかね。

というか、麗しの王子様が入ってきたらみんなびっくりして倒れるんじゃあるまいか。色んな意味で。


「レプトン君のあの態度。良くて腰痛で、悪けりゃ失恋か。」

考え込まれるリード様。


あら。レプトンさん。カレーヌ様と何か?


「うーん、別に一緒に温泉につかるのは構いませんよ。

だけどね、原因は失恋ではないですよ。

腰痛とかはわかりませんけどね。」

アンちゃんは腕を組む。

リード様が美しい眉を顰める。

「どういうことだい?心あたりが?」


アンちゃんは苦笑する。

「多分ね。メリイさんのツワリのせいです。

レプトンさんの整髪料の匂いで吐いたらしくって。」

リード様は口を大きく開けた。

「あ!それで髪を切ったのかい?

だから騎士みたいなツンツン頭なのか。」

「ええ、多分、整髪料をつけなくてもいいように。」


なるほど!


「なんだ私はてっきり。カレーヌに振られたのかと…」


顔を手で覆うリード様。

とっくに振られてはいるみたいですけどねえ。


「温泉も、汗の匂いを落としてから帰宅するためでしょう。」

アンちゃんの指摘は続く。

「なんだ!そうか!

悪い病気でなくてよかった!」

破顔なさるリード様。部下思いなんですね。


「ま、一応裏はとりますヨ。」

そこでアンちゃんは消えた。

「アンディは仕事が早いなあ。」

リード様が優雅に紅茶をお飲みになる。


そこへ。

「レイカさーん!こんにちは。来ちゃった!

…あら?リード様?」


ぶぶっ!


いきなりのエリーフラワー様だ。

驚きのあまり紅茶をお吹きになるリード様!

タオルをお渡しする。


「…さ、才女殿。お久しぶりだね。」


「あら?王妃様はいらっしゃらないのですか?」

あたりを見回すエリーフラワー様。


「はは。今日は母上とは関係ないんだ。アンディに用があってね。」

苦笑なさるリード様だ。

「でも、私と母上はいつも一緒だと思われているのだね。」

と幸せそうに微笑まれた。

…いや?そこはマザコン扱いされて怒るところでは。


「レプトンさんの事ですわね。色々とウワサは聞いていますの。」

「ほう。流石だね。」

「龍太郎君とキューちゃんがツーカーですもの。」

「あ、そうか。秘密も何もありはしないね。」


リード様はため息をつかれた。

「神獣様同士のお付き合いは我々がどうする事も出来ないし、仲良くしていただくことは良い事だ。」


「それでですね。無香料の男性用整髪料を開発したのですわよ。」

エリーフラワー様がテーブルの上に、ことん、と置く。

「なるほど。」


この国は、というかこの世界は。王妃様が上下水道を完備したり、温泉をあちこちに作らせるまではそんなに入浴の習慣がなかったのだ。

だからベルサイユの時代の様に香水で体臭隠しますよ、系だったのである。

なのでその名残で、どの化粧品も香料がきつかったのだ。

エリーフラワー様が開発したシリーズの化粧品は、優しい天然の香りで市場を独占した。


「今までの売れ筋はリード様モデルのこちらだと聞きましたの。」


「うん、この香りは私の愛用の香水だね。」

リード様がそれを持って微笑む。


「10年前はグランディ王様モデルが流行りだったとか。」

まあ、イケおじだからなあ。


モテモテ王族と同じ香りをまとって自分もモテモテ君になりたいのだな。

どこの世界の青少年もなあ。仕方ないなあ。


実際お会いしたらわかるのだが、リード様も王様も、そしてアラン様も。

誘蛾灯のようなフェロモンをお持ちなのである。

これは生まれつきなのだ。

他人がマネしようとして出来るものではない。


私も中身おばちゃんでなければ、うっとりコロリとなっていたかもしれん。

顔の良い男性にすぐ夢中になるほどウブではない。

(男装の麗人にうっとりはこの際置いといて。)


「今度レプトン君にコレを使わせてみよう。」

「ええ、どうぞ、試供品お待ちくださいな。おほほ。」

「ねえ、エリーフラワー様、産科の病院の受け付けに置くのはどうかしら。売れるかもよ。」

「ナイスですわ!レイカさん!」


エリーフラワー様の顔がぱあっと明るくなる。

商売に貪欲な姿勢は宜しい。



「そう言えば先程、マーズさんにすれ違いましたわよ。ここの前で。」

エリーフラワー様が紅茶を優雅に召し上がりながらおっしゃった。

「あら?サマンサさんに会いに来たのかしら?」

では何故入ってこない?


「アンディ様と何か言葉を交わして、目を輝かして同行されてましてよ。」

リード様は目を見開いた。

「アンディには温泉へ行ってもらったのだが…」

「では一緒にお入りになるのでは?」


そうか?そうなのか?

裸の付き合いなのか。連れシ○ンならぬ連れ温泉か。


さてさて ほほ〜♪


できる○なのテーマソングが脳内にいきなり流れてきたぞ。

NHKのできるかな。良く見てました。

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