ビールがあるじゃないか。ぐっとやろうよ。
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しばらくしてアンちゃんと、レプトンさん。
そしてマーズさんが帰ってきた。
ああ、みんな風呂上がりだなあ。
ホカホカと湯気が立っている。
あら、ホント。レプトンさん短髪じゃないの。角刈りより少し長いくらいかな。
「皆様、ビールをどうぞ。格別ですよ。」
「すみません!アンディ様!」
「ああ、風呂上がりのコーヒー牛乳を飲まずに、我慢した甲斐があります!」
「良ければ、リード様もいかがですか?」
アンちゃんの声に、
「あー、リード様?いらしたんですか?」
いきなり身体が強張るレプトンさん。
――貴方が気になってここにいらっしゃってるのよ、リード様は。レプトンさん。
「お久しぶりです。」
何も気にしないマーズさん。
「うん、硬くなるなよ。レプトン君。もう勤務時間外じゃないか。
確かに今日暑かったしね。私もビールをいいかな?
レイカさん。」
「はい、リード様。先程アンディから今から帰る、
のカエルコール(懐かしいね!)がありましたから、
ポテトを揚げさせているところです。」
温泉施設にも電話があるのだ。
「そうか!嬉しいな!」
リード様はポテトフライがお好きなのだ。ぱあっと顔が明るくなる。
もう七時だ。このまま飲み会になだれ込むかもしれんね。
みんなにそっと指示を出す。
唐揚げを作るひまがないから、チキンステーキをまずショコラさんに焼いてもらおう。
母には生野菜を切ってもらう。冷やしトマトなんかいいね。
私は茄子を素揚げにして醤油と味醂と酒で甘辛タレに漬けるよ。
その隙にサマンサちゃんにチーズ盛り合わせを出してもらおう。アンちゃん秘蔵のナッツもね。
さあ!キンキンに冷えたビールをどうぞ!
揚げなすも添えて出す。
「うわっ、美味いっ!」
うなるレプトンさん。
「サイコーです、チクショウ。」
何がチクショウかわからないが、わかる気がするよ!
マーズさん!
「ああ、夏の日の一杯はたまらないねっ!」
一気に飲み干し顔をほころばせるリード様。
相変わらず良いお顔です。
「本当にこの喉越し!この一杯の為に生きてるって感じですわよ!」
昭和でおっさん達が良く言ってたセリフを吐くエリーフラワー様。
がっ、ぎゅっ、あべっ!だったかな。
長○智也のCMを思い出す私。
あれも美味しそうだったな。
どら、私も一杯いただくかっ。あべっ!
気配りのアンちゃんがシンゴくんに命じて、それぞれの自宅にウチで飲んでます、夕飯は要らないと思います。と連絡済みだ。
みんな安心してジョッキを重ねる。
「結局、みんなでお風呂にはいったのかい?」
リード様がお尋ねになる。その手にはポテトがある。
「はい。私が貸切状態で湯船に入ってましたら、いきなり戸がババーンと開いて、
【たのもう!】とマーズさんが入ってこられたのです。」
道場破り?
レプトンさんが苦笑して続ける。
「腹筋が割れた見事な身体を惜しげもなく、晒して。銅像のように入り口に立っておられました。」
へえ。仁王立ちで見せつけたのか。
身体に自信があるのだね。ナルシストになっちゃったか。
「先日子供たちにも筋肉美を見せつけようとなさってましたねえ。」
サマンサちゃんがチーズやソーセージを置きながら言う。
「いや、そんな。サマンサさん。」
流石に赤くなるマーズさんだ!
「それでご一緒して良いですか?と聞かれて。もちろんですよと答えてましたら、
今度は湯船の中からざぶんとアンディ様が立ちあがって、
【フフ、ワタシもいるのよーん♪】と。」
「ククッ。キャアキャア言って喜んでたわネ。レプトンさん。」
「ひ、悲鳴をあげていただけですっ!まさか湯船に潜んでいたとは!」
「レプトンさんがマーズさんの筋肉に見惚れてるうちに忍びこんだの。フフ、私の筋肉もなかなかだったでしょ。」
何の話をしてるんだい。君達。ほら、サマンサちゃんが顔を赤くして奥に行った。
「なるほどねえ。私も筋肉にはそこそこ自信があるのだが。」
リード様!何故そこで参加する!
あなたのおヌードはそりゃあ芸術作品でしょうよ!
「そんな事おっしゃると王妃様に裸体像のモデルにされましてよ、おほほ。」
エリーフラワー様がニヤリとする。
「えっ。才女殿?それは何だい?」
「……おほほほ、ご説明いたしますわ。」
そこでエリーフラワー様はリード様をモデルに、王妃様がダビデ像をお作りになろうとしていたことをバラした。
前作、続グランディ物語198話「芸術は爆発だ!」に詳しいよ。
流石に固まる一同。
「は、母上……私を美術品のように美しいと思って下さったのですね。だ、だけど流石にそれを自宅前に置くのは。」
頭を抱えるリード様。
「ほほっ。美術館におけば良いですわね。」
「それは服を着たバージョンでお願いします。名誉館長のネモ兄がぶっ倒れてしまいます。」
「さあ、次のポテトもどうぞ。」
リード様が抱え込むようにポテトを食べてるからさ、追加であげたよ。
「これは。少し形が違うね?」
「ウチでメリイが食べてるヤツだ。レイカさん、その節はお世話になりました。」
「結局、君の連日の温泉通いはメリイさんのためだったのかい?」
お尋ねになるリード様。
やっと話が戻ったか。
以前ね、カエルコールってありましたね。
携帯が普及する前でした。
タイトルは細川たかしさんの。「応援歌、いきます」からですね。




